午前中、業者に手伝いを頼んで、本の一部を処分した。
自力に任せておいたら、いつまで経っても埒が明かないと、私自身に見切りをつけたのであった。
窓拭きを依頼している業者に相談してみたところ、即座に引き受けてもらえた。
一度では片づかないだろうと初めから予想し、とりあえず、今日は、8時から11時過ぎまで、仕事をしてもらった。
衣類同様、本も処分するとなると、躊躇してしまう。
眼をつぶって廃棄することに決めていたのは、大きな本箱の上に積み上げた文学雑誌の類と、洋間の戸棚の中に、処分をためらって残していた父の書籍類である。
父が逝去した後、私に関心のない科学関係の書籍は、幾日もかけて、すべて資源ゴミの日に運び出した。
15年前だからできた作業である。私も、まだ活動的であった。
その時、文学や仏教関係の書籍は廃棄しなかった。いつか父を偲びながら、読む日もあるだろうと思い、残しておいたのである。
書籍というのは、管理をうまくしないと古びやすい。
その戸棚を開けると、古書のにおいもし始めていた。
戸棚には、父の書籍のほかに、私の求めた最近の雑誌類が山となっていた。そこで、父の形見として、宗教関係の書籍数冊を残し、その他一切を処分することにしたのだった。
業者は手際よく本を束ね、玄関は、たちまち本の山となった。(写真)
今の住居に父母と同居することになったとき、私の生活の場として、二間を与えてもらった。
一間は居間兼寝室、もう一間は書斎として。
1985年の2月、厳冬の転居だった。
いつの間にか増えてしまった書籍を、<本だけが財産>と言いつつ、八畳一間を本箱で埋めていたのだが、最近、少々鬱陶しくなってきた。
書斎に空間を作り、環境を変えたくなってきたのだ。
そのためには、思い切って、本を処分するしかない。
転居の際、それまでにたまっていた雑誌類は大方処分し、その後も、不要と思う書籍は、その都度廃棄してきた。それでも、本は増える一方である。しかも、整理が悪いので、本探しに無駄な時間を費やすことも多くなった。
何とかしなくてはと思いながら、何もできないまま、今に至った。
今日は、本箱の上に、可能なかぎり積み上げていた文学雑誌を処分しただけなので、書斎は、一向に代り映えしていない。さっぱりしたのは、人の目には触れにくい、洋間の戸棚の中だけである。
さて、書斎というより書庫に近い部屋を、どのように模様替えしたものかと、いまだ思案中である。配置替えによって、心地よい書斎にすることを夢見ているのだが……。
「この本箱二つを、こちらに移動したら、どうかしら?」
と、他人ごとのように、思いつきを言ってみる。
「本箱を移動するには、本を一旦出さなくては、動かせないですね」
と、業者は思案顔であった。
そのとおりである。
本は重い。
とにかく窓拭きの日に、派遣のひとりには、書斎の片づけを手伝ってもらうことになった。それまでに、思い切りよく、処分すべき本を選んでおかねばならない。
自力に任せておいたら、いつまで経っても埒が明かないと、私自身に見切りをつけたのであった。
窓拭きを依頼している業者に相談してみたところ、即座に引き受けてもらえた。
一度では片づかないだろうと初めから予想し、とりあえず、今日は、8時から11時過ぎまで、仕事をしてもらった。
衣類同様、本も処分するとなると、躊躇してしまう。
眼をつぶって廃棄することに決めていたのは、大きな本箱の上に積み上げた文学雑誌の類と、洋間の戸棚の中に、処分をためらって残していた父の書籍類である。
父が逝去した後、私に関心のない科学関係の書籍は、幾日もかけて、すべて資源ゴミの日に運び出した。
15年前だからできた作業である。私も、まだ活動的であった。
その時、文学や仏教関係の書籍は廃棄しなかった。いつか父を偲びながら、読む日もあるだろうと思い、残しておいたのである。
書籍というのは、管理をうまくしないと古びやすい。
その戸棚を開けると、古書のにおいもし始めていた。
戸棚には、父の書籍のほかに、私の求めた最近の雑誌類が山となっていた。そこで、父の形見として、宗教関係の書籍数冊を残し、その他一切を処分することにしたのだった。
業者は手際よく本を束ね、玄関は、たちまち本の山となった。(写真)
今の住居に父母と同居することになったとき、私の生活の場として、二間を与えてもらった。
一間は居間兼寝室、もう一間は書斎として。
1985年の2月、厳冬の転居だった。
いつの間にか増えてしまった書籍を、<本だけが財産>と言いつつ、八畳一間を本箱で埋めていたのだが、最近、少々鬱陶しくなってきた。
書斎に空間を作り、環境を変えたくなってきたのだ。
そのためには、思い切って、本を処分するしかない。
転居の際、それまでにたまっていた雑誌類は大方処分し、その後も、不要と思う書籍は、その都度廃棄してきた。それでも、本は増える一方である。しかも、整理が悪いので、本探しに無駄な時間を費やすことも多くなった。
何とかしなくてはと思いながら、何もできないまま、今に至った。
今日は、本箱の上に、可能なかぎり積み上げていた文学雑誌を処分しただけなので、書斎は、一向に代り映えしていない。さっぱりしたのは、人の目には触れにくい、洋間の戸棚の中だけである。
さて、書斎というより書庫に近い部屋を、どのように模様替えしたものかと、いまだ思案中である。配置替えによって、心地よい書斎にすることを夢見ているのだが……。
「この本箱二つを、こちらに移動したら、どうかしら?」
と、他人ごとのように、思いつきを言ってみる。
「本箱を移動するには、本を一旦出さなくては、動かせないですね」
と、業者は思案顔であった。
そのとおりである。
本は重い。
とにかく窓拭きの日に、派遣のひとりには、書斎の片づけを手伝ってもらうことになった。それまでに、思い切りよく、処分すべき本を選んでおかねばならない。
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