小雨の中、朝の戸外をのぞく。
国道9号線を歩く子どもの姿が、はるかに見えた。
傘をかざした子、閉じてしまった子どももいる。
長い夏休みが終わって、今日、二学期が始まったのだ。
一昨日、回覧板を届けてくれた、一年生のエミリちゃんも、あの群れのひとりなのだろう。
「大きくなったね」
と、私が頭を撫でると、
「七つ!」
と、返事。
開いた左の掌に、右の指二本を添えて。
私は、背丈のことを言ったつもりだったが、エミリちゃんの答えは、年齢のことだった。
「背も、高くなったね」
重ねて、背丈の伸びたことを話題にすると、
<うん>と肯いた後、
「あのね」
と言って、エミリちゃんは、いきなり体を小さく丸めて、土間にしゃがみこんだ。
「高校生になったらね、こんなに大きくなるの」
と言いつつ、ぴょんと飛び上がって、大きさを表現して見せた。
(いまだ、跳躍することで、成長を表現した子を知らない。実に、ほほえましい。)
「おばちゃんよりも、ずっと大きくなるのね」
(私は、近所の子どもたちと話す時、<おばあちゃん>とは決して言わない。<おばちゃん>で通している。)
エミリちゃんは、私を見上げながら、未来の成長した自分の姿を想像している表情だった。
可愛くて、あどけない小学生だ。
回覧板を届けに来ては、楽しい話相手をしてくれるエミリちゃんだ。
残念ながら、エミリちゃんの姿は、登校の列に見えなかった。
小さい子どもは、先頭の方を歩いているのだろう。
今日は、午前中に、二人の来客があった。
ひとりはJA渉外課のHさん。
話の大方は、事務的なことだったのだが、そよ風に吹かれているような、さわやかな時間であった。
もうひとりは、ソコロシステムズのTさん。
今日は、ひと月一度の訪問日である。
PCの点検だけでなく、たくさんのことを教えていただいた。
スマホのタッチ操作も、軽く指を触れればいいように、セットしなおしてくださった。
いとも簡単に。
おかげで、メールを打つのが楽になった。
若い人たちとの会話では、当然の如く、体調不良のことなど、話題にもならない。
そういう時間は、心も健やか!
一方、今日は、哀しいことにも遭遇した。
今朝の新聞で、知己の訃報に接したのだ。
83歳の逝去。私より一つだけ年上である。
1955年以来、60年の長い付き合いなので、寂しさは格別である。
今年の賀状を取り出してみた。
例年の賀状と違って、添え書きの一筆がないし、宛名の文字が本人のものではないことに気づいた。
昨年から、体調はよくなかったのかもしれない。
お互い、無事の証として、長年、賀状を取り交わしていたのだが…。