5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

観光案内所にて

2007-12-10 22:34:15 | 社会

金山の駅コンコースにある名古屋観光コンベンションビューローの観光案内所。コンサートや絵画展のパンフを集めるには便利なところなのでときどき立ち寄る。今日も帰りの電車までの間があったので、新しい催事はないかとラックを覗いていた。



若い男性がひとり、バッグを片手に入ってきてカウンターの女性に話しかける。「近くで泊まるところはありませんか」という、ターミナルならお決まりの質問事項だ。ここは金山だから、若い男性はたぶんセントレアに飛行機で到着して電車で都心にやってきたのだろう。いつもならこちらの意識もパンフレットの方に戻っていくのだろうが、今回はここでひっかかった。カウンターの中年女性は、こちらの考えたような対応をしなかったのだ。



彼女は一旦壁裏に引っ込んでコピーを一枚持ってきた。彼女がいったのは、ここでは《紹介》はするが《斡旋》はしていないから、直接自分でホテルに連絡をしてくれ、ということ。若い男性もごく自然になっとくしてコピーを貰いそのままスタスタとドアの外へ消えてしまった。



携帯電話に馴れ、夜の都会の方向感覚をもった若い男性なら、始めての土地でも、べつにこれでいいのだろうし、案内所の女性にとっても、面倒な中継業務などは正直めんどうなだけなのだから、こちらもこれでいいのだろう。しかし、国際都市を標榜したい名古屋にあって、「ホスピタリティがキーワード」だというコンベンションビューローの割には中途半端な面倒見だと思う。コンピュータや携帯電話が発達した現代であっても、海外の観光都市ならこうしたツーリストインフォーメーションの担当者はホテルへの連絡を面倒がる姿勢はみせることはないのではなかろうか。



「公共機関なのだから紹介はするが斡旋はしない」という官僚的タテマエだけでいけるとしたら、その場は黙ってコピーをもらうだけの旅行者も腹のなかでは「イマイチ・サービス」をワラッているかもしれない。言葉のハンデをもった外国人や土地勘のない観光客ならなおのことだ。



以前ならともかく、隣にある旅行会社の権益を邪魔するなどということもなかろう。旅行業者はOUT客に商売の旨みを見るわけだから。送客することでホテルや旅館から手数料を取ったからといって、ホテルや旅館が文句を言うとも思えない。



インフォーメーションデスクの仕事は何もパンフをわたして終わりというわけではないだろう。万博が終わって早丸二年。そろそろ元の地金が出始めたのかもしれないぞ。




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