とある本にあった話である。
忘れやすくなるのは自然な現象
よく知っているはずの人の名前や、モノの名前が突然
出てこなくなることがある。
買い物に行っても買い忘れるものがある。それどころか、
二階へ上がったまではよかったが、何をするために二階に
来たのか思い出せない……。
「ある、ある。私も最近は、そんなことは日常茶飯事」
という声が聞こえてくるような気がする。
だが、威張るわけではないが、私だって似たようなもので
ある。
人間にかぎらず、どんなものにも経年変化はつきもので、
脳も同じである。
医師の米山公啓氏は、脳の経年変化を次のようにまとめ
ている(『脳は本当に歳をとるのか』青春出版社)。
◆若い脳=活動的で、吸収力に富んでいる。
一般に10~20代ぐらいまでの脳。
◆意欲的な脳=情報を使いこなすことが巧みになっており、
新しいことに挑戦する意欲もある。
一般に30~40代の脳。
◆安定した脳=迷いが少なくなり、安定している。この
まま放っておくと、衰えに向かう傾向が見られる場合も
ある。
一般に50~60代の脳。
◆老いた脳=活動性が乏しくなり、新しいことを覚えられ
ないだけでなく、覚えたいという意欲も薄れていく。
一般に70代以降に多くなるが、個人差が大き
多少、物覚えが悪くなったり、覚えたものがするりと抜け
落ちやすくなるのは、あくまでも経年変化の一つ。
自然現象と言えるくらいだ。
以上。
この記事に、関心がいったのは、前回のブログで書いた
ことを思いだしたからである。
認知機能低下ぱ40代から始まる
認知機能の低下は50歳前から始まっている可能性が高い、
とフランス国立衛生医学研究所疫学・公衆衛生研究セン
ターのアルチャナー・シン・マヌーー博士らが英医学
誌に発表した。
同博士らは、公務員7390人(45~70歳、男性51
98人)を10年間追跡した。
一定の間隔を置いて3回にわたって、記憶、語彙、推論、
それに言語流ちょう性などの認知機能テストを行った。
高年齢になるほど認知機能の低下は速かったが、推論
能力は男女とも45~49歳で大きく低下し始めていた。
このような内容を書いたのだが。
◆安定した脳=迷いが少なくなり、安定している。このまま
放っておくと、衰えに向かう傾向が見られる場合もある。
一般に50~60代の脳。
このことからすると、
子曰く、
吾れ十有五にして学に志ざす。
三十にして立つ。
四十にして惑わず。
五十にして天命を知る。
六十にして耳従う。
七十にして心の欲する所に従って、矩を踰えず。
この話と相関関係があると、考えた方がよいのかと
思ったりしたのだ。
五十にして天命を知る。
とかあるのだから、ちょっと、アバウトだけど、
身の程がわかるようになるから、認知機能もあえて
機能する必要がなくなるかもしれない。