夕方の地方ニュースを見ているとき、懐かしい花が画面に映し出された。
ユウスゲの花である。
海辺のユウスゲ。それは鳥取県岩美町の磯辺に咲いた花であった。
画面の花を眺めながら、ユウスゲを見に行ったのはいつだったろう? と想い出を辿った。一昨年の、この季節だったに違いない。
名前の響きが物悲しげで、夕暮れる頃に咲き始めるという花が見たくて、友人の車で連れて行ってもらったのだった。
肌にまとう大気が生暖かな夕べであったことを思い出す。
私の見たユウスゲは、山口県の船平山に咲いていた。
今年も船平山の丘に、ユウスゲは咲いているだろう。
今晩は月が美しい。
月下に咲くユウスゲの風情を想像してみる……。
添付の写真は、裏庭に、今夕咲いていたヘメロカリスである。三年前に妹からもらって植えたもの。季節がくると、狂いなく咲いてくれるのがありがたい。
花の形や色はユウスゲに似ているが、趣は全く異なる。
ユウスゲは、夕べに咲くいて朝には閉じる、はかない花である。
今夕のニュースで、中国地方(山口を除く)の梅雨が明けたと報じられた。昨年より7日早く、平年より4日早い梅雨明けなのだそうだ。
九州と山口に遅れること10日。
しかし、石見地方には、山口の梅雨明けが報じられた頃から雨らしい雨が降っていない。もっと早く梅雨明け宣言がなされてもよかった?
梅雨の期間、家に蟄居し、降り続く雨を眺めて過ごすような日は、ほとんどなかった。今年は、雨の少ない梅雨だった。
梅雨明けのニュースを聞いた後、黄昏の庭に出た。
裏庭にキキョウが次々花を咲かせている。(写真)
キキョウの蕾は、格別に愛らしい。
それに比し、咲き終わった花は、灰色に萎れて見苦しい。
その形骸を切り取っていると、カナカナの声が聞こえてきた。
この夏、初めて聞く蜩の声であった。
耳にも夏!
ただ今、この文を書きながら、カーテンを開けて外を眺めた。
14夜のお月様が東南の空にある。満月といってもいいような円(まど)かな形で。
遮る雲の流れもなく……。
少しだけ心清らかになって、窓辺の月を眺め、ひと時を過ごす。
九州と山口に遅れること10日。
しかし、石見地方には、山口の梅雨明けが報じられた頃から雨らしい雨が降っていない。もっと早く梅雨明け宣言がなされてもよかった?
梅雨の期間、家に蟄居し、降り続く雨を眺めて過ごすような日は、ほとんどなかった。今年は、雨の少ない梅雨だった。
梅雨明けのニュースを聞いた後、黄昏の庭に出た。
裏庭にキキョウが次々花を咲かせている。(写真)
キキョウの蕾は、格別に愛らしい。
それに比し、咲き終わった花は、灰色に萎れて見苦しい。
その形骸を切り取っていると、カナカナの声が聞こえてきた。
この夏、初めて聞く蜩の声であった。
耳にも夏!
ただ今、この文を書きながら、カーテンを開けて外を眺めた。
14夜のお月様が東南の空にある。満月といってもいいような円(まど)かな形で。
遮る雲の流れもなく……。
少しだけ心清らかになって、窓辺の月を眺め、ひと時を過ごす。