5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

国立大学に観光学部

2007-12-11 21:19:56 |  旅行・地域

氷雨が降って窓ガラスに水滴がついている。空気の乾燥が少しは和らぐかもしれず、風邪引きの呼吸の苦しさが多少は緩和されるのか。



日経MJの12月9日号に、「和歌山大、琉球大に観光学部」という見出しが出ている。2008年4月より学部新設の許可を文部科学省が出したようだ。「初の国立大学の学部設置は、観光産業や地域活性化への人材供給源として感心を集めそう」と書かれているがどうだろうか。



和歌山大の受け入れは110名枠で、教員枠は25。琉球大では夜間も含めて140名枠だそうだ。琉球大では学部運営のアドバイスを外部に求めたり、海外留学生を受け入れたり、ハワイ大との提携で単位互換を実施するとあるが、今では何処でもやっていて、云うほどに目新しい行き方でもなさそうだ。



和歌山大は和歌山市の市街地活性化基本計画があっての学部設置のようで、まちなかキャンパス事業を打ち出してはいるが、これも私大ではすでに行われているサテライトキャンパスを追従するような感じに見える。市も大学も新施設を設ける余裕がないと記事が伝えているが、そうならば、既存のキャンパス内展開のメリットを考え直した方が妥当ではないか。



なにより、プログラムやカリキュラムに特徴が見えなければいけないわけだろうが、そちらの準備はどうなのだろう。観光学といっても明確なコアがあるわけではなかろう。経済経営学部系のコースビルディングを続けるなら以前と同じになってしまう。自然や文化や味覚やスポーツや、人間活動のあらゆるフェーズが対象にできる「観光」であれば、学部を股いたコース選択も可能にする自由さがなくては優秀な人材開発はできそうにない。増員される教員枠だが、はたして、ツーリズム先進国からの講師・研究者の受け入れなどは積極的に考えることはするのだろうか。新学期が始まればいずれはっきりしてこよう。



沖縄や和歌山に続けと国公立大の観光学部設置が一種のファッションになるのだろうか。産業振興の担い手として国内観光誘致を国策にする政府の思惑と観光学部の経営が、その通りにゆくのかどうか、注目である。 それにしても、こちらが大学生だった50年前に思ったことがやっと実現されつつある。結構なことだ。






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