蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

担い手はここに孤り

2005-10-31 23:16:43 | Weblog
来るべき明日に備え、早めに仕事を打ち切り、身を清め、朝を待つ。
未だ開かざる「門」を前に、ただひたすらに夜明けを待つのみ。

ただ一言、この言葉を言うために。

───問おう、貴方が私のマスターか


11月1日、それは娘(息子)を持つ父親の幾人かは経験するであろう、そんな日。
11月1日、それは人によっては開かぬ「門」を寒風に耐え、ただひたすらに待つ、そんな日。
11月1日、僕の場合、ただ夜明けを待ちながら。

そう一枚の紙きれを携えて。

幼稚園の入学願書と言う名の。

そしてそれを園長先生という名のマスターに手渡すためだけに。

ふおぉぉぉ、何で夜中の3時から並ばなあかんねん!!
#って先着順だからだよ・・・orz。

ふえぇぇぇ、せっかく「Fate/hollow ataraxia」も発売日に届いたのに、まだ出来てないよぅ。
#つか、それは今「Fate/stay night」の「桜ルート」がクライマックスだから・・・間に合わなかった・・・orz。

ということでこれからちょびっと眠って、夜の巡回、否、幼稚園の入園願書を届けるための耐久レースに出場してきます。
#コメントたくさん頂いていて大変嬉しゅうございます。
#この聖杯戦争(違)が終わったらコメントレスに参りますので、皆様しばしお待ちを。

ということで、読書用に「空の境界」とi-pod nanoにコバルトの「ヨリドラ」を入れて頑張ってきますですよ。
#つか、なんちゅー組み合わせだ(笑)。

交響詩篇 エウレカセブン 第28話「メメントモリ」感想

2005-10-31 01:06:11 | エウレカセブン
相変わらず物凄い密度で展開されるエウレカセブン第3クール、たった30分の間に一体どれくらいのドラマが詰め込まれているのか、と感心してしまいます。
今回はチャールズとレイという二人の作中での最後の意味を2つ示しつつ、第3クール全体のストーリー展開の方向性をほぼ決定付けたんじゃないかと思います。
それにしても緊張感と切なさを併せ持った30分、そして小さい伏線がたくさん仕込まれた30分でした。
先週・今週と仕込まれた小さな伏線が、やがて第3クールのテーマとなる大きなものになるんじゃないかな。

■チャールズとレイの作中の意義
個人的にはエウレカセブンという(各キャラがきちんと立った)作品の中でもかなり好きだったチャールズとレイ。
いずれは散っていくと覚悟していたキャラだったけれども、やっぱりお気に入りのキャラが散っていくのはなかなか辛いですね。
そんな中で僕が思うには、チャールズとレイというキャラには作中で3つの意義が持たされていたんじゃないかと思うんですね。

1つ目はこれは明らかにレントンに対して新しい世界を見せてあげるという役割。
その中には「家族」というキーワードもきちんと入っていて、父親像・母親像を抱くことで、そしてゲッコーステートを離れた立場から、これまでと違った大人と出会うことでどん底にあったレントンを救い上げて、かつレントン自身が這い上がるという重要な役割でした。
レントンの成長物語をやるうえで、僕はほぼ最初の感想あたりから一貫して「アドロック越え=父親越え」をやらなくちゃいけないはずだと思っているので、ここで父親像を一つ持っておくのが結構重要でした。

2つ目は上記の父親像とリンクして、アゲハ計画を含めホランドたち、ひいてはアドロック、エウレカの過去編をやるためのインビテーションになっているところも見逃せないと思います。

レントンは今回「本当のことを何も話してくれない」と言っているわけですが、これは逆に言うと作中では本当のことを知っていくための助走シーンになっていると思うんですよね。
何故チャールズやレイは死ななくちゃいけなかったのか?何故レイは子供が産めなくなってしまったのか?何故それをエウレカのせいだと思っているのか?という部分にレントンが疑問を持つことで、これらの原因になっているであろう「サマー・オブ・ラブ」とはいったいなんだったのか?という核心へ迫るためのインビテーションになっていると思うんですが、そうだとするとこのシリーズ構成はホントに緻密でホントに丁寧な作りをしてるなと、感心してしまいます。

第3クール第1話目となった第27話の感想でホランド、アドロック、チャールズやレイの過去編をやって欲しいと思っていたので、今回のでそういう方向性がある程度決定付けられたんじゃないかと思うんですが、どうでしょうか。

3つ目は「俺たちがそれ以外の術をしらない人種だからだ」という部分に集約されるんじゃないかと。
これはホランドの台詞ですが、ホランドが腹を括ったのも、自分にはそういう生き方しか出来ない、そういう道を選んでしまったのだから、という因果応報的部分があって、チャールズにしてもレイにしても、戦場に身を置くならばそういう結果になる、逆に言うとレントンはこういう道に入ってはいけない、不殺を貫かなければこういう結果になるという暗示でもあったんじゃないかなと。
#「それ以外の術をしらない」という台詞で、「蒼穹のファフナー」第24話の真壁指令を思い出した方、是非仲良くしてください(笑)。
#あの24話はマジで良かったですよ(涙)。

レントンは自分を責めているんですが、これにはきっとレントンとは関係なくて、デューイが手を回してチャールズたちを引き込んだわけですから、レントンとの邂逅がなくとも、いずれはゲッコーステートと対峙することにはなっていたはずなんですよね。
詰まるところ、作中重要ポジションを占めるデューイ、彼を中心に今の全ての計画が回っているわけです。
ゆえに、今回のチャールズたちの作中意義としては徐々にでは有りますが、チャールズとレイを経由することによって、レントンとデューイをつなぐラインが出来上がってきているところにあって、この二人の邂逅というのがもし第3クールであるとすれば、それはかなりの見所になるんじゃないかと予想しています。

