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マクロスF 第10話 「レジェンド・オブ・ゼロ」 感想

2008-06-10 01:04:07 | マクロスF
マクロス・ゼロを大胆に仕込んできた第10話「レジェンド・オブ・ゼロ」。

マクロス・ゼロを知らずに本編を観たのですが、これがまた単体としての出来も凄く良くて、その勢いで、これはゼロも観なくては、と思い、早速マクロス・ゼロのDVDを一気視聴。

これがまた結構切ない。

そして再度このマクロスF版マクロス・ゼロを視聴。

これまた凄く良かった。

特にラストシーンでランカが歌う「アイモ~鳥のひと」は単独で観ても凄く良いシーンだったんだけれども(このシーンを観たからゼロを観なきゃと思った)、マクロス・ゼロを観てからこのシーンを観ると、あまりの歌との相乗効果に思わず涙ぐんでしまいました。

素晴らしい。

マクロスF版のこのラストシーンは本当に秀逸ですよ。

作中で監督(とスタッフ)がこのシーンの歌だけは譲れない!と言っていたのが分かる気がしましたね。
これが本当のラストシーンでもおかしくなくて、素晴らしくマッチしてました。


■レジェンド・オブ・ゼロ

マクロス・ゼロの主人公、工藤シンの伝記を元に作成された映画「鳥の人」。

マクロス・ゼロのDVDを観直して思うのは、マヤン島のセットといい、マオ=ランカの登場シーンといい、素晴らしく忠実に再現されているってところですね。
いやー、これはマクロス・ゼロを観ていた人にはたまらなかったでしょうね。
#監督が釣りをしているボートも、見ようによってはマオとシンが宝物を探しに行ったときに乗っていたボートみたいにも見えるし、ちょっとした演出にも小技が効いてるな、と嬉しくなりますね。

マクロス・ゼロ自体は「超時空要塞マクロス」の第1次星間戦争が開始される5ヶ月前、2008年の物語だから、ちょうど僕らが視聴しているリアルタイムに今、ということなんですねぇ。ちょっと感慨深いかも。

マクロス・ゼロのヒロインはサラ・ノーム。

ノーム…。

そうか、シェリル・ノームの名前はここから来ていたのか、と今更ながらに気がつきました(遅すぎです)。

サラは風の導き手として、同じく歌を歌うわけで、ノームの名前には(マクロスFでの)導き手の意味も込められているのかもしれないですね。

サラ役はミス・マクロスを射止めたミランダだったわけですが、マクロスF本編でのゼロとの位置付けとしては、作中でランカが語ったように、サラ=シェリル、マオ=ランカ、という姉妹の配役でぴったり、という感じ。

そういう意味でこのマオ役をランカがやる、というのは、オズマじゃないですが、ハマリ役ですよね。

それにしても、映画「鳥の人」のラストシーンからエンディングにかけて流れる「アイモ~鳥のひと」は素晴らしく素敵でした。

ラストでボロボロになったVF-0がマオたちの歌に導かれて飛んでいくシーンに、ランカの「アイモ~鳥のひと」はこれ以上無いくらいマッチしていて、あのシーンだけ取ってみたら本家マクロス・ゼロを上回るくらいの演出効果があったんじゃないか、くらいに思っちゃいました。

そこからマクロスFのラストはランカが舞台にあがって、スポットライトに照らされる、という演出。

これがまた清々しくて。

小細工で邪魔をされようとも、伸びていく才能は自然とどこかで見出されていく、出された手をその場で掴んだ、なんかそういうのも凄く良かったな、と。

バルキリーによる戦闘シーンとか無かったんだけど、この「レジェンド・オブ・ゼロ」は凄く良かったです。
もう1回くらい観よう。


■シェリルとランカ

坂本真綾さんのOP曲「トライアングラー」のサビでも「君は誰とキスをする」とあるように、そろそろそういうシーンがあってもいいんじゃない?と思っていたところに、今回の映画出演が。

つくづく上手い演出だなぁと感心してしまいました。

マクロス・ゼロを持ってくるってことは、サラとマオとシンの三角関係になるわけで、そこをシェリルとランカ、アルトの三角関係になぞらえることになるんだから。

マクロス・ゼロではマオが先にシンとキスをすることになる(あの海中でマオの宝物の前でキス?するシーン)わけですが、これがマクロスFでは上手いなと思ったんですよね。

姉妹という構図は当てはまっても、サラとマオはサラとマオ、シェリルとランカはシェリルとランカなわけで、今の時代に生きる、ある意味ライバルでもある二人の三角関係なんですよね。

