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交響詩篇エウレカセブン 第10話「ハイアー・ザン・ザ・サン」 感想

2005-06-19 13:57:11 | エウレカセブン
無重力 万歳!!

シリアスパートと脱力パートのバランスが絶妙な感じですが、「無重力 万歳!!」と叫びたいレントンの気持ちはよーく分かります(笑)。

第1話から第3話までをレントンの旅立ちに、第4話から第7話まででゲッコーステートでの位置関係を描写して、第8話からの新展開はゲッコーステートのメンバーが「過去」と向き合うことを要求されるんじゃないか、と書いたのですが、前回はエウレカ、そして今回はホランドとタルホ姉さんに焦点が当てられてましたね。

ホランドとタルホ姉さんの関係性は微妙に煮え切らない感じもあり、恐らくそれはレントンのお姉ちゃんであるダイアン絡みだと思うのですが、この二人が新しい関係を築いていくとすれば、やはりきちんんと過去と向き合わないといけない、そういう展開になるんじゃないかと思っているんですが、どうでしょう。

後はアネモネ。
これは正直驚愕。
「アネモネ」と「血」、実はこれってちょっとだけなんだけど「金枝篇」にそのまんま登場してるんですよね。
そこまで持ってくるか!って感じで、あービックリした。

■ホランドとタルホ姉さんが向き合わないといけない過去
今回のシリアスパート(とサービスパート(笑))のメインはホランドとタルホ姉さんの過去だったんですが、これが具体的に明かされるのはもう少し後だとしても、二人とも避けては通れない過去があるということは分かりましたね。

ホランドが「忘れさせてくれよ」と言っているのは虐殺の過去だけじゃなくて、タルホ姉さんにも関係する誰かも含んでいる気がするのですが、個人的には第5話で酔っ払ったときにタルホ姉さんが気にしていたのがダイアンだと思っているので、ここはホランドとダイアンの関係性にあると踏んでいます。

だからホランドとタルホ姉さんの関係性も微妙だし、もしこの二人が新しい関係を築くならば、その過去から逃げるのではなくて、向き合う必要があるってことなんでしょうね。
ただ、まだこの時点ではホランドは決心が固まってないみたいで、

逃げてぇよ
星の裏側だろうとどこだろうと
忘れてぇよ
あの日もあの場所も何もかも全部

けどよ 見事に追いかけてくんだよ
ほんとに 逃げてぇよ


私からも?

うぜぇよ

と自分の気持ちをまだ持て余している感じ。
その辺はホランドよりもタルホ姉さんの方が良く分かってるみたいで、

頼むよ
忘れさせてくれよ


忘れられるわけないじゃない
忘れて良い訳も

忘れるつもりもない
だからあの子を迎え入れたんでしょ


たく、痛いとこついてくんなよ

あんたのツボは分かりやすすぎんのよ

というやり取りからも、タルホ姉さんの気持ちは固まったみたいだし、(ホランドにとっても)そのきっかけがダイアンの弟であるレントンにある、というのが面白いところ。
第7話でエウレカが

レントンってすごいね
レントンが来てからみんな変わったよ


と言っていた部分にもかかっていて、レントンをキーにして変化して、おそらくその変化(過去と向き合うことを含めて)の過程と並行して、ホランドたちの「使命」とはみたいなところ、そしてデューイ中佐との(本当の)対決に辿り着くんじゃないかと予想。
#アネモネはあの首輪から考えてエウレカと同じ感じ。
#ゆえにデューイ中佐の言葉から考えて近々衝突はありですな。
#でもまだ過去と向き合えていなかったり、レントンの成長もまだまだなんでここは負け戦になりそうかも。

レントンがまだ見ぬ未来と対峙していくのに対して、大人たちは自分達の過去と対峙しなければならない、という構図は非常に面白いと思うし、作品につながりと深みを与えてる気がしますね。

■レントンはいいね とてもいいね!