■レイ
「GET IT BY YOUR HANDS」はチャールズのフェイバリット=テーマになっていたんですね・・・(切ない)。
思えばチャールズとレイがレントンと初めて会ったときもこの曲がかかっていたんですよね。

今回惜しくも散ってしまったわけですが、第27話の感想で「憎しみよりも愛で終わって欲しいところ」と書いただけに、ラストシーンの指輪は切なかったです。
最愛のチャールズを失って正気を無くしつつも、やっぱり最期はそこ(愛情)に戻って来て散っていったところに一抹の救いを観たような気がします。
チャールズとレイには十分作品を盛り上げて楽しませてもらったので、安らかに眠って頂きたいところ(敬礼)。
#後はチャールズもそうなんだけど、レイの行動もファーストガンダムへのオマージュ・リスペクトという雰囲気はありましたね。

■ホランド
第2クールの最終話となった第26話で、ホランドのモノローグは浮上へのきっかけで「信じて認めてあげる」フェーズに入るんじゃないか?と書いたところが(たぶん)当たっていて良かった(ホッとした)。
これ以上落ちるホランドは見てられなかったので、直感を信じて良かった・・・。

レントンとエウレカの壁となる道を選んだ、本人言うところの「俺たちがそれ以外の術をしらない人種だからだ」はここにも当てはまっていて、これは壮絶にカッコいいホランドと、壮絶に切ない展開のホランドとが見れそうでちょっと怖いですね。

また冒頭の輸血パックの不足は「ああ、これって確実に輸血イベントあるな」と思いながら見ていたんですが、まさかその週の最後にいきなりもってくるとはおもいませんでした。
しかも、それをレントンとホランドで輸血するという、まさに予想の斜め上を行く展開。
#またタルホさんも今回切なかったっすねぇ・・・。

これで血を分けた兄弟って感じになったわけですが、ここでダイアンの話がカットインしてくるあたりやっぱり構成が上手くて、やっぱり大人たちの過去編につながる伏線が今回は小さく、そしてたくさん積み上げられたんじゃないかな。
特にホランドとダイアンが結婚を前提としていた、という前提があったならその場合はレントンは本当にホランドの義弟になっていたわけで、そういうきっかけから過去編に入ってくれないかなぁ・・・。

つか、自分、過去編があること前提で妄想してるんですが、過去編なかったら全然駄目ですね(笑)。

■ニルバーシュ バージョンアップの伏線
ま、まさか!?って感じで聞いてしまっていたのですが、やるんですか、パワーアップイベント。
うおー、これは燃える展開ですね。

そして第1クール最終話となった第13話「ザ・ビギニング」でミーシャが言った

トラパーは人の心に直接語りかけ、その感情を左右すると言われている
でも、もしそうだとしたらその逆は本当にありえないと私たちは言い切れるのかしら・・・?
本当に・・・。


の部分は絶対にフューチャーされると、ずっと感想で書いてきただけに、この展開は奮えるほどに嬉しい展開。

またその修理・バージョンアップがゲッコーステート内では無理としたら、やっぱり僕は個人的には「ガレージ・サーストン」つまりアクセル・サーストンにその修理・バージョンアップを依頼して欲しいなぁ。
そこで始まりの町、ベル・フォレストに戻ってくるという展開であっても構成としては美しいと思うし、やっぱりもう一回レントンのじいちゃんにはご登場頂いて、過去編をやってくれないだろうか(ってしつこい)。
月光号の修理も確実に必要なんで、この辺は楽しみですね。

■エウレカ
やっぱり気になるのは最後のカット。
エウレカの話が聞きたいというレントンに対して一瞬暗い顔をするエウレカ。
やっぱりこれは第9話「ペーパームーン・シャイン」で見せた独白と同じく、エウレカは自分の過去に対して罪の意識を持っているように感じるので、それをレントンが知ってなお、自分と一緒にいてくれるか?この辺不安になっているんじゃないかと思うんですよね。
・・・やっぱり過去編突入だ(笑)。

・・・と、大体エウレカセブンの構成としては各クールの第1話・第2話にそのクールの方向性を示唆する伏線を込めてきているんじゃないかと思うんですが(第1クール、第2クールとも自分の感想の中で参照した回数が非常に多かったのはそういうことだと解釈してるんですが)、そういう意味でチャールズとレイという重要キャラが散っていった第27話、第28話ですが、やっぱりかなりの意味が込められていたんじゃないかと思います。

基本的にはボーイ・ミーツ・ガールで、それを視聴者サイドとしてはこれを外すことなく見ていけば大丈夫だと思っているんですが、その二人の成長の中ではきっと過去と向き合うことが必要になってくると思うんですよね。
#第2クールの第1話でそう予想したんですが、第2クールでは自分の内面と向き合って、互いの存在を再確認するところまでがクライマックスでしたね。

レントンにはアドロック、エウレカには自分の過去、こういう乗り越えなければならないポイントが山積みされているんで、その辺も注目ポイントかなと。

第3クールは起承転結の「転」にあたる作品の中でも最も重要な部分。
かなり予想を超える展開をしてくれるんじゃないかと期待しております。

あと、今回もそうなんですが、脚本だけじゃなく、音楽なんかに対する演出もこのエウレカセブンってほんとに上手くて、予告の後に出た11/2発売の「オリジナルサウンドトラック」、早速予約しましたよ(笑)。


交響詩篇エウレカセブン
DVD第5巻
2005/11/25発売
第15話~第18話を収録