蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

交響詩篇 エウレカセブン 第29話「キープ・オン・ムービン」感想

2005-11-06 09:24:03 | エウレカセブン
今回は小さくほのぼのとした笑いを入れつつも、結局はまたしみじみと泣いてしまいました。
泣きのポイントはいくつかあったのですが、エウレカと最後のドミニクの涙に完全にやられました。
今回は序盤でインターバルパートか?なんて油断してたものだから、余計にぐっときてしまいました。

さて、本編は第27話第28話という第3クールの方向性を見せるための解説パート・伏線パートを終了し、今回の第29話から本当のスタートとなりました。
ストーリー内部のイグニッションとなったのはタルホ姉さんでしたが、これがエウレカに関すること、そしてこれからの行動に直結しているところ、この辺が上手くつながって、さあ新展開だという感じです。

■語られるエウレカの秘密
エウレカ本人が語ろうとしていたけれども、どうしても言えなかった一言、それをタルホさんからスパッと語られるわけですが、一視聴者としてもここまでスパッと言われると多少動揺しちゃうんですが、それでもこの流れはある程度ここまで視聴している人だと予想できたところかもしれません。

それよりも今回はガランとしたリビングに漂う寂寥感さえも拭い去る、レントンとエウレカのつながりに一番重要な意味があったんじゃないかなと。
このシーン、常に涙もろい僕ですが、ご他聞に漏れずしみじみと泣いてしまいました。・゜・(ノД`)・゜・。


頼んだわけじゃないの……
自分から言わなきゃって
でも、でも
レントンに嫌われると思ったら……
私、私……


よく分かんないや
だって、こうして触れた君はいつだって
特別なんだもん


レントン……?

最初から君は俺にとって他の誰かとは違うんだよ
エウレカ
君は君だよ



。・゜・(ノД`)・゜・。

29話をかけてこの二人、ついにこのレベルまで来ましたよ(涙)。
これまで二人の関係性について第1話からずっと丁寧に積み重ねてきただけに、秘密とは暴かれるときは一瞬で暴かれたとしても、揺るがない、全く揺るがなかったこの関係性にしみじみ泣けました。

思えばレントンは第1話で既にエウレカのことを一目惚れしていました。
そして今回のタルホさんの問い掛けは既に第4話「ウォーター・メロン」の中にあるんですよ。
そのときのレントンは、


それに僕は応えられなかった
何かいい言い方があることは分かっていたんだけど
このときの僕にはそれが思いつかなかったんだ



そう、この時点では答えられなかった。
一目惚れだけでは、そして世間をまだ知らないレントンには答えられなかったんですよ。

しかし、少年は成長していました。
その兆候は少しずつ、そしてとても丁寧に描かれていて、

第8話「グロリアス・ブリリアンス」では、


俺月光号に乗り込んだとき決めたんです
例え世界中を敵に回したとしてもエウレカの力になるって



既にこの言葉を発しているんですよ。


例え世界中を敵に回したとしてもエウレカの力になる


。・゜・(ノД`)・゜・。

燃える、泣ける、これは本当に王道ですよ。

きっとこの時点で言った言葉は勢いと思いだけのものだったのかもしれない……けれども。
迎えた第2クール、レントン、エウレカの互いの内面と向き合いつつ、二人とも試練を乗り越えて、離れ離れになって互いの存在の大事さに気が付く。
そのきちんとした積み重ねを経て辿りついたのが大感動の第26話「モーニング・グローリー」
ここまで丁寧にレントンの成長を描かれたら、今回のレントンの決意に異を挟むことなんてできやしないよ・・・。・゜・(ノД`)・゜・。
ここまでの過程・経緯・成長があるから、


最初から君は俺にとって他の誰かとは違うんだよ
エウレカ
君は君だよ



。・゜・(ノД`)・゜・。

二回言ったよ、自分。

ひょっとしたら本当に全世界を敵に回しちゃうかもしれない。
けれども、だけれども、もう僕はこの二人を完全に応援体制に入ってます。

この作品について、ずーと、レントンとエウレカが「手をつなぐ」ところがポイントなんだって思って感想も書いてきたので、この二人の手が握られている限り、物理的に離れようが、離されようが、きっと大丈夫、そう思えるんですよ。

あー、また日曜日の朝から良い話を観てしまいました。

後は、意外とゲッコーステートのメンバーも落ち着いていたのが意外でしたが、その後、やるべきことがわかったならば、皆プロというか、役割を理解して自分から動き始めるあたりにこれからの新展開のスタートを感じさせてくれました。

■似たもの同士、ドミニク・ソレル
確かDVD4巻のライナーノーツに第13話「ザ・ビギニング」でレントンとドミニクはどこか似ている、みたいな解説が入っていたと思うのですが、今回のこのアクセルとの邂逅でこんな不意打ちの涙を貰うとは思いませんでした。

これってやっぱり第13話「ザ・ビギニング」があるからこそ引き立つお話しで、こういった構成の妙味というか、緻密さというか、ほんとこの物語って凄いです。


ドミニク君……
これからもレントンと仲良くしてやってください


えっ?

あれの父親は英雄と祀り上げられた男です
だがあんなものは軍部が作り上げたでっち上げに過ぎんのです

どうか、ありのままのレントンを見てやってください<

最初、君を見たときから他人である気がしなかった
気が向いたらいつでもここに寄ってください
君のバイクなら、このおいぼれ、いつだって喜んで引き受けますよ


あっ……


。・゜・(ノД`)・゜・。

正直、ここでのドミニクの涙の理由については分からない、というか想像の域でしか語れないのだけれども、それでもここでのドミニクの涙は何か純粋にこっちまで泣けてしまって……。・゜・(ノД`)・゜・。
また、アクセルの演技が素晴らしいというか、何と言うか、あの短い台詞の中に込められたレントンへの思いもひしひしと伝わってくる、そういうところにも前半では笑いを取りつつも、しっかりとぐっときてしまうところでした。

多分ドミニクとレントンが似ている、というのがあったからかもしれないんですが、こういう温かさ、人間臭さを随所に仕込んでくれるから、観ている方としてはもう存分に泣かされてしまうのかなぁ……。

ここでのドミニクの涙にまた意味を与えられる、そんなストーリーが展開されることを願っています。

■さあ、新展開へ
月光号の発進、ホランドの目覚め、アドロックを中心とした過去編へのインビテーション、ひいてはドミニクに付いた監視役と、さすがは第3クール、起承転結の「転」だけあって、ここまでの「起」「承」を活かした、そしてその上を行く展開になりそうな予感がひしひしと伝わってきます。

既に物語りは3分の2が終了してきましたが、この時点で個人的はこの「交響詩篇エウレカセブン」、かなり傑作の予感、というか確信に満ちています。
レントンとエウレカ、この二人の物語の結末、たとえどんなことになろうとも、しっかりと見届けたいと思います。


交響詩篇エウレカセブン
DVD第5巻
2005/11/25発売
第15話~第18話を収録