中国念願の新幹線が6月30日に走り出す。
京滬高速鉄道(北京上海高速鉄道)は、北京・上海間の1318kmを結ぶ高速鉄道新線。08年4月着工後丸3年で竣工するという建設も高速である。ドイツのマグレブやフランスのTGV、さらに日本の新幹線など、鉄道先進国の技術のいいとこ取りをしながら急速に「高速鉄道技術」を自家の薬籠に納めてしまった。京滬高速に使われるCRH380A型電車など85%が国産車両だというから凄いキャッチアップ力である。
そんな「中国新幹線技術」をアメリカに認めさせようとしてか、高速度鉄道技術の特許申請を検討しているというニュースも今日(6月24日)に発せられた。CSRという中国メーカーが行う申請でCRH380A型電車が対象だというから、オバマが旗を振る高速鉄道整備に中国として参加しやすくなるだろうとは関係者の自然な推測である。
新幹線技術では負けたくない日本としては、JR東日本や川崎重工の技術供与でCRH2型電車を建造した実績からして、中国新幹線の「日本由来」を云いつのりたいところだが、中国側は「これは別型車両を開発した自国独自の技術」だと釘を刺すのを忘れてはいない。
そんなタイミングを読んでか今日のBBCモバイルには「カリフォルニア鉄道のルーツには過去も現在も中国がある」という記事が載っている。
取材記者は今もシエラネバダ山脈の中に取り残されてある19世紀半ば頃のサミットトンネル掘削跡を訪れて、過酷な工事環境にもめげず月給28ドルで働き続けた総数2万人余りの中国人労働者に思いを致す。150年が過ぎた今、ふたたび中国人が鉄道建設にからもうとしているという事実に繋ごうというのだ。
オバマ大統領のアジェンダのひとつがクリーンエネルギー政策に関わった大都市圏を高速鉄道で結ぶ案だが、カリフォルニアではロスアンジェルスとサンフランシスコの間が候補区間である。世界中から集まる工事入札の中、近年の建設実績を誇る中国のコンソーシアムが最右翼だと噂されている。金余りの中国なら手元不如意のカリフォルニア州にとっては不足しがちな建設資金の心強い提供元になりうるからだ。
しかし、若し本当に高速鉄道が中国の手で実現されるということになれば、150年前とは真逆の状態になるわけだ。アメリカ資本が安い中国人の労働を買い、アメリカの最新技術を使いきった大陸横断鉄道建設に対して、中国の技術と資本に大きく依存しながら、アメリカ人が汗をながして働かざるを得ない21世紀の新幹線開発。世界は大きく変化していることを思い知らされる訳か。
そんな屈折したアメリカ人の意識を知ってか知らずか、中国人の経済侵攻は緻密で戦略的にみえる。「技術は世界一」という一言居士の日本とはおおいに違ってまことに現実的である。格好だけつけても「ご用命をお待ちしております」では、中国にもフランスにもドイツにも遅れをとるのは間違いのないこと。今こそ、オールジャパンのアピールをする必要がありはしまいか。
シュワちゃん主役のカリフォルニア新幹線アクションなんて映画プロモはどうだ。
京滬高速鉄道(北京上海高速鉄道)は、北京・上海間の1318kmを結ぶ高速鉄道新線。08年4月着工後丸3年で竣工するという建設も高速である。ドイツのマグレブやフランスのTGV、さらに日本の新幹線など、鉄道先進国の技術のいいとこ取りをしながら急速に「高速鉄道技術」を自家の薬籠に納めてしまった。京滬高速に使われるCRH380A型電車など85%が国産車両だというから凄いキャッチアップ力である。
そんな「中国新幹線技術」をアメリカに認めさせようとしてか、高速度鉄道技術の特許申請を検討しているというニュースも今日(6月24日)に発せられた。CSRという中国メーカーが行う申請でCRH380A型電車が対象だというから、オバマが旗を振る高速鉄道整備に中国として参加しやすくなるだろうとは関係者の自然な推測である。
新幹線技術では負けたくない日本としては、JR東日本や川崎重工の技術供与でCRH2型電車を建造した実績からして、中国新幹線の「日本由来」を云いつのりたいところだが、中国側は「これは別型車両を開発した自国独自の技術」だと釘を刺すのを忘れてはいない。
そんなタイミングを読んでか今日のBBCモバイルには「カリフォルニア鉄道のルーツには過去も現在も中国がある」という記事が載っている。
取材記者は今もシエラネバダ山脈の中に取り残されてある19世紀半ば頃のサミットトンネル掘削跡を訪れて、過酷な工事環境にもめげず月給28ドルで働き続けた総数2万人余りの中国人労働者に思いを致す。150年が過ぎた今、ふたたび中国人が鉄道建設にからもうとしているという事実に繋ごうというのだ。
オバマ大統領のアジェンダのひとつがクリーンエネルギー政策に関わった大都市圏を高速鉄道で結ぶ案だが、カリフォルニアではロスアンジェルスとサンフランシスコの間が候補区間である。世界中から集まる工事入札の中、近年の建設実績を誇る中国のコンソーシアムが最右翼だと噂されている。金余りの中国なら手元不如意のカリフォルニア州にとっては不足しがちな建設資金の心強い提供元になりうるからだ。
しかし、若し本当に高速鉄道が中国の手で実現されるということになれば、150年前とは真逆の状態になるわけだ。アメリカ資本が安い中国人の労働を買い、アメリカの最新技術を使いきった大陸横断鉄道建設に対して、中国の技術と資本に大きく依存しながら、アメリカ人が汗をながして働かざるを得ない21世紀の新幹線開発。世界は大きく変化していることを思い知らされる訳か。
そんな屈折したアメリカ人の意識を知ってか知らずか、中国人の経済侵攻は緻密で戦略的にみえる。「技術は世界一」という一言居士の日本とはおおいに違ってまことに現実的である。格好だけつけても「ご用命をお待ちしております」では、中国にもフランスにもドイツにも遅れをとるのは間違いのないこと。今こそ、オールジャパンのアピールをする必要がありはしまいか。
シュワちゃん主役のカリフォルニア新幹線アクションなんて映画プロモはどうだ。
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