5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

火事の季節

2016-12-24 21:52:54 | くらし
「暗黒や関東平野に火事ひとつ」

金子兜太のこの句が載っているのは坪内稔典先生の「季語集」。「火事」が冬の季語なのだというのはこれで判る。やはり冬場は暖房として火を使うから、他の季節に比べて火災が多いからだろう。

自分の場合も電気ポットのコードをそのままにして出かけ、気が付いて慌てて戻ったことが幾度もある。空焚き防止のついていない安物ポットだから湯が蒸発してしまえば火事のもとだ。

子供の頃には近所の火事に遇う事も多かったが最近は幸いにして類焼するような火事は身辺では起きていない。

坪内先生は身近な火事を二度経験しているのだそうだ。一度目は高校の教師で宿直しいた際に木造の古い校舎が焼けた。取り壊し予定だったから好都合だったのかもしれないとある。二度目は自宅前の工場火災。先生はオロオロだったが奥さんは開き直って火事見物をしていたそうだ。女は火事場では強いのだろう。

木曜日の22日には新潟の糸魚川で150棟が延焼する大火災が起こった。

折から強風に煽られて延焼した面積は糸魚川の駅から日本海岸までの広さ約4万平方メートル。一時は住民を避難させるなど大騒ぎだったが幸いに死者はなく負傷者8人の人的な被害で済んだという。火元は駅前にある中華料理店の厨房。建て込んだ店々に次々と火が入り類焼、風に飛ばされた火の粉が別の場所で発火して被害を拡大したものらしい。消防庁によれば過去20年間で最大規模の火災だったという。

最近の新築家屋で気になることは空調の効率や地震対策として窓を極力小さくしていることだ。これだと窓を使っては外へは出られない。もうひとつ名鉄の最寄り駅のホーム跨線橋にある窓枠は三分の一しか開かぬように固定してある。客の落下防止の安全施作なのだろうが、これも同様に外部に出ることができない。こんな家や駅が火災に遭ったら中の人々は逃げられずに煙に巻かれて蒸し焼きにされるのは間違いない。

「帯に短し襷に長し」というのか「あちら立てればこちらが立たず」というべきか。

我が町のハザードマップによれば大地震が襲った時の我が家周辺の想定被害は火災によるものと出ている。地震火災から年寄が安全に逃れる方法を日頃からよく考えておかねばなるまい。


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