レビュー一覧は、こちらから。
サビンは、大学の骨考古学者。解剖医でもあります。
正義感が強く、困っている人を見かけたら、手を貸さずにはいられません。
道端で男に絡まれて困っているハルモ二を見かけると、バスを降りてでも助けに行くほど。
その騒動の時、偶然通りかかったキム・スヒョク=イ・スヒョクと出会いました。
が、この時はお互い顔を見ただけでしたけどね。
サビンの授業を採っている学生の中に、ジョンボムがいました。
ジョンボムは法医学を専攻しています。成績もすこぶる良い生徒です。そして幼い頃から絵を描く事等、様々な方面に驚異的な才能を示していました。おまけに、両親がエリートで、ハンサムと来てるので、注目を浴びるのも仕方がありません。
ただ、サイコパスだと言う噂もあって、同級生たちは皆遠巻きにしていると言う感じです。
15歳の時に初めて殺人を犯したとか、手術痕のある女性としか交際しないとかいう噂もあります。
ま、とにかく、あまりにも優秀で、正体が掴めないため、近づきがたい存在なんです。
ジョンボムはサビンに関心を示しています。
先日の本の一件もありましたが、その時サビンと関わった途端、手が震えだすと言う現象が起こったのも理由の一つです。
まるで電流が一瞬走ったような感覚でした。
だから、ジョンボムはサビンの電話番号を『パルス』と言う名で登録しました。
そして、サビンの胸の手術痕を見た瞬間、ジョンボムの胸にも痛みが感じられました。
サビン、心臓移植を受けているようですね。
出会ってから、サビンにもジョンボムにも既視感と言える感覚を持ったり、幻影のようなシーンが頭に浮かんだりしています。
まだ気にするほどではありませんが。
が、サイコパスだと言う噂はちょいと気になりますし、例の本にジョンボムが書き込んだ落書きも気になっていました。
『目よ 最後に見ろ。腕よ 最後の抱擁だ。唇よ 完璧な口づけで封印し死と永遠の契約を交わそう』
シェイクスピアのロミオとジュリエットの一文だそうです。
スヒョクは、ピョン・ソンフンと言う連続殺人犯の捜査を担当しています。
ピョン・ソンフンは、薬物のせいで殺人など記憶に無いと言い張っているようです。
しかし、そんなの、スヒョクには通じません。
スヒョクは証言を得るためなら、暴力も厭わない検事なんです。
河原で遺体を捜索している時、偶然、遺骨が発見されました。
調査にサビンも呼び出されました。
電車を待っている時、サビンはホームで一人の男性の姿が目に留まりました。
ヒョンビンです・・・。トランシーバーを手に持って立っていました。
しかし、次の瞬間、消えてしまったのです。
あんなにアリアリと見えていたのに・・・とサビンは不思議に思いました。
不思議な遺体でした。遺骨と言うよりはミイラ。
両手を赤い紐で縛られ、ドラム缶にホルマリン漬けにされていたせいで、ミイラ化していました。
20代後半の男性で、30年以上前のものだとサビンは判断しました。
紐の結び方を見て、埋葬の一種だと言いました。葬儀を行ったのかもしれないと。
ナイフで何度も刺された痕がありました。
腹の上には、一冊の本が乗っていました。「嵐が丘」です。
固く握りしめた手の中から指輪が見つかりました。絶対に開かないとスヒョクは言ったのですが、サビンが両手で包み込むようにし、息を吹きかけると、少し開いて、指輪が見つかったのです。
スヒョクは不思議そうに見つめていました。
指輪の内側には数字が刻まれていました。『830403』と。
ピョン・ソンフンは、ミイラの持っている本は知らないと言いました。
「俺が犯人なら、母さんも同罪だ。」
と言うのですが・・・。どういう意味
サビンが判断したように30年前の遺体なら、ピョン・ソンフンは犯人ではないと思われました。
まだ子供でしたから。
しかし、スヒョクはあくまでもピョン・ソンフンの犯行にしたいようです。
サビンは、ムカつきました。