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「大統領もグルだ。」
ドンチャンの言葉に、スヒョンは呆然としました。
自分に優しく話しかける大統領を、信じられない物でも見るように見つめました。
そして、通り過ぎると、いきなり孫を抱き抱えたのです。
首にはナプキンに包んだ凶器のようなモノを押し当てています。
警護官たちは一斉にスヒョンに銃を向けました。
「娘を返して。」
大統領の息子シニュがスヒョンに飛びかかりました。
で、あっという間に鎮圧・・・ですか。
この時になって、スヒョンが持っていたのは、バナナだったと言う事が分かりました。スヒョンが子供を傷つける筈ないよね。
警護官たちは大統領一家を守りながら退避。招待客たちは、大騒動の中、会場から出て行きました。
会場は、電気が消え、真っ暗になっちゃって。
その隙に乗じて、ドンチャンはスヒョンを助け出したのです。
スヒョンの靴にジヌが蛍光塗料を塗っていたんです。それが、暗闇で光っていたので、ドンチャンには見分けがついたってわけ。
こんな騒動を起こしたのは、指輪を手に入れたにもかかわらずセッビョルを誘拐した・・・とスヒョンが思ったからです。指輪は、まだジフンの手元にある筈だよね？スヒョンは知らないんです。
自分が指名手配されてないか不安がるスヒョン。
大統領相手にあんな大騒動を起こしたら、手配されるのは当たり前のことで。分かってスヒョンは行動を起こしたと思ったけど、そうじゃなかったのね？感情を抑えられなかったってわけですね。
ドンチャンは、事件を公にする事は無いだろうと言いました。死刑執行を発表した今、事を公にすると、セッビョルの誘拐犯を刺激したからだと世論に叩かれるのは目に見えてるからね。
大統領の秘書室長イ・ミョンハンは従業員や遺族にかん口令を敷いたけど、死刑反対派の遺族の誰かが、騒動の動画をネットにアップしちゃった・・・。
ＴＶニュースでも取り上げられました。
誘拐犯を刺激したことでセッビョルの命が危なくなったことへの抗議、あるいは、大統領が支持率回復を狙って死刑反対の立場をとるジフンの娘を誘拐した・・・。この二つの理由が考えられる・・・と。
そして、スヒョンが指名手配された・・・とも。
ジフンも、これを見ました。すぐさま、メールを削除してますけど？
ドンチャンの元にスヒョンの実母が危篤だと言う知らせが入りました。
スヒョンには何も言わずに病院に連れて行きました。
セッビョルが居るのかと問うスヒョンに、母親が危篤だと伝えたドンチャン。
母親に対して拒否反応を示して来たスヒョンは、ここに至っても会うのを拒絶しようとするんですが、入院したのは、セッビョルを守ろうとしたためだとドンチャンが説明したことで、ようやく会う気になりました。
ところが、実母の旦那がスヒョンを見つけて、通報しちゃったよ。報奨金目当てです
スヒョンは、病室で、セッビョルの手紙を読みました。
実母は字が書けないんです。だから、セッビョルが代筆するから・・・と言って、実母の本音を聞き出したのです。
それを書いてるのかと思ったら、全く別の内容でした。
スヒョンは、自分を人に預けたまま迎えに来なかった実母をずっと恨んで来ました。でも、それには理由があったんです。旦那が暴力をふるっていたんです。その被害がスヒョンに及ばないよう、迎えには行かなかった・・・というのが本当のところだったんですね。
スヒョンは、初めて母親の愛情を知りました。
それにしてもセッビョル、機転が効くよね。
ウジンは、何者かに電話していました。
セッビョルを解放しなければ全てばらす・・・と。今まで従ってきたけど、もう限界だ・・・とね。
そんな時、スヒョンが病院で目撃されたとの情報が入ったのです。
スヒョンとドンチャンは、警察に捕まっちゃってましたよ、既に。
ところが警察内部のスパイはウジンだけじゃなかったんですね。ホグクが連れて行こうとしたのを、別の刑事が無理やり奪おうとしました。
でも、ウジンがさっと車に乗り込み、二人を連れて逃走。
ウジンはドンチャンが自分を疑っているのを知っていました。
それもあって、もう我慢できなかったのでしょう。
二人を解放しました。
「今まで済まなかった。」
そう言ってウジンは去って行きました。
死ぬかもしれないと、殺されるかもしれないと覚悟しての言葉だったように思います。
現に、直後に、ウジンはぼこぼこに殴られ、車ごと橋から転落させられた状態で発見されました。瀕死の状態です。
ウジンは、ドンチャンにヨンギュが誤射された事件の弾道鑑定書を残していました。
ドンチャン、初めてヨンギュを撃ったのがウジンだったと知ったのです。怒りに任せてウジンに連絡を取ろうとしたドンチャン。ところが、電話に出たのは救急隊員・・・。
ドンチャンは、呆然としました。ウジンもまた犠牲になった・・・と知りました。
ビョンスが入れ墨男・・・ギョンスについて調べあげました。
昔、大統領とチュ会長は新進気鋭の政治家と支援者という立場でした。その時二人は共同で財団を設立したものの、意見の対立から分裂し、チュ会長は天使財団を設立するに至ったというわけです。
ギョンスは、元々チュ会長側の人間でしたが、１年前の大統領選あたりから大統領の警護をしていました。死刑反対派のチュ会長と意見が対立したためだと言われています。
そして、チュ会長の息子が帰国した時は、いつもギョンスが運転手を務めていたようです。
