夏痩せ

今日はうす曇で風も出たせいか体感がすこし涼しい。といっても気象台の最高気温は３２．５Ｃだった。

このところの高温で体の調子が崩れてしまったようだ。体に力がはいらない。ＴＶでは「熱中症対策に水を飲め」と囃すが、代謝や排出の悪くなった年寄りにそう水ばかり与えても却って元気がなくなりそうだ。


「夏痩せも知らぬ女をにくみけり」（日野草城）


「季語集」の坪内稔典が紹介しているこの句は、今の自分の心理のようだ。自分も夏痩せ状態にあるようで、このところ一日毎に体重の変化がある。これは体の中の水分の加減によるものだと思う。

ところが、街中で行き交う女たちの太り気味なこと。夏痩せの女など何処にもいないようではないか。クーラーをかけながら高カロリー食品ばかりを食べていれば、高温多湿の日本の夏も夏痩せせずに乗り切れてしまうのが昔とは違っているのだろう。

夏に太っているなど不届きだと怒ってもしょうがない。１億過栄養な現代日本、夏痩せなどということばはどうやら、もうかなり前から死語になっているようだ。


「夏痩せて嫌ひなものは嫌ひなり」（三橋鷹女・1940）