5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

日没後一時間

2019-09-12 21:46:22 | 社会

きつい残暑が少し和らいで、空には立ち上がる夏の積雲に代わってたなびく秋のうろこ雲が広がっている。上空は風が強く吹いているようだ。明日は旧暦の盆、8月15日である。落陽も早くなって午後6時には日の入り。周りはどんどん薄暗くなっていく。

自宅までは生活道路を使って徒歩で帰るのだが、やはり帰宅を急ぐマイカーの動きに気を付けていないと危うく巻き込まれそうになる。運転席からこちらはどう見えているのか、それとも見えていないのか。前照灯を点けようかどうしようかと迷っている節もありそうだ。奴らは四つ辻では前後左右から突如現れてくるからほんの5mを渡るのにも緊張する。ウインカーも明滅させずに交差点に入って来る輩もけっこうおおい。

「日没直後の高齢者事故、夜間の6倍」という記事が中日夕刊社会面に載っている。

警察庁がまとめた過去5年間(2014~18)10月から12月に起きた道路横断中の高齢者死亡事故の状況分析で、日没後1時間の発生件数が突出して多く、夜間の6倍、昼間の14倍に上ったということが分ったという。

日没後一時間は徐々に見通しが悪くなる時間帯で、運転者の注意が甘くなり、歩行者に気付くのが遅れている可能性があるという警察庁担当の発言の通りだ。歩く側もこの時間には疑似鳥目状態になるのだから、運転する側も同じことだろう。

5年間の総計では、昼間(日出から日没一時間前)の横断高齢者の死亡事故は一時間あたり26件。日没前一時間は41件。夜間(日没一時間後から夜明)は61件だったが日没後一時間では361件に跳ね上がる。

その361件中、事故現場が横断歩道だったケースが72件(20%)あり、歩行者の信号無視が9件(13%)、残りの63件(87%)に歩行者側の法令違反は認められなかったとある。多くの年寄は、昔教わった通り真面目に交通信号を信頼して青に代わるのを待っているのだ。

横断歩道以外では、路上で後ろから刎ねられたケースなどがあり、5年間の高齢歩行者の死亡は5007人。4半期別では10月~12月が最多の1792人(36%)に上ったという。

乱暴なアオリ運転が社会問題化しているが、歩行中に刎ねられ命をなくす高齢者が年間1000人に上るというのも、同様な社会問題として捉えるべきだろう。

昔「ジコチュー」という流行語があったなとWEBを探ると、なんと、この言葉は現役で使われているらしい。「ジコチューで行こう」なんて歌もあるではないか。

社会全体が自己中化してきているのだとすれば、たんなる人間関係だけでなく、自動車を運転するというきわめて「社会的な活動」についても、このジコチュー的心理がおおきく働いていると考えていいのだろう。おまけに、運転席の横には「スマホ」が鎮座して運転者を誘惑し続けているのかもしれない。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