蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

ひぐらしに泣き、ひぐらしに泣く、そして感動へ

2005-10-15 23:30:35 | 小説 感想
季節の移ろいを感じますね、なんて文章を書いたばかりですが、僕の中ではまだひぐらしがないていた、秋の深まりを感じつつ、静かに泣いています。
そう、泣いているのは僕なんです(涙)。

「ひぐらしのく頃に 解 -罪滅し編-」、綿流し祭の後の節目まで読み、その後色々と個人的な事情もあって惨劇に挑める心情ではなかったこともあり、今の今まで再開する勇気を持てませんでしたが、ようやく時間を取ることができました。

そして一気に読了。

泣けた。
今回は随所で泣けた。
つか、素直に感動しました。

そうか・・・、そうだったのか。
ここまでの惨劇の繰り返しは、こういうところにあったのか・・・。

例えば僕の好きな作家さんでいくと冲方丁さんなんかは「マルドゥック・スクランブル」の表現でバイオレンスなシーンを描くのはその先にある倫理観やモラル、何が大切なのかを浮かび上がらせるため、みたいな感じで描いているところがあると思っているんですが、この作品ではそのテーマを浮上させるために物凄く手の込んだ仕掛けがなされていて、そこを僕たちは通ることで、否、苦労してでも通らなければここに辿りつけなくて、そして辿りついた先に待っていたのは作者からのテーマと感動だった、みたいな。
・・・しっかりとやられました(涙)。

僕はこのひぐらしシリーズの第2作にあたる「綿流し編」を読了した直後の感想で、

ようやくこの作品の楽しみ方というか、読み方が何となくだけど分かってきましたよ。
「お疲れ様会」が無かったらマジで凹むんですが、それはやはりこの読み方のひとつのスタイルになっていて、ファウストVol.5で竜騎士07さんが「雛見沢を舞台にした舞台劇をやりたかった」という旨のコメントをされていたので、なるほどぉと妙に納得。

しかもその舞台の主人公は舞台毎に変わっていく、同じ雛見沢を舞台にしながら、いくつものIFのストーリーが流れていく。
そしてその繰り返される惨劇の中から、道がぼんやりと見えてきて、ようやく、少しずつ前に進んでいる、そんな感じかな。


と言う風に書いたのですが、直感を信じて良かったなと思いました。
繰り返される惨劇と、繰り返されるからこそ見えてくるもの。
今回は特にそのことを実感し、だからこそ、そこまで積み上げられたものに感動してしまいました。

よもや今回ここまで何箇所も泣いてしまうとは思いませんでした。
素晴らしい物語をありがとうと言いたいです。

そして何よりひぐらしの情景をより一層切なくしてくれているのが美しい音楽です。
僕はこのdaiさんのアルバムを2日に1回くらいは必ず聞いていると思うほど聞いているので、特に感慨深かったです。
きっとまた聞くときは雛見沢の風景を思い出しながら、またこの切ない物語を思い出しながら、聞き入ることでしょう。

■Thanks / you


「ひぐらしのく頃に」を読まれる方は、是非こちらのアルバムもお勧めなのであります。


「ひぐらしのく頃に」は一番最初のシナリオである「鬼隠し編」をフリーでダウンロードして楽しむことが出来ます。
ご興味をお持ちの方は是非一緒に読んでみませんか?
「07th Expansion」さんのHPはこちらから。



今回の「罪滅し編」を読み終えたことで、また「鬼隠し編」を読み返したくなりました。
なるほど、確かに思えば難易度が一番高いと竜騎士07さんが仰っている理由が今なら分かります。
そしてきっとまた読み返すと、あの最初に読んだ時とは全く違う思いで読めるんじゃないかと、そう思います。

<追記>
裏スタッフルームで爆笑してしまいました。