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交響詩篇 エウレカセブン 第24話「パラダイス・ロスト」感想

2005-10-06 01:01:44 | エウレカセブン
。・゜・(ノД`)・゜・。

泣けた・・・。

二回観て、二回とも泣いてしまった・・・。

どうしてこうまで丁寧に涙を誘ってくれるかな、この作品は・・・。
ラスト5分の演出は本当に切なく、そして素晴らしかったです。

■そして少年は再び自分の足で歩き始めた
狭い世界しか知らなかった少年が、自分の世界観しか知らなかった少年が、家を出て違う大人と触れ合うことで、家を出てまた新たな壁にぶち当たって自分を省みることで、ようやく見え始めた新しい世界。

また少年は歩き始めました。
今まで知ることの無かった父親という存在感、母親という存在感からたくさんのものを貰って。

そして伝えたい思いが募ります。
世界を少し知ったことで、見えなかったものが少し見えてきたことを。
今までいかに自分が見えていなかったということを。
それをただ伝えたい。

一歩一歩自立の道を歩んでます、主人公。
頑張れレントン少年。
もう、完全に応援モードです。
ああ、もうほんとラスト5分は泣けたよ・・・。・゜・(ノД`)・゜・。

■それにしても最高だったビームス夫妻、そして切なかった・・・

だからお前も約束して欲しい
自らに偽らず決めた事なら
オレ達は受け入れる
必ず貫け


貫くわよ・・・
だってあの子は
あたし達の息子だもの



。・゜・(ノД`)・゜・。


ここは確かにビームス夫妻が登場したときから予想できた別離ですよ。
そしてきっとこの別離の後に来るであろう再会と、その再会の場が戦場であろうということも。

しかしですよ。
何ですか、この感動的な別れのシーンは・・・。

彼らは最後までレントン少年を自分たちの息子として捉えていて、その息子が旅立つんだと、それも自分で決めた旅立ちなんだと、その別離のシーンに息子の自立を促す言葉を残す、そしてその息子の決意を切なくも信じる、ああ、もうほんとめっちゃ良いシーンでした。

しかも、チャールズはレントン少年に対して、彼が抱える疑問点、苦悩点もしくは(知ってはいないけれども)トラウマに対してもその覚悟を促す言葉を残しているんですよね。

自由とは
獲得しなくてはならないものであって
無償で与えられるものではない

自由である事とは
その責を負い
覚悟する事だ


これが聞きたかった、これを求めていた、そんな感じの台詞。
ゲッコーステートが自由であると思われている反面で、その自由に対して彼らなりの責を負っていることに、レントン少年はあの時は気がつけなかった。
しかし今はそれに気付くことができた。
#またここで秀逸なのはレントン少年が覚悟を決めようとしたときに操縦桿をチャールズが握るところですよね。
#そこまででいい、と言わんばかりに。

皮肉にも自由の意味に気付いたレントン少年が、その責を覚悟する戦いが来るのは何となくこのビームス夫妻との対決になってしまいそうで辛いのだけれども、しかしここまでがきちんと積み重なった展開をしてくれているだけに、その対決をやって欲しい、そしてそのときに出すと思われるレントン少年の覚悟を見せて欲しい、たとえそれがどんな結末になろうと、しっかりと見届けたい、そんな気持ちです。

終盤でレイが泣くあたりから、レントン少年のマグカップを持ってあの台詞を言うあたり、こっちも貰い泣きでしたよ。
ほんと上手いなぁ、見せ方が。

■会いたいよ
主人公とヒロインの距離を置く、そしてお互いのことを考え始めて、そこで初めてお互いの大切さに気が付く、これって王道のストーリー展開なんですが、どうしてこうも王道の展開が似合うんでしょうね、この作品は。

双方向の浮上曲線、ここに極まれり、というか上昇気流が吹きまくりです。
双方の心情がしっかりと、タメにタメられていて、視聴者としてももう堪らんという感じですよ。

純粋に会いたいと思う二人の気持ち、ほんとイイなぁ。

■そしてホランドにも浮上ポイントが
ようやく来ました、ホランドにも浮上の兆しが。
ホランドに対してここまで「逃げ」を描いてきたのは、自分の弱さを「認める」ことの大事さを描くためだったんじゃないかと思うんですが、こうなった場合のリーダーは強いってのが相場なんで、ホランド期待してますよ。

またこれを支えるタルホさんが良くってね。
信じて支えてあげることも大切よね。

ゲッコーステートのメンバーもレントン少年不在の影響を自覚し始めた感じなんで、ようやくレントン少年合流の機運が高まってきましたね。
さあ、物語も真ん中折り返し地点、ますます面白くなってきました。

■久々に妄想など
今回はタルホさんが「ゲッコーステート解散」なんてことを言ってましたが、ここで僕の妄想脳はひょっとしてほんとにゲッコーステート解散はあるんじゃないかと思ったり。
そしてやるとするなら第2クールの終わりか、物語の「転」にあたる第3クールじゃないかなと。

今回気になったのはドギーの「ゲッコー号はリーダーの船」という台詞で、ゲッコーステートにももう一歩何か成長イベントを入れたりしたら面白そう。
つまり、自分たちの意思で再度ゲッコーステートを立ち上げるというプロセスがあるといいな、なんて。
デューイ登場とかで、ゲッコーステートが一度解散の憂き目を見るとか、そういう展開どうでしょうか?
#あくまで妄想なんで信じないでくださいね~。


やっぱり今回は親が子供を自立を促す形で送り出す、そういうイメージを30分の中できっちりやってくれたことと、主人公が自分の足で歩き始めたこと。
家出した弟を兄貴が連れて帰るかのように立ち上がったこと。
そしてレントン少年とエウレカが本当に、互いに引き寄せ合っていること。

こういうのがきっちりと入った、本当に丁寧な回だったと思います。
ほんとにしみじみ良い作品です、エウレカセブン。


交響詩篇エウレカセブン
DVD第4巻
2005/9/23発売
第11話~第14話を収録