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リタイアーのよもやま話

翳り行く部屋

2016-08-30 20:59:10 | 風景

久しぶりに聴いている。

オープンリールのテープレコーダーの
画像が表れ、懐かしい。

ちょうどこの曲を聴いていた頃までは
オープンリールが現役でいた時代だ。

この画面の製品は、テクニクスのようだ。

わたしが、オープンリールのテープレ
コーダーを買った時は、若すぎて
金が無かったので、ソニーの一番
安いのを買って、満足していた。

できれば、このような高級感のある
のが、欲しかった記憶がある。

ティアックのメーカーが、有名だった
のだが、高嶺の花であった。

この最初に聴いたのは、採用された
職場から帰宅途中、FM放送で聴い
たかもしれない。

その後、A.S.A.P. 翳りゆく部屋
CDを買って、その粋な演奏に魅了
され、ファンになった。

残念ながら、You Tubeから削除
されてしまったが。

このテーマについては、
2013年9月17日のブログにすでに
書いていて、読み直しては、懐かしく
思い返している。

その時の文章は、こうあった。

今日は、懐かしい曲に出会った。街灯
も無い入り組んだ暗く狭く路地を通った
のは、今でも覚えているが、もう一度
あの店にゆける自信はない。もっとも、
あの店がまだあるのか厳しいと思う。

もうあれから、20年以上経ってしまっ
たのだから。

それにしても、今日は、懐かしい曲に、
出会った。

あの暗いカウンターで、よそ者のわ
たしは、一人ぼんやりと、座っていた
のを思いだした。

遠い昔の話だ。

以上。

時折、グーグルアースで、その地を
彷徨っている。

あれから、30年以上経った。

懐かしさに駆られて、あの思い出の
地を訪ねるのは、いい思い出になる
のか、否か。

昔、思いをよせた人に、再会するの
は、勇気がいることだ。

迷ってしまう。

わたしは、最初この曲を聴いた頃、
自分の進路選択に疑問を抱いてい
た。

若干の進路変更はしたものの
同じ業界で、人生一幕を終えた。

幾度も、違う人生の選択肢は無か
ったかと、自問自答するのだが、

はたして、違う選択をして、人生を
全うできたかと思うと、これまた
自信はない。

おみなえし揺れ咲く細き野道行く
なりたい 自分になれただろうか。

と言ったのは、重信房子だが

同輩よ。みんな、なりたい自分
になれたかい。 

わたしは、たどり着いた人生に
戸惑いを感じている。

とは言うものの、今以上に自分
になれたとは思えないから、やっ
かいだ。

違う選択をしていたら、とんでも
ない不幸になったかも。

今の自分しか、選択しようが
なかった気がするからやっか
いだ。

とは言うもの、どこか未練が
ましく思うからやっかいだ。

しかして、これは、贅沢病か。

と、思えたりして。

懐かしい時間を、振り返って
いる。

 


「敗者」から見た日本史大全

2016-08-26 21:22:59 | 読書

「敗者」から見た日本史大全

を本屋で偶然に見かけて、購入した。

負けた側に立てば
あなたの歴史観がひっくりかえる!

あの重大事件・合戦・争乱の真実

◎乙巴の変で蘇我氏は無実の罪で
殺された

◎大将が強すぎて負けた甲斐の武田
軍団

◎赤穂浪士は幕府のお膳立てで討ち
入りに成功した

司馬遼太郎は、江戸開城以降の
西郷隆盛の行動について、理解
しがたいと語ったが、その理由が
この本で述べられている。

その説明の見事さに、圧倒されて
ている。

通説の過去が、新しい視点で、
論じられる。

そして、目の覚めるような
思いをさせられる。

このような知的驚きを経験
をすると、本を読み続けて
きて、報われる思いがする。


私たちが、学校教育で、刷り
込まれた敗者について、
この著書のような視点で、
振り返ってみると、多く
学ばされるものがある。

敗者と言われた人たちに
なんと、多く語りかけるもの
がああること。

勝者に劣らず。

前に

お金の流れで読む  日本の歴史

元国税調査官
大村 大次郎

元国税調査官が
「古代~現代史」にガサ入れ

の感想を述べたが、

この本も、ぜひとも、高校の
必修副読本になってもらい
たいものだと思った。

もちろん、歴史好きの読書人
にも、ぜひ、読んでいただけ
ればと、思われてやまない。

これらの才能に出会えて、
幸運だったような気持ちで
いる。

著者に、感謝である。

今後も、このような驚きに
出会えたいものだ。

 


