<柳井ユニクロ『失速』の真相(その2)。欧米勢が、日本市場を切り崩し>
ユニクロの海外店は、いまは好調だが、それはベーシックな衣料の物珍しさとヒートテックなどの機能性商品の魅力であります。
消費者のファッションセンスがまだ低い中国や東南アジアでは、ユニクロの低価格商品は、しばらく競争力を保つにしても、先進国では難しいことは、日本での実績がよく示しています。
内需が縮小する日本市場でありながら、米フォーエバー21や米アバクロンビー&フィッチなど、ファッション性で若者に人気のあるSPAが、ビジネスチャンスと見て続々進出し、H&MやZARAなどは、福岡市などにも超大型店を出店しようとしている事実に、目を向けるべきであります。
欧米勢は、ユニクロの隙や弱みを見ているからこそ、ユニクロの地盤である、日本市場の切り崩しにかかっているのであります。
需要が安定し、在庫処分も少なくて済むベーシック衣料とは、供給者論理のビジネスモデルにすぎません。
ユニクロは、米欧で消費者をとりこにするようなデザインや商品企画の力を高める以外に、グローバルなSPAとして、のし上がることはできないでありましょう。
世間が考えるほどに、ユニクロは、競争力の源泉を確立できているわけではありません。
今なお、さまよえる小売業といってよいでしょう。