徳川がつくった先進国日本
磯田道史
文春文庫
を読み終えた。
前に、「東大流よみなおし日本
史講義」を読んだ影響もあって、
江戸時代を見なおしてしまった。
その影響もあって、この本を読ん
で見る気になった。
読んだ結果、やはり、このような
本を待っていたのだと、我ながら
感心してしまった。
目次は、こうである。
第1章「鎖国」が守った繁栄
第2章飢饉が生んだ改革
第3章 宝永地震 成熟社会
への転換
第4章 島原の乱「戦国」の終
焉
まだ、読まれてない方がいらし
たら、是非、本屋でめくっていた
だきたい。
結局、最近読んだこれらの本から
ひとつの大きな仮説を感じた。
ヨーロッパ以外で、なぜ、真っ先に
日本で近代国家ができた理由がこの
本を読んで納得がいった。
この本で書かれたような歴史を他の
アジアの国では持たなかったからで
ある。
特に、中国が日本の先進性に歯ぎ
しりしているが、一度、中国人に
これらの本を読ませれば、それは、
十分に納得できるはずだ。
そして、愕然とするはずだ。
古代の天皇の権力闘争には、
今の北朝鮮の骨肉の争いを見る
ようで、非常に複雑な気分にな
るのだが日本の古代、天皇制の
成立も含めて、トータルな歴史
が、近代国家の成立を準備した
ような気がする。
ところで、
同じ著者の
「江戸の備忘録」も面白く読め
てお薦めである。
この本を読むと、やはり、江戸
時代は「凄い時代」だったのだ
と感じ入ってしまう。
なかでも、わたし個人的には
「あとがき」、「文庫版あとがき」
の内容に、多いにショックを感じ
た。
わたしが待ちに待っていた人物で
ある。
わたしも「古文書」には、大いに
興味がある。
しかし、わたしには、そのような
知力もないし根気もない。
優先順位として、残念ながら、低い。
このような才能があって感謝してい
る。
おかげで、「過去の実相」にふれる
ことができる。
ぜひ、このあとがきの分は、まだ
読まれてない方には、一読、お薦
めである。
今まで、本を読む習慣があったこ
とが、報われたようだ。
そして、いい時代に、年齢的に、
ぎりぎりのところで、間に合った
ようだ。
感謝である。