ぶらぶら人生

心の呟き

『木に会う』から『一握の砂』へ

2020-03-15 | 身辺雑記
 書棚から、『木に会う』(高田宏著)を取り出して読んだ。
 ひと時、高田宏さんの文章が気に入っていて、求めた本である。
 私と同世代のはず、ご健在なのだろうかと、インターネットで調べてみたところ、2015年に他界されたことを知った。
 
  

 エッセイは、どこからでも読める自由さがいい。
 「木のない世界から」の最後に、石川啄木の短歌二首が引用されていた。

   森の奥
   遠きひびきす
   木のうろに臼ひく侏儒の国にかも来し

   世のはじめ
   まづ森ありて
   半神の人そが中に火や守りけむ

 『一握の砂』の歌とある。
 女学生のころ、その歌集を諳んじた記憶があるのに、初めて読む歌のような気がした。
 多分心が幼くて、記憶に留め得なかったのだろう。

 そうと分かっていても、『一握の砂』を確かめたくなり、歌集を開いた。
 <秋風のこころよさに>の章に、上掲の歌は確かにあった。

 『木に会う』から『一握の砂』へと、活字に親しむ日となった。
コメント
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