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リタイアーのよもやま話

I Don't Want To Talk About It

2017-05-28 23:27:00 | 音楽

腹違いの姉が亡くなった。

一緒に生活したことがないので、普
段は兄弟の数にカウントすることも
ない状態だった。

一度、病気見舞いをしたら、「知らせた
くなかった」と言われた。

それから、何年、経ったろう。

時折、思い出しては、気を病むこと
の繰り返しだ。

姉は、自分の死後、家族には知ら
せるなと厳命したようだ。

知人・友人・同級生等で、火葬等の
死後処理は済ませ、49日を目前に
して、姉が死んだ話が伝わった。

厳命された友人達にしても、まさか
のことだ。

伝わった情報は、5月27日(土)が
49日で、散骨を行うということだった。

行ってみて、確かめたら、49日は、
水曜日に終わったと言うことで、
本日の27日(土)は、散骨式だと
いうことだ。

そこは、山奥の人里離れた場所
我が県の本島で一番最後に電気
・電話がはいったとういう所だ。

島を横断する県道の途中から
山間に向かって、車が一台しか
通れない道が続く。

折れ曲がった道を心細くも不安な
気分になりながら、車を運転する。

集落の終わり近くに彼女の家が
あって、数十人の人々が集まっ
ていた。

その中で、私の家の近くに住む
私の同級生の兄が彼女の同級
生であり、姉の母方の親戚と
いうこともあって、この会場に
来ていて、声をかけてもらった。

彼も、特に、話したこともなかっ
ので、私の方が戸惑ったが、
いろいろ状況を説明してくれた。

彼にも死後処理については、
一役かってもらったようだ。

病気の姉の世話をしていただ
いた方々を紹介していただき、
お礼を述べることができた。

彼女の住んでいた家に入り、
中の様子を見る。

「すごい」の一言である。

友人が集まって、建ててくれた
ようだが、茅葺きの天井を見ると
穴が空いている。

屋根と壁は隙間があるので、
台風の時は、風も雨も吹き込む。

冬は北風が、室内容赦なく吹き
込む。

地面は、土間で、湿気で、
土がふやけている。

2部屋ほど、板をしいている。
全く掃除も手入れもしてない
汚れ放題。

その荒んだ様からは、とても
まともな生活をしていたとは
思えない。

この劣悪な環境では、いずれ
病気になるのでは思うほど。

今振り返ると、寝具があった
か、記憶がない。

あまりにも人間らしさの感じら
れない荒れたこの場所に彼女
は、何十年生活してきたのだ
ろう。

私が、ただ長男ということだけ
で、親父の家に同居している
生活からすると、どうして、姉弟
こんにも違う人生を選択する
ことになるのだろうと、言いよう
もない絶望が過る。

家族に知らせるなと厳命された
ことに対して、大きなショックを
覚える。

このような家族って、いったい
何なんだろう。

家族の葬式をできない家族って
何なんだろう。


I Don't Want To Talk About It

2017-05-20 23:30:40 | 音楽

この前、ミスドーで、時間つぶしてをして
いた。

10時10分頃?、懐かしい曲が流れてきた。

30代半ば、仕事を終え、夜な夜な街を
彷徨していた日々に、どこかの喫茶店で
聴いたか忘れたが、I Don't Want To
Talk About It という言葉が、しみじみ
と、感じ入るものがあった。

