<水野さんの知(10)。電子・金融空間>
金融規制の強化を図る、ボルカー・ルールは、21世紀のユトレヒト条約なのであります。
16~17世紀において、英国だけが、新しい空間、すなわち海洋を取得し、独占していくことになります。
英国は、「海の均衡は、存在しない。 大洋は、あらゆる国家によって共有であるから、たった1つの国家の餌食である。」と考えたのであります。
英国の海賊が襲ったのは、カトリックの船に、限られていました。
「海賊たちの全てには、共通の政治的な敵、つまりカトリックの世界強国スペインがあった。」のであり、海賊たちは、「大きな世界史的な最前線、当時のカトリシズム世界に対する、当時のプロテスタンティズム世界の最前線に、立っていたことになる。」(シュミット)
16~17世紀の空間革命を、20~21世紀に当てはめれば、資本家対中間層(その予備軍も含めて)の対立構図が浮かび上がります。
新たに創造した、電子・金融空間において、ウォーレン・バフェットが、「金融版の大量破壊兵器。」と呼ぶCDS(クレジット・デフォールト・スワップ)に象徴される、金融技術革新は、ちょうど、16~17世紀における、カール5世の基督教統一社会建設の夢を打ち砕いた、英国の海賊と同じように、「想像の共同体。」(べネディクト・アンダーソン)を、崩壊させる役割を担っていたのであります。
「16世紀中葉以来、イギリスの海の略奪者たちは、世界中の全ての大洋に、姿を現わし、新しい自由―まず、友誼線の自由と、大規模な陸地取得の自由、次いで、彼らにとって、唯1の大規模な海洋取得になった、海洋の新しい自由―を実現しました。
かかる、イギリスの海の略奪者たちは、本質的に、非国家的な自由としての海洋の、新しい自由の開拓者なのであった。」(シュミット)
このシュミットの指摘において、英国の海の略奪者を、ウォール街の投資銀行に、海洋を「電子・金融空間。」に置き換えれば、20世紀末から21世紀の現在において、起きていることの本質を、理解することができます。
新自由主義のいう『自由』とは、国民の利益を、『奪い』取るという点で、非国民的(それは、同時に非国家的)であり、「資本家の自由。」でありました。
「海賊とテロリストは、大地の新たなノモスを、打ち立てるどころか、おそらく(ある種の空間)の中を動き回ったように、現代のウォール街の投資家は、規制が十二分に緩和されて、高レバレッジで、自由に動き回れる、グローバルな「電子・金融空間。」で、利潤を、極大化していたのであります。
加えて、バブル膨張を『阻止』する意図を持たないことを、あらかじめ表明していた、市場の神様、前FRB議長のグリーン・スパンのご加護のもと、欧米の投資家は、自由な「電子・金融空間。」を縦横無尽に、暴れまわることができたのであります。
スーパーで売ってる野菜、献立もいろいろ文句を言われても、絶対世界一、こういう世界が来たってありがたいです、ところで、体調はいかがですか教えてください。
のことを書きましたが、彼は大腸がんでした、手術後、いまでは依然と同じように、自転車で蒲田から通勤、以前のように毎日ヘルパーとして働いています、
オヤジな私さん
手術後、リハビリに努め、今、紙芝居による老人慰問の練習をして、2,3作(安寿と厨子王ほか)やっておるようです、