5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

春の遍路

2015-04-11 21:41:46 |  旅行・地域
名鉄駅のパンフスタンドに「歩いて参拝知多四国」というチラシを見つけた。この地方の年寄りなら誰でも、知多四国とは「四国八十八箇所霊場」のヴァリエーション、知多の寺々に置き換えた半島の霊場めぐりで、昔は「新四国」と呼ばれたこと位は知っているはずだ。弘法さんの信仰が篤い地方ならではの「春の遊山」である。

近頃の鉄道会社は「○○ウオーキング」と称した利用促進企画が一種の流行になっているようだが、この「知多四国」もその応用型のようだ。企画では今年の1月から半年間、17回に分けて知多半島全域を巡る。もちろん出発と帰着は最寄の名鉄駅ということになる。

今月は次の土曜日(4月18日)で内海周辺の八ケ寺、11キロの行程だとある。退職後で暇の出来た元気な連中を中心に、年寄りバックパッカーが列をなすことだろう。

「遍路」は春の季語である。「季語集」の坪内稔典先生はこう書いている。

明治の頃、嫁入り前の女性は世間を知るために仲間と連れ立って四国遍路に出た、という話が民俗学者の宮本常一の聞き書き「女の世間」に書かれている。その聞き書きには、遍路の途中でもらい物をして、家に帰り着いたら所持金が倍に増えていたとか、四国の貧しい家の子供を貰い受けて帰ったというハナシも書かれてあるらしいが、とても興味深い。

宮本常一が亡くなったのは1981年だからまだ最近のこと。聞き書きとはいつ頃のことなのだろうか。

今日の四国地方は最高気温が17度~21度で良く晴れた。「信仰の道であり、人生修行の道でもあった四国遍路。そんな遍路道は、今、春風の真っ只中に続いている。」と坪内先生は格好よくまとめている。


「遍路の荷中身は知らず落花載る」津田清子


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