『傲慢と偏見』２０話まで

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カン・スは幸い意識もはっきりとしてて、大事には至らなかったのですが、チャンギは重症で意識もありません。

そのまま手術となり、まだ意識が戻らないままです。

カン・スは、殆どの記憶を取り戻したようですね。

偶然、迷子のビョルと出会った事、二人とも誘拐されてしまった事、車のトランクに入れられていたこと、そして、ムン部長がそのトランクを開けて自分を見た事・・・等々。

 

ドンチがチャンギに会いに行かなかったのは、行方が分からなくなっていると言われたアルムが、突然検察にやってきたからでした。

アルムとすると、一人で隠れている事すら怖かったようです。

そしてこの時、アルムを自分の執務室に連れて行き、話を聞こうとした事から、パク・マングンが誰なのか、偶然分かったのです。

チェ検事でした。

 

ドンチが親しくしている先輩検事です。彼の事をドンチは先輩として本当に信頼して来たのです。

思わず吐いてしまうくらいの衝撃を受けました。

 

カン・スがチャンギから受け取ったのも、チェ検事の写真でした。

 

やっぱね、あんなチョイ役で出る筈無いと思いましたよ、チョン・チャンｓｓｉが。

 

アルムも、マングンが検事だと知ると、絶望的な表情になりました。

 

そして、一番衝撃を受けたのはムン部長だったかもしれません。

「知っていたら、ファヨンならまだしも、後輩検事の犬などにはならなかった。」

そうドンチに言いました。

 

ムン部長は、ハン・ビョルの事件で自分が見聞きしたことをドンチに話しました。流石にここに至って隠す事は無かったみたいです。

事件の日、ムン部長は、白熊がカン・スを誘拐し車のトランクに入れている事を知りました。すぐさま解放しろと命じたのですが、その後、子供は死んでしまった・・・。

ムン部長はカン・スが死んだと思ったのです。トランクにビョルもいた事を知らなかったから。

 

ドンチも、ムン部長もこれまでのチェ検事とのやり取りを思い出していました。

それらの全てがパク・マングンという裏の顔を隠し、罪を隠すための言動だった事に初めて気づいたのです。

怒りが煮えたぎりますわな。

 

ムン部長は、ユ係長にチェ検事について調べてほしいと言いました。

ただ、命の危険が伴う事なので、命令する事はためらわれました。ユ係長が、協力すると言ってくれたので、慎重を期し、そして身の安全を第一に行動してほしいと告げたのです。

ムン部長自身、物凄く緊張しているのが見て取れました。

一番危ないのは、ムン部長の命でしょうに。

 

ムン部長は拘留中のイ元局長に証言を要請しました。

でも、ファヨンに裏切られ捨てられたとはいえ、自分から裏切るなんてことは出来ないようです。命が大事ですから。

こうやって黙っていて恩を売れば、後々見返りがあるかもしれない・・・とね。

ドンチかムン部長かどちらかを消すとすれば、ムン部長の方だろう・・・とイ元局長は言いました。元々反対の立場をとっていたドンチより、味方だったムン部長の裏切りの方が憎いだろう・・・とね。

 

ドンチは、ヨルムやイ検事と共に捜査を続けようとしました。

でも、イ検事は怯みました。恋人のユ捜査官は協力すると言いましたが、イ検事はそれを許しませんでした。

それほどに危険な捜査なんです。

ドンチも強くは言えませんでした。

 

カン・スは又新たな記憶が甦りました。

自分がトランクから逃げ出した後、チェ検事が・・・パク・マングンが子供を殺せと白熊に命じているのを聞いたのです。

そして、ネクタイピンを落としてそれを拾う時、顔もはっきりと見ていたのです。

これらの証言は、やはり証拠としては弱いモノでした。１５年も前の記憶、それも今になって突然思い出したなんていうのはねぇ。信じてもらえないでしょうね。

 

