ネットにあった映像である。
個人的には、大変魅力的な風景である。
子どもの頃、夜になると、あたりは真っ暗である。
その頃、ガラス窓はほとんどなかった。
雨戸を閉めて寝る。
もちろん、街灯なんてないし、なにしろ、車が
10台並んで走っても、パレードというほど
車もなかった。
小学生の頃、空襲警報があって、サイレンが鳴ると、
隣町の歓楽街も、一斉に電気が消えて、真っ暗になる。
今となっては、不思議な時代であった。
その頃、月の明かりは、けっこう明るかった。
懐中電灯を持ってなかったりすると、目を凝らして
夜道を歩くのだが、けっこう、見えたりしていた
ことを思いだす。
現代のように、都市化がすすんだ地域は、24時間、
眠ることもなくなって、月の光を愛でる風流なんて
生まれようもない。
しかし、幸運なことに、我が家では、そのような月の明か
りを、夜遅く庭に出ると気づく時があり、タイムスリップ
したようで、胸が高鳴ってしまう。
写真では、煌々と月が照っている。
かつて、どこかで、見たはずの風景とだぶるような
気がして、何かしら訴えてくるものがある。
水平線の彼方の薄明るく見えるあたりに、何かしら
思いが馳せていくようで、えも言われぬ気分になる。
この写真のような風景、むかし、どこかで、見ていた
はずだが。
つい、わたしは、見とれてしまう。