蒼穹のぺうげおっと

-PEUGEOT in the AZURE- マンガ・小説・アニメの感想を書き流すファフナーとエウレカ好きのサイトです

赤マルジャンプ 「武装錬金・ファイナル」 感想

2005-08-17 00:07:12 | ジャンプ感想
完結編をずっと待っていた「武装連金・ファイナル」、読みましたよ。
めっちゃ面白かった!!

こう言っては何ですが、連載中は世界観のつくりが微妙だったり、妙に主人公が悟りに入ってしまったりと、個人的にはどうかなと思うところもあったのですが、それでも連載終盤の盛り上がりはかなり良くて、やっぱりラストが気になって仕方有りませんでした。

それがようやく赤マルジャンプで登場。
正直、かなり良かったなぁ。
週間で連載していたどの展開よりも、今回の65ページは展開が丁寧でかつ勢いがあって、何より気持ちがこもってるなぁなんて、終盤は涙腺に来るくらいがっつり読みましたよ。
そしたらラストにまたビックリ、みたいな(笑)。

#以下、ネタばれありますので、未読の方はご注意を。

■日常パートから戦場へ
今回の武装連金で一番感じたのは展開が凄く丁寧に描かれたことかなと思います。
カズキと斗貴子さん、そしてまひろを交えて最後の日常を振り返り、(長い)別れを告げて決戦に赴くというのは、ガンダムシリーズのラストバトル直前の恋人同士の語りに近い盛り上がりをみせてくれます。
なんと言っても、ここで見せる照れ照れの斗貴子さんがまた良くて(笑)。

まひろもきっちり入ってたり、遅れて全員集合したりと、この辺の演出がまた良くて、二度読みするとカズキがヴィクターに突撃した後のシーンを盛り上げてくれますね。
泣きながら見送るまひろがまた良くて(泣)。

後はカズキと斗貴子さんを見送るブラボーと千尋さんの姿は、思いを託す世代交代の無言の会話のようにも思えてこれもまたぐっときました。

■そして戦場へ
バスターバロンの設定なんかは連載時、相当いけてないよ、とか思っていたのですが、今回素直に訂正。
ここまでやってくれるならもう有りだろ、有り!!くらいの勢いです。

状況としてはカズキ対ヴィクターの前座になっちゃうんですが、それでもかなり盛り上げてくれて個人的に結構満足。
日常パートと同じく、この展開があるから次のカズキ対ヴィクターが盛り上がるんですよね。

■2択だけじゃない
ここが一番この作品の好きなところかも。
与えられた2択の中で、現実的に考えながらも、それ以外の道を絶えず探し続けている、決して2択の範囲だけで解決しようとしない諦めない姿勢に好感。
これは実際仕事してても思うところなんで、トラブル時のシューティング方法は絶えずギリギリまで考え続ける点でむしろ共感。
しかも蝶野との対決を前提に、蝶野を信頼している、そんな設定がやっぱり良かったっす。

そして、恋敵としてではなく戦友として待つ、と言った剛太、実は何気にここが良いです。
最初は敵として、でも一緒に戦ううちに「どっちが化け物だよ」というように考え、そして最後に友として見送る、このプロセスも何気に好きでした。

もちろん斗貴子さんがカズキの決意を受け入れてそこから「永遠には決してしない」という考えに至るあたり泣かせます。

■そして決戦へ
蝶野、剛太が援護しつつ、斗貴子さんとカズキが「一心同体」と言うまでのプロセスに燃えた。
しかも「貫け、俺の武装錬金」じゃなくて「俺たちの武装錬金」になっているところがまた熱い。

そして

キミが死ぬときは私が死ぬときだ!!

という斗貴子さんに

ごめん斗貴子さん
その約束守れない
本当に
ゴメン


と言って手を離すシーンは、各キャラが絶叫するのに共感しちゃうほど熱いシーンでした(涙)。

そこから4ページ、光になるカズキに対して、みんながカズキの名前を呼ぶシーンはかなりきました(泣)。

日常パートも、別れのパートも、戦団がやられるシーンも、全てがこのシーンに収斂されるんじゃないか、そんな感じでした。
いや、ほんと良いです、ここ。

■そして月へ
・・・うお、続くんだこれ!!
ある意味ここが一番衝撃的だったわ(笑)。

■ヴィクター
結構ヴィクターの心理面もきちんと描かれていて、連載時より納得感が増しました。
和月先生はガンダムSEED DESTINYを絶対見ているんじゃないかと思うんですが(笑)、「力は力に過ぎない、力の使い方の問題だ」という言葉(ガンダムのテーマ)に対して、さらに突っ込んで、そんな力など制御できない、なら全て葬るという選択をするヴィクターを描いたのは面白いなと。

ただ結局、そうやって滅ぼしても人はまた繰り返す、核をニュートロンジャマーで抑制しても、サイクロプスやジェネシスなどのより大量破壊兵器を作り出す、やはり結局は人の心の問題なんじゃないのか?と、カズキを通して帰結させてくれると僕個人としては非常に満足なんですが、この続きは冬まで楽しみに待ちたいと思います。
つか、途中から武装錬金の話じゃないじゃん、これ(あれ?)。

■残るポイント
ヴィクターの娘、ヴィクトリア。
彼女だけが救いの方向性とは別のベクトルにあるので、やはり何らかの帰結が用意されているんじゃないか、そこにヴィクター戦の帰結も収斂してくるようなら、かなり美しいエンディングになるんじゃないかと思ったりします。

というわけで、これまでで一番熱い武装錬金を読ませて頂きました。
続きは冬のお楽しみということで。

■おまけ
今回袋とじになっていた、ブリーチ、いちご、ネウロ、ムヒョとロージーの番外編が結構面白くて、特にムヒョとロージーとネウロの両コラボに爆笑。
つか、魔法律使うネウロって(笑)。

結構赤マルジャンプ、面白かったです。