あくびが、しかも気だるい感じの生あくびが、ひっきりなしに出てくるのだった。「あくび病」というのがあるのでは? と、いぶかしく思うほど。
私は平素、あくびの少ない方だと思っている。時折、寝るべき時間が近づいた時、就眠の予兆のように、あくびが出ることはある。
が、昨日は爽やかなはずの朝から、あくびの連発。体も気だるい。それでも、昨日は病院へゆく日。起き出して、朝の日課である「ラジオ中国語講座」を聞いたり、ラジオ体操をしたり、一応はやるべきことをこなしたのだが、その間、幾度あくびを繰り返したか知れない。久しぶりに血圧を測ってみると、180と75。上がかなり高かった。
それでも日中、病院で検査を受けたり、友人に会ったりしている間は、あくびが影を潜めていた。
再び、出始めたのは夕食後。自らのあくびが不気味なほど。
疲れがたまっているとしか思えない。今晩は早々に休むことにしよう、と決断。入浴する元気もなく、九時過ぎには床に就いた。
それでも睡魔に襲われるまでは本を読んだ。一年前に買ったままの未読本『進化しすぎた脳』。無意識に、その本へ手が伸びたのは、あくびは脳と、何らかのかかわりを持っているに違いない、との思いからだったかもしれない。
あくび連発の原因として思い当たることといえば、前日の夕方、戸外や部屋が暗くなるのにも気づかず、パソコンの「マイピクチャ」 画面を開いて、たまりすぎたフォルダの整理をしたことだ。
最近は処理の仕方を心得て、二重手間にならぬよう、多少はうまく整理できるようになったのだが、二年前、パソコンを始めたばかりのころから一年余の間は、、何も分からず、簡単な名前を付けては、写真を一回撮るごとに一つのフォルダに収めてきた。その上、下手な「ペイント」画も、たまっている。
その処理に時間をかけてしまったのだ。
自分がやりたいことをしている時には、時計が止まってしまう。気づくと二時間あまり、今まで撮った写真をいちいち開いて確認し、整理に余念がなかったのだ。その集中力は見事だが、そのことが昨日の不調につながったのだとすれば、これは考えなくてはならないこと!
今日は早速、インターネットで、「あくび」関連の記事を調べた。これまた読みきれないほどの分量だ。
その前に広辞苑をひき、あくびは<血液中の酸素の欠乏等によって起こる>ことは、調べていた。
あくびをすることで、鈍くなった脳の働きが活性化し、新しい酸素を沢山吸い込むことで、脳ばかりでなく、体全体の蘇生を図ってくれているのだという。
この程度の生理学は、誰でも知っていることなのだろう。が、今まで、昨日のような病的なあくびに悩まされた経験のなかった私は、あくびという生理現象に全く無関心だったらしい。
まだ昨日の不調やあくびの原因が、パソコンの画面を見続けすぎ、異常な熱中の仕方で、時の経つのを忘れたことによるものかどうかは分からない。
とにかく今日は、まるで昨日とは異なる快適さだ。