木嶋佳苗の拘置所日記
ヤフーのニュースで、あの練炭殺人の木嶋佳苗
がブログ書いているというのがあった。
そこで、そのブログを訪ねてみた。
その文章を読んで、びっくりしてしまった。
文章については、素人のわたしが、意見をする
のは、どうかと思うが、あくまでも素人判断と
いうことで、述べさせてもらうと。
残念な気もするが、「上手い」である。
そのため、彼女のブログを紹介してみたい。
記念切手
去年の11月に、「2014年干支文字切手」が送
られてきた。10人の書家が「馬」の一字を書
いた80円切手のシート。
私はこれがとても気に入り、おじさまに「干支
文字切手が欲しい」とおねだりした。「切手を送
って」と手紙も送った。今までの経験上、面会
で伝えたことは忘れる人が多いことを知ってい
るから、頼みごとは手紙で念を押す。
そうしたら、発信したその日に「星座の切手、
覚えてますから」と書かれた手紙が届いた。
えっ!?星座って何のこと?私は星座の話をし
たことないんですけど。
戸惑う私の元に、シールタイプの「星座シリー
ズ」切手が届きました。何か既視感があるなぁ
と、キラキラ光る星座の切手シートを眺めてい
たら、年下の男性のことを思い出した。
たくさんの記念切手に「可愛い切手をお贈りし
たく」と書かれた一筆箋を添えて送ってくれた
彼のことを、何て素敵!と感激したことまで思
い出した。
別の男性が、郵便局でもコンビニでもいつでも
売ってるごく普通の鳥の切手を31枚送ってき
たことも思い出した。
「半端な数が謎ですし、この切手なら拘置所で
買えるんですけど・・・」と苦情を言ったこと
まで思い出した。
母に頼んだら、いきなり70枚送ってくれたこと
も思い出した。
家族以外の女性から、切手をシートで貰ったこと
がないことも思い起こされた。
拘置所では、美しいものを目にする機会が少ない
から、美しい記念切手を見るだけで幸せな気分に
なるんです。
封筒に、素敵な切手を貼って手紙を送ってくれる
人のことはよく覚えているし、記念切手を同封し
て下さる人のことが、より記憶に残るのは、私だ
けではないと思う。
切手一枚の些細なことに喜びを感じる環境なので
す。拘置所という場所は。アニメや世界遺産シリ
ーズは、特に楽しい。綺麗な花の絵柄も嬉しい。
こういう気配りって女性の得意分野だと思ってい
たのですが、私の周りで記念切手を送ってくれる
人は男性ばかり。なぜでしょう。
しかし、干支と星座を間違えるとは・・・「私は
男性より馬が好きなんですよ、サラブレッドを愛
しているんです」って言葉に気が動転しちゃった
のかなぁ。男性に通じないこの面白さが、たまり
ません。
馬の切手は欲しいですが。
2014年1月27日記
以上。
どうでしょう。見事ではないでしょうか。
もちろん、素人の私見ですが。
饒舌な音楽が流れてくるような感じがして
やまないのだが。
そして、何よりも、文章が綺麗ではないで
しょうか。
わたしは、この文章が、男をだまして食って
きた女性の文章であることが、返す返すも残
念である。
18、19の少女っぽい、屈託のない雰囲気をか
もしだしていて、これを、キム・ヨナなんか
が書いていたりしていたら、もう、たまりま
せんね。
もし、この文章を、木嶋佳苗が書いていなかっ
たら、わたしは、この書き手に恋をしてしまい
そうだ。
わたしは、今風の小説を読んでいないので、比較
はできないのだが、このような清純でハイカラな
気持ちよい饒舌さに満ちた文章を書く小説家は、
そんなにはいないのではなかろうか。
この文章だけだったら、読んでいて、幸せな気分
になるのだが。
彼女の文章が、文学賞をとれるレベルか内容か
はわたしには評価する力はないのだが。
こんこんとわき出てやまない泉のように、文章
が、次から次へと、わき出でてやまない。
もし、この文章のように、会話が進むのだった
ら、少々のブスでも、たいていの男はだまされて
しまいそうだ。
良家の箱入り娘みたいな、初々しさをかもしだ
していて。
こんな文章を見せられると、彼女は冤罪ではない
かという気になってしまうのだが、問題は、真犯
人は、誰だろう。そこが、問題だ。なんて、いろ
いろと、考えしまう。
キチガイと天才は紙一重という言葉もあったし、
歴史的に残る有名な作家で、常軌を逸していた人
もいたような気がするので、彼女にこのような才
能が宿るということもあるのかも?
問題は、ゴーストライターはいないのか。変なこ
とを考えてしまうのだが。
ところで、木嶋佳苗のことがニュースになって、
思ったのだが、これだけ、男をたぶらかす才能が
あるのだから、婚活で騒がれている時代、なぜ、
合法的に、男を金づるにする生き方ができなかっ
たのか、不思議でならない。
非常に不埒な考えだが、身寄りのいない高齢者を
看取る覚悟で、財産目当てに、合法的に結婚して、
遺産を相続するという生き方ができたら、こんな
ニュース沙汰にならずに、すんだのにいうことで
ある。
この殺伐とした時代、このような計算ずくでも、
死後の後始末まで、ちゃんと面倒みてくれるとい
う心意気があったら、そのような打算も可とする
人も、この広い世の中にはいると思うのだが。
なんて、考えたりもしてしまうだが。
なんとも不埒な考えだが。
それにしても、なんとも気持ちいい文章を書け
る才能を宿したものだ。
彼女が、身近にいたら、このような評価ができる
か自信はないが、個人の好みとして、良い文章
だと感じ入った。
追記
彼女の文章の心地よい饒舌さに、目眩がした
のだが、A Case of You - Joni Mitchell
の歌声も、やはり、心地よい饒舌さが、漂っ
て、やまないものがある。
しばし一人、
心地よい乙女チックな情趣のただよう時間に
我が身を置くのも、
ささやかな幸せになろうかと、
密かに喜びたいのだが。