河口の部屋に帰ってきた。
来週は、月曜日・火曜日と
用事があるので、
お花見は、土日だけ。
部屋の窓から桜の並木が見える。
双眼鏡でのぞいてみると、
かなり広い空き地で、
グランドゴルフをしている人の姿が見える。
散歩の折、何のための空き地だろう？
と、不審に思っていた。
春とともに、
人の動きも多くなってくるのだ。
２時過ぎ、散歩に出かけた。
雨の心配はなさそうなので。
この径を歩くのは、
ちょっと不気味だなと避けていた場所に、
桜が華やいでいた。
道の行き止りまで、桜並木になっている。
が、整然とした並木ではなく、
木々は不揃いで、思い思いに咲いている感じだ。
桜の名所には、ならないだろう。
径も舗装されていない。
轍の跡があり、中高の場所や周囲には、
緑の草が芽吹き始めている。
昔の田舎径である。
私の子どもの頃には、
これが当たり前の道であった。
懐かしさを感じる道である。
鶯も鳴いていて、長閑な田舎！
防風林の松林はあるが、
かなり強い海風が吹き込むことだろう。
桜は、思いの外、
強靭なのだろうか？
途中、路地に咲く花や
庭木なども眺め、春の趣を楽しむ。
海辺も歩いた。
波穏やかな海。
風もない。
ただ春霞がかっていて、
高島や灯台の岬も
朧な影の存在となっている。
Ｔ川のほとりまで戻ると、
一艘の船が、
河口から出てゆくところであった。
小型船は小型なりの澪（みお）を引きながら。
今頃は、何が獲れるのだろう？