アルトは女形のスターだったわけだし、激しい濡れ場の演目をやっていたのだから、芝居としてのキスは当然あったんじゃないかと思うけれども、やはりプライベートではまだだったんじゃないかなぁ、と思われるし、シェリルにしても、実は初めてだったんじゃないか?とも思わせるところがなくもないし、ランカに至っては間違いなく初めてじゃないかと思われる。

どっちにしてもランカとアルトは演技とは言え、キスしないといけない状況に置かれるわけで、そこにはシェリルも思うところがあるわけですよね。

負けたくない。

アルトは鈍感だし、シェリルも意地っ張りなわけだから、素直になれるわけもないんだけれども、目の前でアルトのキスシーンをみるくらいなら、自分から…、みたいな。

それを見たランカはランカで、今まで(お芝居で好きな人に初めてキスしてしまっていいのか?そもそもこの役ができるのか等)迷っていた心が吹っ切れるわけですよね。

負けたくない。

ここで遠慮していては何にも手が届かない。

アルトが歌舞伎役者の息子だったことも、そのことで揉め事があったことも、自分は知らなかったし、相談もしてもらえなかった。
シェリルはそれを知っていたけれども、アルトに配慮して敢えて何も言わなかった。
何か、色々とこれまで溜め込んでいたシェリルに対する劣等感や、アルトに対する思いを一歩踏み出せない自分、つまるところ自信が持てなかったんだけれども、ショック療法的にアルトとシェリルのキスシーンを見て、このままじゃ何も届かない、と思ったのかもしれない。

マオの気持ちが分かる、と言ったのは嘘じゃないんだよね。
ここはおおー、なるほど、と思うところでしたよ。

いやー、そこからラストシーンの「アイモ~鳥のうた」は素晴らしく良かったですね。
ここから始まるシンデレラストーリー、みたいな。

本人の実力や努力とは関係無いところで色んな邪魔が入って、どん底に落ちてたランカにこうやってスポットが当たる、というのは非常に嬉しい感じでした。


■因果関係

オズマが、ランカがマオ役をやるのは何かの因縁なのかもしれない、と言ったのはやっぱりランカの出生の秘密、みたいなのがあるんじゃないかと思うところですよね。
#2つの側面があって、1つはサラとマオという姉妹の三角関係の側面。作中はこちらがシェリルとランカの関係性を現す意味でスポットがあたっているけれども、そちらはオズマとしては(今現在ランカがアルトを巡ってシェリルと三角関係にあることは)知らない側面なわけだから、もう1つの側面、風の導き手としての側面なんだろうか…?

ドクター・マオと言っていたわけだから、マオはあの後、博士になってプロトカルチャーの研究をしたのだろうか…?
彼女の血には、人類とは違う、人類を進化させたと思われる祖先の血が流れているわけだから、その導き手としての血がランカにも流れているのかもしれないですね。

また、シェリルにしても、親がわからない状態で、あのイヤリングが何らかの彼女の素性を現すわけだから、まだまだこのヒロイン二人に関しては、DNAの螺旋構造のようにねじれていきそうですね。
#レオンが会っていたエージェントっぽい人が持っていた石は、シェリルが持っているイヤリングの石と同種だと思うし、ヴィルラ氏?が持っていた石とも同じものと思われる。

二人の歌姫の声が、宇宙空間を越えてアルトに届いたのは二人の資質か、石のおかげか、それともその両方か?みたいな。


また、アルトとランカの危機に登場したブレラ・スターン。
あからさまにランカと関係ありますって感じで、さらに、彼は機械の体を手に入れているけれども、代わりに過去を失っているような感じで、ランカと同じようにあの「アイモ」だけを覚えているのかもしれないですね。

初代マクロスでも、輝のライバルとしてリン・カイフンが登場して、ミンメイを巡って争ったように、アルト、ランカ、ブレラという三角関係もありそうですよね。
#アルト的には二度も彼に助けられたことになってるし。

バジュラの真の恐ろしさとは?
感染がどうとか言っていたようにも思えるし。

まだまだ謎がたくさん。

そういう謎も面白いんだけれども、やはりマクロスの醍醐味は歌とバルキリーと三角関係。

それだけでも充分面白いです。


マクロスF O.S.T.1「娘(ニャン)フロ。」

今回の「アイモ~鳥のひと」も収録、つか、すっごい盛りだくさん。絶対購入をお勧めします。

ダイアモンド クレバス/射手座☆午後九時Don't be late


マクロスF(フロンティア) 1 (Blu-ray Disc)

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