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「僕たち、パリに行かない?」
と、ジェグクが言いました。誰もいないところに・・・と。僕たちの関係に口出す人がいないところに・・・と。
「ここで愛し合えないのなら、行こう。」
ヨンウンは・・・いえ、ジェグクも涙をためていました。
ファッション業界の再編が進み始めました。
他の会社がファンド企業に買収されたと言うニュースが上がりました。次は、ザ・ワンではないかと。
“ソーノ”チームのソンジュは、会社を移ろうとしています。
ナム課長と一緒なら、相手の会社は優遇してくれるとかで、ナム課長をしきりに誘っています。
ナム課長は、ヨンウンを裏切ることになると、躊躇していますが、やはり会社が買収されてしまってからでは遅いと言うソンジュの言葉に、不安は募りました。
ヨンウンはそれを知っても、咎める事はしませんでした。
ただ、やるべきことは最後まで誠実にしなさいと、今進んでいるフランスの会社との仕事をきちんとするよう言ったのです。
内心は、ヨンウンも動揺していたのですが・・・。
ソヨンだけは、動揺していません。
会社がどうなろうと、フランスの会社が何を言ってこようと、自分にとって大事なのは、“ソーノ”の新作だと思っています。自分の服をたくさんの人が着てくれたら、それでいいと。
ヨンウンの両親の離婚話はもう決まりのような展開を見せていました。
母は弁護士に相談し、夫の有責事由が無いと、慰謝料を貰えないと聞かされました。で、離婚したいと思った理由を、つらつらと思いだし、文章にしていました。
母が上げた事由は、どれも些細な事として無視されてしまう事ばかりでした。
柔らかめのご飯が好きなのに、夫の好みに合わせて固めに炊いた・・・。
夫は知人に自分の事を紹介するのに、“妻”とか“うちの子の母親”としか言わない、名前で紹介してくれない。
特技を聞かれた時、出来る事は料理や洗濯掃除しかなかった。他の人は刺繍とか様々あった。旅行に誘われた時、夫は自分の食事はどうするんだと言ったから、忙しいからと断るしかなかった・・・等々。
ヨンウンは、母のこれまでの人生は、父と自分のためにあるだけだったと、その有難さに、父も自分も気づいて無かったと思いました。
ミスクの家に、スホの母・・・つまり義母が突然やって来ました。
常々、言いたい放題の義母に、ミスクは手を焼いていました。
その日も、スホが会社にも行かず、家で料理をしている姿を見たら、もういきり立ってミスクに詰め寄りました。
丁度ミスクが横になって休んでいる時でしたから、猶更です。
スホがいくら説明しようとしても、ミスクの病気の事を知らない義母は、聞く耳を持たず、そこまで?と言うほどにミスクを責めました。
ミスクはもう我慢しませんでした。
義母に反論し、そのまま家を出て行ったのです。
そして、ヨンウンの家に行きました。
ヨンウンとミスクは、一番お互いの事を知っているし、何でも話せる相手でもあります。
義母の愚痴も、スホに対する思いも、そしてヨンウンは、パリに行こうと言われた事も打ち明ける事が出来ました。
スホがミスクを迎えに来ました。
しかし、ミスクは薬のせいで眠り込んでいました。
ヨンウンは、スホに会社に復帰してくれと言いました。ミスクが本当に望んでいるのは、何も無いように平然と暮らす事だからと。
スホは、言いました。自分がミスクを如何に頼っているか、如何に愛しているかを知らなかったと。
みんなそうだと思いますと、ヨンウンは言いました。
シン・ユジョンがジェグクを訪ねて来ました。
ユジョンは、随分肩の力が抜けた感じです。
冷静に自分のことを分析できるようになっていました。
その上で分かったのは、今でも自分はスワンを恋しく思っているということ。
「ハ・ヨンウンを逃がさないで。」
と、ユジョンは言いました。
人生で一番つらいのは、最後まで歩めなかった道を思い出す事よ・・・と。
そして、ヨンウンを許すことはまだできないけど、ジェグクの愛が間違っているとは言えないと言いました。
ジェグクは、パリの家を探していました。
いろんな候補を見つけて、ヨンウンに話しました。
でも、ヨンウンは言いました。
両親は離婚しようとしてる・・・と。大好きな友達は会うたびにやつれていって、会社は買収の危機で・・・。
「私だけ行けないわ、皆が苦しんでいるのに。」
本当は全て捨ててジェグクと一緒にパリに行きたいけれど・・・とヨンウンは言いました。
「僕の事だけ考えてほしいと思うのは、我儘?」
と、ジェグク。
「あなたも大事だけど、私の人生も大事なの。」
フランスの会社からは、まだ何の連絡もありません。
“ソーノ”の実力に確信が持てないんだと、ヨンウンは思いました。
だから、もう返事は待たず、新作をオンラインショーで披露すると決断したのです。バイヤーを招待して、オンラインで作品を見せようということです。
フランスの会社だけをターゲットにするのではなく、その他のバイヤーたちにも披露すればよいとヨンウンは考えました。
勿論、かなりの費用がかかります。
それを不安に思うスタッフに、会長が言いました。
「投資が決まった。」
買収のための査察ではなく、投資のための視察だったのです。
150億Wと言う巨額の投資が決まったのです。“ソーノ”の実績と可能性、ヨンウンの努力と実力を認めたってことです。
そーならそうと、早く言って欲しいですよね、社員が動揺する前に。
皆、一気に表情が明るくなり、活気づき、準備に走りまわりました。
ヨンウンとチスクは、ミスクにモデルになってほしいとオファーを出しました。
ミスク、久々に心が躍りました。
そして、スホにショーの進行を任せました。
ジェグクにも協力を求めました。
忙しいけど、難しいけど、皆嬉しそうでした。忙しさ困難さを楽しんでいるように見えました。
生き生きと働くヨンウンを見て、ジェグクは少しずつ“別れ”を現実のモノとして受け入れなくてはいけないと思うようになりました。
どうやって別れたらいいんだ?と、ジェグクは思いました。
スワンのお墓に行きました。
スワンに告げました。ヨンウンと別れると。
「綺麗に別れてみる。」
ショーは大成功に終わりました。
招待したバイヤーは全員ショーにアクセスしました。
ラストにスポットライトを浴びたのは、ミスク。
ミスクが着ているドレスは、ヨンウンがミスクのために作ったものでした。
これは売らないと、ヨンウンは言いました。
娘のジミンの前で、ミスクは堂々と歩きました。
スホは勿論、ヨンウンもチスクも固唾をのんでミスクの姿を見つめていました。
皆、泣いていました。
ミスクが美しくて。
泣けた~っ
その頃、ジェグクは母と向き合っていました。
「兄さんに会って来た。一月だけ待って。彼女を一月だけ悔いなく愛してから別れるよ。」