5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

不動明王の刺青をした中学生

2010-09-08 22:21:19 | 社会
スエーデンの作家、スティーグ・ラーソンが書いたミステリー「ドラゴンタトゥーの女」が世界中でベストセラーになっているからということでもあるまいが、タトゥー(刺青)が若者のファッションとして人気を得ているらしい。

金山駅の階段を大股で登ってゆく若い男のショートパンツ姿。日焼けした両足には全面に刺青の色柄が拡がる。「こりゃスゴイ」と見ているこちらがドキドキし、若者の姿が階上に消えていっても、「本物だろうか、フェイクだろうか。本物だったらさぞ痛かっただろうになあ。」とへんな心配をした。

都心を歩けば、二の腕や足の甲にワンポイントのタトゥーを刺している若い女たちも一度ならず発見する。やはり「ドキッ」とするのは、見ているこちらだ。大人しい素人であったとしても、刺青にはどこかに「邪悪」なイメージがつきまとう。彼女たち、タトゥーを入れる側は、ピアスや整形と同じ身体ファッションの一つとして捉えているだけなのだろうか。

今日の読売のニュースに、「中3男子で入れ墨練習?無理やり《不動明王》」というリードが見える。神戸で起こった事件で、中学生(15歳)の背中一面に「不動明王」の入れ墨を彫ったとして、20歳の容疑者が逮捕されたというのだ。容疑は、兵庫県の青少年愛護条例違反(入れ墨行為の禁止)。

彫師の修行を始めたばかりの男が、自分のブログに「無料で入れ墨を彫る」と宣伝したのに釣られた生徒が「ファッションとして肩に竜の模様を」と相談。「半袖だと見えるから背中に」と勧められ、「怖かったが」結局彫らせてしまった。男子生徒は練習台にされたようだと新聞は書いている。

恐ろしい「不動明王」なんかを彫るから、即座に仏罰があたったのだぞ。

犯罪行為はべつにして、江戸時代でもないのに、20歳の仕事のひとつに彫師があったり、15歳の中学生が親にも相談せず「刺青」をして恥ないという事実に驚いてしまう。それだけ、若者の周辺にはタトゥーを入れた仲間たちが多いということなのだろう。「刺青のひとつもいれられない奴は仲間じゃないぞ」と言われかねない。

もはや、タブーなど何処にも無いのだろうか。今日は刺青のニュースがもう一つあって、やはり神戸だ。

麻薬所持で大学生が逮捕されるなど、風紀紊乱が心配される須磨海水浴場に規律をということで、神戸市の「須磨海岸の健全化に関する専門チーム」が会合し、「音楽イベントを行う店舗や、刺青をした人の出入りを規制する方策」をまとめることを決めたという。条例化されれば、来年の夏は刺青客の海水浴の楽しみが減ることになる。

「身体髪膚、これを父母に受く。敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり。」とは有名な《孝経》の始めの一節だ。しかし、孔子の教えも大きく変容してしまったこの頃は、「何をアナクロな」と云われるのがオチ。それより、紀貫之の土佐日記ではないが、「若い父母もすなるタトゥーというものを 子達もしてみんとてするなり」という方に近いのだろうが。ヤレヤレ。





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