お金の流れで読む 日本の歴史

2016-08-19 19:55:32 | 日記

お金の流れで読む  日本の歴史

元国税調査官
大村 大次郎

元国税調査官が
「古代~現代史」にガサ入れ

という本を、いつも通っている
本屋で見つけた。

前に
経済で読み解く明治維新

経済で読み解く大東亜戦争

という本を読んでいたので、
この本を読んでみる気にな
った。

あまりにもおもしろかったので、

お金の流れでわかる

こんな見方があった!
富、経済、権力┄┄
はこう「動いた」

世界の歴史

元国税調査官
大村大次郎

も、手に入れて読んでみた。

こちらの本も、大変面白く
読めた。

正直な感想として、このような
本が出版されることを、ずっと
待っていたように思う。

今まで、抱えていた多くの疑問
が解決され喜んでいる。

わたしの独断であるが、この本を
高校の必修副読本にしてほしい。

もちろん、国民の教養書として、
必読書になることを望んでいる。

わたしたちは、よく戦争反対を
叫ぶ。

であるが、たいていの運動は、
感情論を超えない。

わたしは、この本を読んで、
なぜ、戦争が起こったのかと
というメカニズムを知る必要
があると、思う。

そこからしか、真の戦争反対
は生まれないと思う。

ところで、
本の中で、大航海時代について
の記述がある。

思うに

オスマントルコの存在が、大航
海時代を生んだようである。

その結果、ヨーロッパが繁栄し、
そのヨーロッパによって、オス
マントルコは解体されていくと
いう歴史の皮肉が生まれる。

わたしは、子どもの頃、大航海
時代の本を数多く読んで、冒
険家に憧れたことがある。

その、興奮のからくりを、この
年になって知って、驚いて
いる。

歴史に興味を持つ、読書家には
この本は必読書とされることを
望んでやまない。


卒業写真 - 荒井由実(松任谷由実)

2016-08-12 22:52:56 | 音楽


卒業写真 - 荒井由実(松任谷由実)

曲は、

人ごみに流されて 変わってゆく私を
あなたはときどき、遠くでしかって

と歌っている。


ハイ・ファイ・セットのデビュー・シングル
として1975年2月5日にファーストアル
バム「ハイ・ファイ・セット」と同時発売さ
れた。とウィキペディアには、ある。

1975年、私は26歳。長い学生生活を
終えて、地元に帰り、就職のため採用
試験の受験勉強をしていた年だ。

この卒業写真を聴いたのは、就職して
6年経ち、自分の職業選択に疑問を
持ち、転職・退職を考えた32歳の秋
だ。

あれ以来、繰り返し繰り返し、時折
この曲を聴いてきた。

この曲は、

人ごみに流されて 変わってゆく私を

否定的にとらえている。

ずーっと、わたしもそういう意味で、
聴いてきた。

ところが、最近、ふと思ったのだ。

人ごみに流されて かわってゆく
ことは、まずいことだったのだ
ろうか。

1978
ワードプロセッサ(ワープロ) -
国産のワープロが誕生する

 1984年
エア・コンディショナー(エアコン)
世帯普及率が50%を超える

Macintosh1.0が発売される

1985
ショルダーホンサービス(携帯電話)
が開始する


1986年
ポケベルの普及が開始する

1987
携帯電話サービスが開始する

1995年
ウィンドゥズ95

1996年
インターネット元年

et cetera

猛烈な勢いで、時代は、変転
してきた。

その時代の流れに遅れまいと、
必死に食らいついてきたつも
だ。

しかし、われわれの世代で、
どれだけの仲間が、猛烈な
スピードで変わりゆくこの時
代に、取り残されずに、生き
残ったのだろう。

そう振り返ると、

人ごみに流されて 変わって
ゆけた私を悲しむのでは
なく、もしろ、喜ぶべきなの
ではないのだろうか!

なんて。思われんことも
ない。

仕事人間に徹したわたしは、
自腹で散財し、仕事に夢中
になってきた。

きっと、多くの同僚は、快くは
思っていなかったのでは。

もし私が、人ごみを嫌い、
心地よい自らの檻の中で
の生活に耽溺するような
日々を過ごしてきていた
なら、わたしは、猛烈に
変転してきた今の時代
に、どう生きていたのだ
ろうかと思うと、身震い
する思いだ。

そう思うと、この曲が、
これまでと違って、愛お
しさも感じられてやまな
い。
 


村上海賊の娘

2016-08-07 23:31:22 | 読書

          「村上海賊の娘」を読み終えた。

2014年に本屋大賞を受賞した
ことを記憶している。

その時には、興味を抱くことはな
かったが、どういうわけか、最近
ふと読む気になって、一気に読み
終えた。

読む人を飽きさせない話の展開は
心地よい。

今までに、読んだ本には、無かっ
たことだ。

この手法を持ち得た著者に拍手で
ある。

登場人物を多面的な視点で描き、
その有り様が見事で、多いに、
楽しく本を読み進めることがで
き、嬉しい。

そのような著者の力量に完敗で
ある。

とくに、3~4巻の木津川合戦
の合戦描写は、見事である。

今まで、中国の戦記物、日本の
戦記物、そして、今ローマ人物
語を途中まで読んでいるが、
どの本でも読んだことのない複
雑な合戦模様を描ききった著者
のパワーには圧倒され、その力
量に拍手である。

このような時代物が好きな人に
とって、読まれてしかるべき著
書のひとつではと、感服してい
る。

それにしても、いい時期に読め
たと、喜んでいる。

あと少し年をとると、短気記憶
が、一段と劣化して、読み通す
ことはできないかもしれない。

そのくらい複雑な構成で、今、
一人安堵している。

幸運でした。