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中川の車両基地で、名古屋地下鉄の車両が落書きされたという今朝のニュースを聞いて、これで名古屋もニューヨーク並になってきたのかと、少し可笑しかった。
こちらの記憶するニューヨークは70年代中ごろの不景気時代。
時々停電があって全線が運休する地下鉄。ギャングに襲われそうな暗い地下通路に小便の臭いがする寒々としたプラットフォーム、旧い車両のドア上には、当時すでに、英語とスペイン語の二重表記で危険警告文が掲示されて、悪名高いグラフィティ(ペイント落書き)が、グレーの薄汚れた車両を満艦飾に彩っていた。慣れっこの乗客は、それでも汚い落書きの少ない車両を選んで乗り込んでいた記憶がある。ヒップホップの流れをくむ地下鉄グラフィティは、70~80年代の都市文化のトレンドだったのだ。
景気回復と共に、その後は、反グラフィティ規制を強める市政府の力で押さえ込まれた形の落書きファッション。ニューヨークではほとんど見られなくなったようだが、現在も世界の他の都市へ流れるなどして、しぶとく生き延びているようだ。
サブウエイ・グラフィティでWeb検索をしてみると、結構な数のページや関連ニュースがヒットする。
”@145st”というページにはタガーと呼ばれるアーティスト(世間からすれば落書き犯人)の名前が287名も掲載されていて、それぞれ個性的なデザインを見ることができる。さらに、実際のアクション・ペインティングのシーンはYouTubeで、当然のように公開されてしまう時代になった。
すでに先月と今月、大阪と札幌の地下鉄車両基地で、同様のグラフィティが見つかっているから、今回、名古屋地下鉄の落書きは、こうしたWEB上の情報で、イメージを膨らませたコピーキャットの愉快犯に拠る事件であるのは間違いなかろう。グローバリゼーションの昨今だから、ひょっとして、外国人のタガーグループがはるばる遠征ということはないだろうか。
落書きPOPアートのうちはまだ許せても、一緒に麻薬や犯罪が運ばれてくるようなことだとすれば、名古屋のニューヨーク化を全面的に歓迎するわけにはいかない。
グラフェィティの連鎖的増加を70年代のデプレッションの予兆という風にも考えたくないし。
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