ナナリーが総督となり、特区日本を成立しようとする夢を持つ。
これはナナリーの身の安全が保障され、なおかつナナリー本人が希望したこと、優しさ。
それもユフィの遺志を継いで。
そしてそこにゼロは登場しない。
ルルーシュはゼロを捨て、ルルーシュ・ランペルージとして生活を送れば、ナナリーを敵に回すこともなく、ナナリーの身の安全は保障され、全てが丸く収まる。
つまり、ナナリーのために始めたゼロという仮面が、ナナリーが総督になることによって必要なくなってしまう。
つまり、ルルーシュが居なくても、ナナリーが平和に生活できる世界が獲得できてしまう。
これまでコードギアスではルルーシュに対して、様々なアイデンティティーを消失させてきたけれども(皇子であり、記憶の改ざんであり)、ナナリーが平和に暮らせる世界を獲得する、というルルーシュの最も大事なアイデンティティーが喪失してしまう、という事態に。
なんという皮肉。
そうか、そうだよな、と自分もそれを見ながら納得。
#それをこのR2の序盤で持ってきたのも凄いな、と納得。
で、リフレインに流されそうになるルルーシュを救うのがカレン、という演出は良かったなぁ。
しかも場所は新宿ゲットー。
ゼロが始まった場所であり、カレンがゼロと初めて会った場所。
#カレン的には追いかけてきて欲しかったんだろうけどね。
でも、グッジョブでした。カレン。
カレンの場合、お母さんがリフレインで大変な目にあっていたわけで、それを目の前で見過ごすこともできないし、リフレインを止めるのはカレン、というのはやはり良かったですね。
そして、今回はかなり物語の核心に迫ったところにたどり着いたんじゃないでしょうか?
冒頭から皇帝が、間違っているのは世界だ!と熱弁していました。
ルルーシュも間違っているのは世界だ!オレじゃない!と熱弁しました。
スザクもユフィは間違っていない、と。
じゃあ、いったい何が間違っているのか?
と問われたときに、このコードギアスは常に世の中のあり方は一通りではなく、善もあれば悪もあって、見方によって違うものだよ、と厳しく現実を見せてきたんですよね。
しかしながら、そういう厳しい見方のほかにも、この物語の中では「優しさ」がキーワードにもなってきていて、それが今回「生徒会」という、ルルーシュの日常にして帰る場所で、その「優しさ」が映るという、素晴らしい演出。
これはぐっときました。
ルルーシュじゃなくてもぐっとくるってもんです。
思えば、第1期のOPでは「COLORS」であり「モザイクカケラ」であり、色や形、そのあり方は見方によって変化していくというような意味の曲を持ってきていたのも印象的でした。
なるほど、ここにルルーシュの新たな原点が生まれた、というわけですか。
もうナナリーだけの自分じゃない。
#もちろんナナリーは一番大事だけれども。
自分は色んな人とかかわりを持ってしまったから。
「優しい世界」はこんなにも近くにあったのだから。
この先の結末がどうなるのか、どう展開するのか?は相変わらず分からないけれども、ルルーシュがこのタイミングでこの気持ちになる、というのは非常に面白いと思いました。
色んなものをなくしちゃったルルーシュだけれども、それでも「生徒会」には、ただのルルーシュを待っていてくれた仲間がいた。
ルルーシュはこれまでゼロだとか、皇子だとか、ランペルージの顔だとか色々と持たざるを得なかったけれども、最終的には「ただのルルーシュ」に戻る、もしくはそういったルルーシュを肯定してくれる、というところが何となくラストの希望のような気もするなぁ。
#そのためには色んなものを失い、奪ってきてしまったけれども・・・。
ナナリーのための世界の獲得、から、ナナリーも目指す、かつてユフィが目指した「優しい世界」の獲得、というベクトル、これでシンクロしてくれば熱いんじゃないでしょうか?
その過程で、今ルルーシュを覆う秘密が全て剥がれて行く、ただのルルーシュになっていく、というプロセスが並行するとかなり燃えそう。
まだ道のりは長いですが、次はどんなジェットコースターに乗れるのか?楽しみです。
あと、C.C.が独り言か?と思って喋っていた相手は、前作でもそういう表現のあった「マリアンヌ=ルルーシュの母親」。
ここも確かに謎として残りまくっているところなので、今回は一端仕切り直し、という大事なスタート地点(思えばR2としての本当のスタート地点?)から、どんな展開が来るのか、また楽しみにしたいと思います。
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