「ネクタイピンを落とした奴が子供を殺した。」

と、以前ムン部長がドンチに言いました。要するに、目撃者がいると言う事です。それはムン部長ではありません。

それは父ですか？・・・とドンチはムン部長に聞きました。

「悪党の中で一番恐ろしいヤツの特徴を知ってるか？目立たないヤツだ。悪人の癖に真面目なヤツ。」

チェ検事も無遅刻無欠勤の真面目な検事でした。そして、特捜の時長い時間一緒に居たにもかかわらず、今回久しぶりに会った時、ムン部長が初対面だと思ってしまったくらいに記憶に残らない存在なのです。

でも、本当に恐ろしいくらいに情報を掴んでいるし、息のかかった者は数知れないほどのようです。

 

ユ係長の調査がチェ検事に知られてしまいました。

と言う事は、ムン部長とドンチが彼の正体を知ったということです。

そうなったら、あっさりと出て来ましたよ、パク・マングンとして。

事も無げに言いましたよ、放っておいてほしい・・・と。

でも、ドンチにはそんな事は出来ません。

去り際に、チェ検事は、ムン部長が危険だと言う事を匂わせました。このまま自分を起訴するようなことがあれば・・・と。

その言葉の意味を考えて、ドンチは恐怖の表情を浮かべました。

 

「得るモノより失うモノが多い場合、どうする？」

と、ドンチはヨルムに聞きました。

「何を得るかによります。」

と、ヨルム。

何を得られるなら、多く失ってもいい？・・・とドンチ。

まだ分からない・・・とヨルム。

俺？・・・とドンチが言ったら、私のモノだった？・・・とヨルム。

そーでした、二人の恋愛も棚上げされたままです。ドンチはこの事件が終わったら考えようと言いますが、ヨルムはドンチが父親の犯した罪を考えて一歩引こうと思ってる事に気付いたようです。

「“やめよう”で終わらせるつもり？そう簡単に気持ちを整理できない。大事なのは今の気持ちよ。違う？心変わりじゃないなら恰好つけないで。恰好悪いから。」

あっさりと言うヨルムを、ドンチは黙って見つめていました。

ヨルムの気持ちの強さに改めて感心し、また、有難く思えたでしょうね。

 

ドンチの父親が来ました。

そして、白熊を殺したのは自分で、ドンチを守るためだった・・・と話しました。

ネクタイピンは、ビョルを殺した男のモノだとも。

ドンチ父は、ビョルを殺したのがスーツを着ていた男だと言いました。目撃していたのです。

子供を殺した罪まで着せられるのではと思い、ムン部長に渡した・・・と。

 

聞いていたヨルムのところに、ムン部長がやって来ました。

そして突然聞きました。

「なぜあんな男を好きになった？」

「え？」

思いがけない問いに、ヨルムは言葉が出ませんでした。

「でも良かった。辛い３か月の修習期間ク検事が傍にいてくれて。でしょう？」

からかうような口ぶりで言いました。

「応援します。」

そう言ってムン部長は、ヨルムに拳を突き出しました。その拳に、ヨルムも拳を当てました。

 

「ハン・ビョル殺人教唆で起訴します。でも、状況証拠だけでは決定打に欠けます。証人もいません。」

と、ドンチ。

あまりにも惜しい・・・とユ係長が言いました。

でも、ドンチは言いました、やめましょう・・・と。失うモノが多過ぎるから・・・と。

「もしかして私を殺すと？」

と、ムン部長。

ムン部長はドンチが起訴したいと思ってるのを知っています。でも、ムン部長の身が危ないと思い、二の足を踏んでいると言うのも分かっていました。

「検事として決めなさい。」

そう、ムン部長は言いました。

 

ドンチは起訴状を仕上げました。

その時、ドンチの前にチェ検事が。

そして、ヨルムの前にはオ・テッキョン弁護士、ユ係長の前には、あの薄気味悪い監察の男が現れましたよ。

脅しだわ。

 

こんなに腐ってるの？検察が・・・とイライラしますよ。

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