つまり、あの写真を撮ったのは、ギョンス・・・ですか。
ドンチャンは、スヒョンをムジンにあるドンホの隠れ家に連れて行きました。自分が作ってあげた場所です。
疲れて寝込んでるスヒョンの顔に朝日が当たるのを見て、ドンチャンはそっと自分の体で遮ってあげました。こういう些細な表現が良いよね、韓国ドラマ。「ピノキオ」にもありましたけど
スヒョンは携帯のニュースでイ秘書室長の会見を見ていました。そこにニュースが飛び込んで来たのです。
セッビョルの靴が、血のついた靴が発見されたという、あのニュースです。
「発見した翌日、あの子が死んだ・・・。」
スヒョンは慌てて隠れ家から出て行こうとしました。でも、気が動転しちゃって、ハシゴから落ちちゃうんです。その時、偶然見つけたのが、ホウセンカの葉。
韓国ではホウセンカの花で爪を染める習慣が昔あったそうで。今でもあるのかな？何かのドラマで見ました。
スヒョンは、セッビョルの遺体の爪が赤く染まっていた事を思い出しました。
その瞬間、ドンチャン母のことが思い浮かんだのです。
その頃、ドンチャンも買い物に出た薬局で、ドンチャン母が子供の風邪薬を買いに来たと聞かされていました。
隠れ家に戻ると、セッビョルが描いた絵がありました。そして、母が子供の為に買ったという薬も・・・。
ドンチャンも、母がセッビョルを誘拐したと察しました。
ジフンが記者会見を開いていました。
スヒョンの行動が自分には理解出来る・・・と言いました。死刑執行を政府が決めたため、娘が殺されると思ったのでしょう・・・と。
「今日、娘の血がついた靴が発見されました。ショックです。もし、娘が殺されたら、それは政府の愚かな判断の所為です。大統領と政府に責任をとってもらいます。」
これを、ドンチャン母が見ていました。
大統領たちも、この会見を見ていました。
打開するには、スヒョンの指名手配を解く事しか無い・・・と判断。指名手配は解かれました。
ドンチャン母が、セッビョルを誘拐した・・・。
でも、二人がドンチャン母の元に駆け付けた時には、既にセッビョルはいなくて・・・。
「自分の子が死ぬのに、黙ってる親がいるかい？何でもするさ。」
ドンチャン母は経緯を話しました。
入れ墨男から追われていたセッビョルを見つけたのは、ドンチャン母でした。
これ幸いとセッビョルを誘拐・・・まぁ、誘拐と言えるかもしれないけど、セッビョル自身は誘拐されたとは思って無かったと思いますよ。
ジフンに、ドンホを助けてくれと交渉したのです。
ジフンは、言葉巧みに時間を稼ごうとしました。
だから、ドンチャン母は、ジフンからの連絡があるまで、セッビョルを隠れ家にかくまったのです。
ところが、ナッツアレルギーがあるセッビョルに、ドングリを食べさせちゃって。
アレルギー反応を起こしてしまったのです。で、薬局に行ったというわけ。
それでも心配なので、ジフンに連絡し、ジフンはそのまま有無を言わさず連れて行ったというのが真相でした。
この時、セッビョルは鼻血を出してしまい、その血が靴に付いたと言うわけです。
スヒョンは、ジフンに詰め寄りました。セッビョルはどこ？・・・。
知り合いの別荘に警護のアジョッシたちをつけて、匿っていたのです。ヨンギュも一緒に。
で、すぐにスヒョンと共に現地に向かったのですが。
この二人の会話を、盗聴されてましたよ、例の、警察の中のスパイに。
連絡を受けたギョンスがすぐさま別荘に向かい、あっという間に、セッビョルを拉致していきましたよ。
おいおい・・・警護の者たちは
何か役に立った
スヒョンとジフンが着いた時には、もうセッビョルの姿はありませんでした。
ジフンは、ここに至る経緯を話しました。
新人検事の頃、ムジン事件を担当し、すぐにドンホ犯人説に違和感を覚えたんだそうです。調べなおすと、不審な点がたくさん見つかったようで。
全面的な再捜査が必要だと上司に進言。
でも、明白な証言と自白があったため、事件はすぐに終結。
ところがその後、例の指輪が見つかったというわけですよ。ドンホ無実の証拠ですね。
それで脅した相手が、なんと大統領秘書室長イ・ミョンハン。当時は次長検事でした。
今現在、次期法務大臣の有力候補だとか。でも、この一件が表沙汰になれば、捜査ミスということになり、大きな汚点となります。
スヒョンにとっては、そんな政治的な事など、どーでも良かったんです。セッビョルを利用してまで相手を脅す夫のやり方が理解できませんでした。
その時、ジフンに電話が。セッビョルを預かってる、例のモノを渡せ・・・・と言うモノでした。
「指輪さえ渡せば、セッビョルは帰って来る。」
と、ジフン。
この時、スヒョンは指輪がジフンの手元にある事を初めて知りました。
そして、指輪を渡さなかったからセッビョルが誘拐されたということも。
指輪を持って来いとヤクザに連絡したジフン。
ところが、この時、既に指輪はドンチャンの手に渡っていたのです。
ドンチャンは、高揚していました。これでドンホの無実は証明でき、死ぬことはない・・・と。
スヒョンの連絡したドンチャン。
待ってる間に、セッビョルのヘアピンを川に捨てました。気になってたモノだけど、もう必要ない・・・と。
この時、やけに大きな水しぶきが上がってたんですが・・・。小さいよ、ヘアピンって・・・と思ったのは私だけ？
スヒョンは、セッビョルを助けるために指輪を渡して・・・と言いました。
ドンチャン、そんな事出来ません。
セッビョルを助けるのか、ドンホを助けるのか・・・。選択しなきゃいけないの
