5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

北の融氷が急加速

2012-11-30 22:19:38 | 環境
北極とグリーンランドの融氷がスピードアップしている。今日のNBCニュースではまたもや北極の氷のはなしである。

科学雑誌「サイエンス」によると、グリーンランドの氷は90年代の当初よりも5倍の速さで海に融けだし、ここ20年間で20%の海面上昇を起こす原因になっているという。研究は47名の気象エキスパートと26の組織が関係したもの。

衛星観察などのデータを総合してみると、こうした調査結果からは、北極とグリーンランドからは明らかに氷が消え始めており、92年来、全地球レベルの海面を11ミリ押し上げたことになるという。

北極東部では氷が増えているという観測もあるのだが、それを上回って北極西部では巨大な量の氷が消えていっているらしい。

グリーンランドの融氷量の増加もすざましく、90年代前半では年間550億トンだったものがいまでは年間2900億トンの消滅というまでになってきている。

カタールのドーハで国連の気候変動枠組条約締約国会議(COP18)が開かれるタイミングに会わせて発表したものだろうが、関係する各国には様々なインパクトを及ぼしそうなデータではないか。

27日には、日本政府の記者会見があったようだが、途上国支援目標を達成したと胸を張りたかったのに、海外メディアからは、京都プロトコルの延長に日本が参加しないことや、「温室効果ガスを20年に90年比25%削減する」という達成困難な国際公約をどうするつもりかという質問に意気消沈したと、新聞は書いている。

どうやら相変わらず先進国の足並みも、開発国の思惑もまるでバラバラといったことのようではないか。こうして人間どもがそれぞれの勝手な事情でノーテンキな我を張り続けているうちにも、北の海の氷は音をたてて海中に没し消えていっている。

やがて〈Point of No Return〉のタイミングが訪れるのだが、その時、いったい世界はどうするつもりなのだろうか。いや、すでにその一線は踏み越えてしまったのかもしれないぞ。






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