5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

「滬杭」「京釜」「九州」の乗り比べ周遊

2010-10-28 22:41:51 |  旅行・地域
万博で盛り上がる上海と、隣の浙江省の杭州を結ぶ高速鉄道」(ここうと読む)が10月26日に開通し、中国製の高速車両CRH380Aが、上海虹橋駅から延長202キロの初旅に出発したとニュースは伝える。運行時の最高時速は350Kmだという。

2012年には、1300キロ以上ある上海・北京間の鉄道も開業予定で、金余り中国では高速鉄道建設がそれこそ超高速で進んでいる。上海と杭州の間、平らな長江デルタをほぼまっすぐに結んで鉄道を建設することなど共産党政府の指導と命令があれば問題などなにもない。

「日本の新幹線ソックリ」と27日の産経ニュースは伝えているが、中国側からすれば「良い技術やデザインなら真似て何が悪い」ということになるのだろう。

上海の虹橋を出発ターミナルにしたのも、虹橋空港-リニア-浦東空港と連携プレイを最初から考えているのだから、すでに羽田と新幹線を直結したようなもの。大局的な判断の出来ない日本などより目的はよほど明確だとも云える。

今日28日は、隣国の韓国でも新幹線がスピードを上げ始める。

韓国新幹線KTX・京釜高速線の大邱-釜山間130キロの完成である。今までは既存線を使って運行してきたものが専用線に移れば、ソウルと釜山の417キロを2時間18分で結ぶことになるのだそうだ。こちらの最高時速は300Km。「滬杭高速」とは違い山間部をぬけるカーブ路線で、この速度がでれば立派なものだろう。これで、ソウルと釜山は半日生活圏になるのだ。

韓国新幹線は、強権による短期決戦イケイケの中国新幹線と違い、工事期間は20年以上。途中、ソウルの聖水大橋や三豊デパートが崩落する大事故があったり、外国為替危機に揺れたり、金大中政権時には白紙化論議に苛められたりと、紆余曲折だったのだとは、「月刊朝鮮」誌の解説だ。

「良い技術やデザインなら真似て何が悪い」という主義は、韓国も同様。そのせいもあってか、KTX一次開業以来6年にして、ドイツ、フランス、日本などの独自開発技術を有する高速鉄道先進国と肩を並べる鉄道輸出国に成長したと胸を張る。

ソウルに接続する「光明」が新幹線・北のターミナルであるが、これは上海の「紅橋」の位置づけ、そのまま延伸すれば、インチョン空港につなぐことができる戦略立地である。

こうして、はからずも東アジアの3国それぞれが、自分たちの「高速鉄道の独自性」を自慢し、その建設と運行技術を世界のマーケットで競合する図がみられるのは面白い。

一歩先を行きたい日本であれば、東海道新幹線の羽田・成田とのリンク、JR東海の進める「リニア新幹線」を政府のサポートでスピードアップさせることが必要になるだろう。

こうしたタイミングで、鉄道ファンに向けた「新幹線乗り比べ周遊チケット」を3国共同で発売することなどはどうだろう。

すでに「日韓共同きっぷ」は定着し、エアラインは「日中韓周遊運賃」の販売をスタートしているのだから、九州新幹線の全線開業をタイミングにした、「日中韓共同きっぷ」は、むしろ中国人や韓国人の「鉄道好き」に喜ばれるかもしれない。「滬杭」「京釜」「九州」の高速乗り比べで、それぞれの鉄道自慢が盛り上がれば、オモシロイ文化交流ではないか。






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