蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

ラストエグザイル-銀翼のファム- 第18話までの振り返り

2012-03-07 11:53:22 | アニメ 感想
感想を書くことも久々ですが、そもそも続編自体が7年ぶりというラストエグザイル-銀翼のファム-について、第18話まで観た感想をここで少しまとめておきたいと思います。


初代ラストエグザイルは、セピアな色調がノスタルジーを誘う、今から7年前の作品ではありますが、今観ても全く色褪せることのない、ロマン溢れる作品だったと思います。
当時はあのレベルの作画があったかどうか、また深夜アニメについてもあの当時は今のように溢れておらず、内容的にも毎回楽しみにしていた非常に貴重な作品でした。


当時、ラストシーンにおいてエグザイルが星間移民船としてその真の姿を現したところで僕の理解はストップしてしまっていた(その先の展開がどうなったのかが理解できなかった)のですが、それが7年をかけて理解できたので、感想として残しておこう、そう思ったわけです。


銀翼のファムでは序盤、あえてだと思うのですが公式HPでも世界観について多くの情報を語らず、物語の展開においても情報は小出しにされており、しかして核心は語らず、という展開でした。

ディーオがかなり最初から登場しているし、タチアナさんやアリスティアも美しく成長した姿で登場するし、シルヴァーナは後継艦と思われるシルヴィウスとして登場するしで、僕は思いっきり勘違いして、初代ラストエグザイルの舞台をそのまま引き継いでるのかと思ってたんですよね・・・。

でもおかしいよな~、アナトレーの位置とか、そもそもあの時代(←勘違いしてたのであえて時代と記載)はデュシスとアナトレーしか大きい国の名前出てこなかったし、なんか銀翼のファムになったらたくさん国が出てくるし、そもそもアデス連邦なんてでかい国家体があれば、当然話題にならないはずがない、なんてぼんやり思っていたんですよね。

結論から言うと、初代ラストエグザイルのOPで始まった15.5話の総集編でその答えがドンズバで示されていたんですが、初代ラストエグザイルの舞台はひょうたんのような形をした人工?の惑星になっていて、それが北=デュシス、南=アナトレーの二つに物理的に分かれていて、そのひょうたんをつなぐ道がグランドストリームだった、そしてラストシーンにおけるエグザイル=超巨大移民船の本来の姿を現すことによって、ひょうたんの星=プレステールを捨てて母なる星=地球へと帰還した、ということだったとようやく理解できたのでした。

実に7年かかりました。
まことに恥ずかしい・・・・。

想像するに、そういう星がたくさんあって、例えばアナトレーとデュシスのように争う形にしてどちらか勝った方が地球に戻れる、そういう仕組みをギルドは考えていたのかもしれない、なんて思います。

結局、アナトレーとデュシスは和平の道を歩んだし、ギルドも長い年月をかけて本来の使命を忘れていたのではないか、と思う節もあります。
ただ、本来は争わせる形にして、帰還民の数をある程度減らして、地球が受け入れられるキャパをコントロールしようとした、そうも考えてしまいます。

現実問題として、今ファムたちが直面しているのは、続々と帰還してくる星間移民船により移民が増えて、受け入れが出来ない状態になってきているし、それにいち早く気がついたのがアデス連邦で、先代のアウグスタが統合を急いだのはそれが理由だから(単なる統一戦争ではない)、という実はアデス連邦の真意もようやくこのあたりになって公にされるという、なかなかにやってくれる展開だったわけです。

ファムたちの行動がミクロになってるから、マクロ視点であえて描いてこなかったわけですが、リリアーナとルスキニアは最初からマクロ視点で動いていたし、ディーオやアルにしても背負ってたものがあるから、理解はしていたわけですね。なるほど、立ち位置もようやく明確になってきました。


では、ここから銀翼のファム本編の今後の予想ですが、

先代アウグスタのファラフナーズがリリアーナをかばって命を落したように、ルスキニアを守ってリリアーナが落命するというのは皮肉な巡り合わせで、それを契機に今回のサブタイトルであるTrasposition=継承がミリアになされ、ミリアがリリアーナが背負っていたものを理解し、エグザイルのコントロールも受け継ぐ、という展開になりました。

ここでのポイントはやはりミリアで、グラキエスの翼の巫女であるディアンが憎しみの連鎖から離れることができず、ルスキニアを殺害しようとしてリリアーナを撃ってしまう、という悲劇に対して、ミリアがその悲しみの連鎖を断ち切れるかどうかにある、という点かと思います。

ミクロでいけば姉を殺したディアンを赦せるか、であると思いますし、マクロ的にはエグザイルを放棄できるか?くらいの大きな展開ができるか、じゃないかと予想します。

そもそもディアンはずっとグラキエス語を使っていて、通訳なしにはコミュニケーションが難しいというキャラクター設定で、これはそもそもどこまで行っても相互理解が難しいものとして描かれたのではないかと思います。
※グラキエスそのものが他者を拒絶する国になっているし、ディアンはその象徴として描かれた。

但し、ミリアやファムの命を救ったのも紛れも無く彼女であるわけだし、あえてグラキエス語という通訳が必要な言語を操るキャラクターを出したのだから、どこかで歩み寄って、ディアンがミリアと通訳なしで会話が成されるシーンがあれば良いなと思います。

例えば、アリガトウ、の一言でも良いと思います。

ミリアは既にグラキエス語を少し話せるのだから、ミリア視点では姉を殺したディアンを赦せるかだし、ディアン視点ではミリアと心を通わせることができるか、というのがミクロレベルでの到達点だと思うし、それが拡大解釈されていくと、世界規模での和解ができるのか、という点につながっていくのではないかと思います。

個人的にはエグザイルを放棄できるか?そこまで踏み込んで欲しいなと思います。

また、ファムの出自については今までかなり思わせぶりな点がありましたが、今回恐らくアデス連邦関連の皇女ではないかと匂わされました。

このままでは行き詰るであろうミリアやサーラに対して、起死回生の想定外打撃を与えることができるのがファムの位置づけですから、ここはあまり変な詮索をせずに楽しみに待ちたいと思います。

まあ、そうなってくると、クラウスとラヴィの出番はあまり無いかな~w
個人的には非常に残念ですが。

初代ラストエグザイルのラストシーンで、モランが結婚してその子供たちと上空を舞うクラウスとラヴィ、見守るタチアナとアリスが居た場所はきっと帰還した後の地球だったんだね、なんて7年かけて理解できた、そんなお話でした。


アルヴィスとミリアの二人がエグザイルをコントロールできる立場になったわけで、それをどう使うのか、またリリアーナを喪ったルスキニアが今後どうしていくのか、サーラとファムの関係はどうなるのか、増え続ける星間移民団と既存住民との対立はどうなるのか、奪われたものの憎しみの連鎖をどう断ち切るのか、このあたりが今後終盤にさしかかる銀翼のファムの見所じゃないでしょうか。


それにしても初代ラストエグザイルのBlu-ray BOX欲しい・・・。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。