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コードギアス 反逆のルルーシュR2 第8話『百万 の キセキ』

2008-05-27 00:32:23 | コードギアスR2
命を救った百万人の日本人から感謝されることのないスザクに対して、ただ一人、ルルーシュだけがスザクに感謝するというラストがなかなか切ない第8話「百万 の キセキ」。

ルルーシュが前回、既にナナリーのためだけのゼロから、行動を起こしてしまった責任を感じつつ、自分を信じて着いてきたものに対する責任を果たそうと考えるゼロへと変化していくなか、そんなゼロが取った行動が「行政特区日本」に参加すること、だったわけですけれども、その答えは何とエクソダスだった、というとんでもない回答を用意してくれていました。

・・・・・・全く想像つかなかったです。

ナナリーのために立ち上げた黒の騎士団を、ナナリーのために捨てるかどうか、という完全なる二律背反、ダブルバインドに陥っていたルルーシュが取った行動は、日本という土地を捨てる、という選択だったんですね。

チェスで追い詰められた状態で、そこで打った手は、手持ちの駒を動かすんじゃなくて、チェス盤そのものをもう一枚付け足した、みたいな大奇策だった、という感じですかね。
いやー、まったく予想できませんでした。

個人的にはこのエクソダスの派手さが目立つようで、実はこの回はそれよりももうちょっと大事なことが描かれたんじゃないかな、と思うんですね。
実はこっちの方が僕は結構感心してしまったんですね。

百万人の日本人からスザクは感謝されることはないんだけれども、ただ一人ルルーシュからは感謝される、という点もしかり、その結果に至るまでのプロセスしかり、実はそのプロセスが何気に良くできてる、と思うわけです。

エクソダスという結果だけ見ると、何となく荒唐無稽、みたいな感じなんですが、その瞬間までのスザクとルルーシュの間の葛藤と、ナナリーとユフィという互いに大事にしている存在とその思い、最後にスザクを納得させる、その合意に至るプロセスがなかなかに良くできてる、と思ったんですね。


■これは結構すごいかも

百万人を移住させる、というと、とんでもないことなんだけれども、物語的には百万人を移住させることも大事だったのかもしれないけれど、ちょっと個人的にはここが良かった、というか凄く良かったという点があったんですよね。

上手く説明できるか自信がないのだけれども、二段階あったんですよ。スザクが決断をするまでのプロセスで、アーニャとナナリー(&ユフィ)について。

舞台を小舞台と大舞台に分けて、小舞台で予兆みたいなのを見せておいて、大舞台で決断を迫る、みたいな演出?

小舞台の方は、スザクがまた試されるところを描いていて、スザクを襲った日本人に対する処刑のサインはラウンズ以上のサインで執行できる、というシーンですね。

ここで、ルールに厳格であれ、とするスザクと、日本人であり、相手もまた自分が救うべき日本人だと思うスザク、という二律背反に答えを出せないでいるんですよね。
ここでアーニャが歩み寄って、スザクに決断させることを先送りする。

ここまで見たときには、なるほど、と思うくらい&アーニャってなかなかよい子だな、とか思ってたんですが、これが小舞台で伏線的に描かれたんだ、と思いついたときに結構、構成的にすごいなと思ったんです。

これがですよ、大舞台としてナナリーとゼロが対峙して、百万人のゼロが登場したときに、スザクが更なる決断を迫られるわけじゃないですか。

小舞台では一人の命を。

大舞台では百万人の命を。

30分の中でこういう構成をとってくるのか、と正直感心してしまいました。

で、ですよ。
一人の時はアーニャがその荷を負ってくれたわけですが、百万人になったとき、先送りじゃなくて、本当に決断を迫られるんですよね。

そこで用意される選択肢は二択で、虐殺か助けるか、だったわけです。

ただ、そこにはルルーシュがちゃんと落としどころを考えていて、そのヒントに気がつけるか?という一種の賭け。

ナナリーもユフィも許そうとしていたんだ、というのと、ルールを曲げるわけにはいかない、という一見二律背反、ダブルバインドな状況を、両方肯定できる、というヒントがゼロの記号化だった、ということなんですよね。

言葉遊び、みたいな感じもするけれども、誰も傷つかない、優しい世界の実現へ向けた試金石だったんじゃないか、という感じがするんですよね。


あー、うまく説明できた自信がない。


今回は「日本人とは何だ?」という点とか、「ゼロは前のゼロと同一なのか?」とか、よく見ると伏線としてちゃんとヒントが出されているんですね。

で、最後に出した答えが、全員ゼロになって、ゼロが特定の人物である、ということを無くしちゃって(象徴化しちゃって)、日本人っていうのも、どこに住んでるか、とか名誉ブリタニア人とかじゃなくって、心だ(=これも象徴化)と作中で答えをもらっちゃうわけ。

象徴化っちゅーのが記号化と捉えてもらうとわかり易いんじゃないかと思うんだけれども、この2つもいっぺんにやっちゃってるんだよね。

第1期の最初の感想からこの作品はアイデンティティーを問う作品だ、と書いてきてるんだけれども、今回のでゼロと日本人、という両方のカテゴリというか、しがらみ、みたいなのを取っ払っちゃって、新しく立て!といってるような感じ。

ここまで書いてまた新しく思ってきたんだけれども、確かに今回、イレブンにとってのゼロの言葉は重い(ゼロを妄信している意味)、とか、名誉ブリタニア人とか、蔑んでみたりする表現が「くどい」くらいに出てきたんですよ。

今回の記号化ってところでは、そういったゼロへの妄信を捨てて、全員がゼロなんだ、という意図とか、心が折れてなければ日本人なんだ、みたいなそういうカテゴリ解放的な意味もあったんじゃないかと思ったりするんですよね。


・・・・・・全然うまく説明できてないんだけれども(笑)。


で、最後にスザクは命を救った百万人の日本人からは誰も感謝されないんだけれども、ナナリーの意思(ユフィの遺志)を尊重してその決断を下したスザクに、ルルーシュだけが感謝する、という何気に切ないラストで幕、というのがすごく光ってたんですよね。

ちょっとたくさんありすぎて、うまく整理できてないんだけれども、もうちょっと何回か見たらもっと理解できるんだろうか・・・。
ちょっと自信ない(笑)。

でも、エクソダスの実行以上に、記号化しちゃうまでのプロセスがよくできてて、その締めもすごくよかった、という僕の雰囲気だけでも伝わるとよいな・・・、なんて。


■咲世子さん

まさか咲世子さんの前で仮面を取るとは思ってなかったんだけれども、咲世子さんもそれほど驚かなかった感じ?
つか、実はゼロ=ルルーシュって知っていた?
&ルルーシュも咲世子さんがゼロの正体を知っていることを知っていた?(ややこしい(笑))

となると、ナナリーが王族ってことを(今回の総督就任で)知ってるってこと=ルルーシュが王族ってことも自然と知れる、ということだよね。

何気に咲世子さんって、ルルーシュにとっての重要人物なんじゃ・・・。

あなどれないメイドさんです。


次週は特番みたいですけど、今週のをもう1回くらいみて、ちゃんと頭を整理しておきます。
いやー、今回は自分の頭の整理能力が低くて、申し訳ないって感じです。

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