里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

筑西市環境基本計画策定委員会

2016-03-23 05:52:40 | Weblog

3月22日(火)午後1:30分より第3回「筑西市環境基本計画策定委員会」が武道館2階の会議室で開催された。委員会は10名の委員から構成され、委員長は早瀬長利氏(茨城県環境アドバイザー)副委員長は小幡和男氏(ミュージアムパーク県自然博物館副参事兼企画課長)である。 私は市民団体の関係者3名の一人として名を連ねている。 他に学識経験者3名、市内の事業者2名の計10名が委員である。

筑西市は合併して10年を経過したが、未だ、環境に関する基本計画書が策定されておらず、この分野において近隣市の後塵を拝している。

約1年をかけ、筑西市の特徴を生かした環境基本計画を策定する予定である。事務局は環境部環境課環境保全グループであり、他にコンサルタントの会社が参加している。ややもすると金太郎飴のように他の自治体と同じような基本計画になりがちであるが、委員長の早瀬さん、副委員長の小幡さんという専門家が参画してくれているので、筑西市のアイデンティティーを前面に出した基本計画になるのではと期待している。

私も環境保全を実践している団体の代表として大いに発言したいと思っている。3回目となる今回は小幡先生から筑西市に於ける植物の種類分布の詳しい資料が提示され、私から五郎助山およびその周辺でみられる昆虫類、野鳥の種類の資料をお持ちした。

昆虫類については会員である黒岩貞吉氏の15年に及ぶ調査記録、野鳥については日本野鳥の会茨城県(副会長)の石井省三氏が平成16年より毎月五郎助山に足を運ばれ、調べられた調査記録をお持ちした。

会議の中でソーラー発電の為、山林の伐採・整地が進められている現状に危機感を持っている意見が出され、多くの委員からも環境保護の観点からこの動きを懸念する意見が続出した。

国もソーラー推進から抑制の急ブレーキをかけ始めたが、開発の権利を得た業者が駆け込みの設置を急いでいるという。 この委員会は環境保護を優先させる委員会なので個人の財産の利用を制限する部分に立ち入ることになり、その理解と協力を地権者に求めて行くことになるので簡単なことではない。行政内に於いても企業を誘致する為、山林を切り開き工業団地を推進する部署もあり、インフラ整備と環境保全は相反する関係でもある。

また、仮に環境保護区と言った地域を指定したとしても、その趣旨を地域の地権者に理解していただき、協力を仰ぐことは、言うは易く、行うは難しである。 地権者にとってもメリットがないとうまく進まない気がする。例えば、固定資産税の免除、低額ではあるが賃料の支払い等が考えられる。さらに指定された地域を誰がどのように保全、管理し、その費用を賄う予算も確保しなければならない。

今後、会議を重ねる中で、実効性のある具体的な案も各委員から提言されると期待しているが、「里山を守る会」が今日まで培ってきた里山保全や多面的活用の事案は大いに参考となるのではないだろうか。

いずれにしても「絵に描いた餅」に終わらぬよう、筑西市初となる環境基本計画に参画して行きたい。