白鳥公園と同様に名鉄の広報誌に載っていた「起の大いちょう」を見に行く。
一宮から名鉄バスで20分の距離。以前は尾西市だったところが合併で一宮市になっている。起はその西の端。バスを降りて、下校する小学生の後を追いながら北にむかう。民家の屋根の上に黄色い色が見えているので、それを目印に。いちょうのある大明神社はすぐに判った。
裏側の坂(向こう側は木曽川堤)を入ったので見上げる大いちょうがもっと大きく見える。木の高さは約30メートルだそうで、樹齢ははっきりしていないらしい。早くも昭和38年に愛知県によって天然記念物の指定がされたと、木の下の石塔に書かれえている。PRが行き届いて見物客が多いのだろうと思ったが、境内には誰もおらず、銀杏葉の金色がハラハラと落ちてそこここに着地する。鳥の鳴き声と近くの機織のカタンカタンという音だけが聞こえる。昔は機織の盛んな土地だったのだが、この織機の音は久しぶりであった。のどかな午後を30分ほど一人で満喫。
社殿を奥に回ると野生種のかき「やまがき」のこれも古木があって、小さな柿の実が葉をおとした枝々に残っている。高くてもげないが、シブガキだろうか。幹太は4メートルくらいはありそうないちょうの根元を回り、隣の本誓寺の境内に入って山門からもう一度おおきな黄色いマッスを眺めたあと、濃尾大橋のたもとへ。
県道の大垣一宮線を一宮から対岸の羽島に結ぶこの橋は、1963年の竣工で777メートルと結構長い。大いちょうほどではないが、すでに45年の歴史だ。橋の上は少し寒いが川風に吹かれながらゆっくりと渡る。かつての美濃路。昔は渡船だったわけだ。体をパンさせて上流から下流への木曾の流れをワイドヴューで眺める。川底が浅いせいか流れる水が結構澄んで見える。岸辺にはすすきの群生が見事。
橋を渡り終えてたもとの小道を西へたどる。お百姓の庭にもいちょうの木が並んでいて、ギンナンをとるのだろうか、木のしたには青いビニールシートが拡げてあった。ギンナンの主な産地に愛知県もはいっているが、このあたりから、川下の祖父江にかけてが良質のギンナンで有名なのだそうだ。美濃路をさらに西に歩き、万歩をかせいで竹鼻線の駅から電車で帰宅した。
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