ゴメン、俺
・・・もう辛抱堪らないよ


お約束なレントン、ああ、最高。
いつ観ても君は最高です。
おいしすぎ(笑)。

さて、そんなレントンですが、今回もちょびっとずつ成長していましたね。
冒頭で、

俺は本当のことなんて何も知らない
エウレカのことも
ホランドのことも

考えてみれば
俺はこの世界のことを何も知らない
ティプトリーおばさんが言っていたように

何も知らなくたって生きてはいける
でも・・・
本当のことか・・・


と言ってるんですが、これが終盤で、

分からないことだらけだけど
でも今ここにいること
今こうして世界をみていること
それが真実なのは
確かな気がしたんだ


という思いに至っていて、第9話でのティプトリーおばさんの

あなたはただ誰かが記したことを読んで知っただけ

に対応してるんですね。
きちんと世界を見ることで理解していく、みたいな。

そしてまた大きなテーマ持って来ましたね。

だけど同時に思ったんだ
俺は何のためにここにいるんだろう?
何のためにこの星で生まれたんだろう?
そして俺は何のために生きているんだろうって


誰しも一度は考えちゃうような答えの出ない問いかけ。
まあ、そういう少年期の問い掛けがノスタルジーをくすぐる部分でもあるんですけどね。

「金枝篇(2)」の考察から考えても、また作中の成り行きから考えても、色んな役割を背負わされそうなレントンですが、そういう人から被せられた役割なんかは投げ捨てて、自分なりの答えを出してくれる、そういう苦悩の先にあるレントン少年の成長物語が見たいですね。楽しみです。

■アネモネと血について
今回初登場となったOPにワンカット入っていた少女。
名前はアネモネ。
そしてドミニクにナイスパンチを食らわせ、鼻血を出しながらの登場となったちょっとイタめ?な少女。
エウレカと対を成しそうな雰囲気がOPの時からしています。

さて、その「アネモネ」なんですけど、「金枝篇(3)」ではこんな風に記述されています。

その季節になると、雨のために山から洗い流された赤土が河水を染め、また遥か沖合いまで海を血紅色に染めるのであるが、この紅の色はレバノン山の上で野猪のために毎年傷付いては死ぬアドーニスの血であると信じられていた。

さらに、深紅色のアネモネはアドーニスの血から生えたとも、それによって染められたともいわれた。

シリアではアネモネは復活祭の頃に咲くので、アドーニスの祭あるいは少なくともその祭の一つは春のころ行われたことをこれは示すのだろう。

多分この花の名は、アドーニスの形容辞となっていた「ナーマン(いとしき人)」から出たものと思われる。
アラブ人は今でもアネモネのことを「ナーマンの傷」と呼ぶのである。


アネモネと血にはそういう関連があるみたいなので、今回はそういう印象を出したくて登場させた感じですね。
気になるのは「復活祭」や「いとしき人」という箇所かなぁ。
金枝篇ではこれ以上のアネモネに関する記述は今のところ無いんで、ネーミングのために持ってきた気がしないでもないですが、僕が気になるキーワードは前述の2つかな。
さて、アネモネちゃん、どうなりますやら。

■その他色々と
■コンビニ併設の月光号
すげー、みんなルール守ってるよ(笑)。
正しい姿です。

■正座エウレカ
かわいい・・・。
惚れそうだ(笑)。

■エウレカ
エウレカが笑うようになりましたね。
惚れそうだ(笑)。

■次回予告
・・・はほぼ無かったけれど(笑)、作中気になるいつものレントン回想が入ってましたね。
もうこれがかなり予告めいてますよね。

もしこのとき
このエウレカの瞳が語っていたことを
僕が理解していたら
もしかしたら僕らはあんな結末を迎えずに済んだかもしれないんだ


グレートウォールって何なんだ?と思いつつも、あの雲を見ながら

すごいや、ラピュタは本当にあったんだ!!
とか、
行こう!父さんは帰ってきたよ!!

とかいう台詞が思い浮かんだことは内緒です(笑)。


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