遠い昔、やり場のない日々に聴いた曲
が、突然、我が日常に、流れてきた。

この曲の演奏は、何種類かあるが、
バックで響くタンバリンが、心地よく
て、気に入っている。

それに、本人の声が、一番絶好調
に思える。

バックの演奏も、完成度が高い。

あの当時の多くのしがらみ・不条理
は、過去のものとなり、平穏な日々
にあって、懐かしく、我が心に響き
わたる。

あの七転八倒していた日々に聴いた
曲が、時折、入れ代わり立ち代わり、
我が日常に、舞い戻って、私に懐か
しげに、囁く。

想像だにしたことない至福の時間
が、今、我が書斎に流れる。


イマジン

2017-05-17 23:52:51 | 音楽



私は、昼前11時頃から、コーヒー
タイムの気分転換のために、外出す
る。

隣のスーパーのミスドーや少し離れた
やはりミスドーで、一息ついたりする。
すると、ジョン・レノンのイマジンが流れ
てくる。

しばし、タイムスリップの時間となる。

又、一度だけだが、病院のベランダで、
体を動かしていたら、イマジンが流れ
た。最近、イマジンに縁がある。

1980年12月8日は、ジョン・レノンが
殺害された日だ。

あれから、37年も経ったということだ。

私が31歳、人生に行き詰まりを感じて
いた頃だ。

あの当時から、どれだけ、世の中は激変
したろう。

まだ、CDが一般化していなかった時代だ
ったような気がする。

勿論、まだタイプライターが現役の頃だ。

悪筆な私は、真剣にコンパクトな機種が
売り出されていたので、購入しようかと
思ったので、覚えている。

ただ、この機種は、短命だった。

しばらくして、一太郎が出てきたからだ。

謄写版から輪転機に変わりだした頃だ。

あの当時から、どれだけ世の中が変わっ
ただろう。

ポール・マッカートニーは、今だに現役
で歌っている。

もし、ジョン・レノンが生きていたら、
何を思うのだろう。今の時代に絶句する
のではなかろうか。

彼が生きていたら、多いに苦悩すること
があるかも知れないと思ったら、彼が殺
害されたことは、今となっては、彼にと
っては、幸運だったのかもと思えたりし
て、複雑な気分になる。

 

9・11事件、貧困の拡大、EUの混迷、トラ
ンプ大統領の出現、et cetera。

変貌した世界に、彼は何を思うのだろう。

彼が、死んだ時、多くのファンが悲しんだ
のだが。

人の人生、何をもって、幸せなんだろう。

ポール・マッカートニーには、長生きして
楽しくやっているのだが。

ジョン・レノンが、天寿を全うするような
ことがあったら、彼は、幸せだった
ろうか?

どうなんだろう。


夜景

2017-05-08 20:48:48 | 映画・ビデオ

You Tubeで、映画『ゴースト・イン・ザ・シェル』
の紹介の動画があって、観ていた。

主人公が美人で、スタイルもいいとあって、つい
見とれていたのだが、その中の夜景のシーンが
美しくて、見とれてしまった。



前にも、ニューヨークの夜景を取り上げた気が
するのだが、やはり、世界中の夜景の中で、
ニューヨークの夜景が、超現代的だ。

善くも悪くも、ちょっと病的な青っぽい光に
満たされた夜景は、ソドムとゴモラの街
みたいなイメージとどこか通じたものを
感じる。

ごのような色彩は、世界の他の地域の
夜景には観られないような気がする。

ものすごく、惹きつけられて止まない
夜景だ。

えも言われぬ緊張感が漂う不思議な
色彩だ。

 


経験

2017-05-04 21:01:30 | 読書

上橋菜穂子の「物語ること、
生きること」にあった文章であ
る。

経験は大切です。
でも、べつに、人と違うことを
たくさんしなければいけないと
いうことではなくて、むしろ、
人と同じことをしていながら、
そこに人とは違うものを感じ取
ることのほうが大切だと思いま
す。

以上。

この文章を読んで、ハッとして
しまった。

私達は、往々にして、

「人と違うことをたくさんしなけ
ればいけない」という思いが何処
かにあって、

時間があると、それを退屈な時間
と感じ、無為な時間かという焦り
のもと、何かと、忙しく立ち回る
ところがあるものだ。そして、忙
しい暇がないと、嘆いたりするも
のだ。

私達は、自分の人生に自信がない
ものだから、さも、有意義な存在
かと、思うために、何かとやりた
がる。

しかし、
「人と違うことをたくさんしなけれ
ばいけない」と思いつつも、自分が
見たいものを(いつも同じ内容だが)
見ていて、同じことを何度も繰り返
しているだけのことになりがちだ。
実際は。

ところで、
だいぶ前に、感服した言葉があった。

次のような文章だ。

「美しい景色を探すな。景色の中に美し
いものを探すのだ」―ゴッホ

「発見の旅とは、新しい景色を探すこと
ではない。
新しい目を持つことなのだ」―ブルースト

「おもしろがる実力があれば、世界中どこ
でもおもしろい。実力がない人は変わった
ものでないと、よく見えない」―西江雅之

何かと、これらの文章を思い出し、気を引
き締めている。

おそらく、最悪は。これだ。

一つの考え方しかできないのであれば、
その考え方に沿った生き方しかできな
くなってしまう。

20年の経験をもっている人がいる。しかし、
1年の経験を20回繰り返しているだけの人
もいる。