ぶらぶら人生

心の呟き

臆病なツバメたち

2015-08-02 | 身辺雑記
     巣の中に、子ツバメがいるらしいと分かったのは、昨日である。
     それを明かすように、巣の下には、糞が落ちている。

        
               黒い頭が一つ見える

     昨日以来、幾度も巣を観察するため、カメラを手にして、家横の庭に出てみるのだが、
     好機をとらえることができない。

     一度、親ツバメが巣に帰ってきたが、私の存在に気づいたのか、ひと時巣の中に全身
     を隠してしまった。
     そして、素早く飛び立った。
     子ツバメの声も聞こえない。
     口を大きく開けて、餌をねだる姿も見かけない。

     「変な、怖い人がいるから、おとなしく、おとなしく、してるんだよ」
     親ツバメは、全身で教えているのだろう。
     厳しいしつけに、子ツバメは身動きもできなくなっているのかもしれない。
     私が折角、共棲を認めてやっているのに!

     とにかく、親ツバメの教育は、徹底しているらしい。
     親子とも、警戒心が半端ではない。

     私はただ、親子の情愛の深さを、この目で確かめたいだけなのに。
     

     巣の近くまでは飛来するツバメたちが、私の姿を感知するや、身をひるがえして飛び
     上がってしまう。
     親ツバメの二羽が、せっせと餌を運ぶものと信じていたが、数羽が交錯しながら飛ん
     でいる。
     援助者がいるのだろうか。

     塑像のように不動の姿勢で佇んでいても、ツバメたちは巣に近づかない。
     結局、根負けするのは私である。

     諦めて、高空を見上げると、電線の周辺で、数十羽が落ち着きなく飛び交っている。
     その中に、巣の子ツバメの親もいるのだろうか。
     見分けなど、私にはできない。

            
コメント
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