インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

お祭りムード一杯のバザール

2012-10-31 20:56:45 | 私・家族・我が安宿
本日は10月ラストデー。
お祭りのにぎわいも一段落したので、TVと携帯を下見にバザールに出かけた。
ケータイはサムスンのタッチタイプを新規購入して一年に満たないが、メカ音痴の夫が、私が春と夏に一時帰国中にはまってしまい、いまや彼のものと化しているので、もう一台ないと、不便になったからだ。
スマホブームの昨今、今回もタッチ型にするつもりだが、安くなっているのにびっくり。日本円にして4500円ほどで買える機種もある。

ケータイを見た後は、グランドバザールの大通りに出て、家電屋へ。サムスン、ソニー、アカイ、ヴィデオコン、LGなどのブランドLEDをチェック、アカイとヴィデオコンの24インチ型が一番安く、21000円ほどで買える。
お祭りシーズンなのでディスカウント合戦でお安くなっており、アイロンなどのプレゼントもつく。

いまだに我が家は旧式のフラットTV二台で何の不自由も感じていないが、あと一月ほどで弟が現地入りして結婚式を挙げるので、応接間くらいにはいいテレビを置いておかないと、恥ずかしい。私はわりと物に無頓着で、物欲がないというか、現28インチのフラットテレビで満足しているのだが(テレビをあまり見ないせいもある)、まあ、この際と思い立ったわけだ。

ブランド名とモデルナンバー、値段をチェックし、帰途駅のキオスクに寄って娯楽雑誌を二冊買って、家に戻ったが、道の中途や、バザールのそこかしこに、富貴神ラクシュミーの華麗な偶像が祀られ、目を楽しませてくれた。
ショッピングついででゆっくりお参りしている暇がなく、擦過するだけだったが、華やかなお祭り気分を味わえた。

戻って、息子にTVとケータイのモデルナンバーーを送った。米企業デラックス社に勤めだしてまだ一週間ちょっとだが、水を得た魚のように勤務を楽しんでいるらしい。忙しいところ、申し訳ないが、息子にチェックしてもらって決めるのがベスト。デジカメも前のケータイも、そうして選んだ。

いよいよ、弟の現地結婚式もひと月後に迫り、来月は準備であわただしくなりそう。
物事が思うように運ばない中進国のため、いささか不安だが、姉としては喜んでもらえるよう精一杯奮闘したいと思う。



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ベンガル湾季節便り/薔薇色に燃える渚

2012-10-30 19:35:43 | 季節・自然
本日も、夕日に間に合うように浜に出た。
海辺にたどり着くころには、臙脂色の絵の具でぼかしたような落日はくっきり輪郭を描いた大円に変わっていたが、まもなくすぐ下の厚い雲のうちに外縁を浸し始めた。
秋の日は沈み始めると、本当に早い。あっというまに雲のベールの下に顔を隠してしまったが、裂け目から一部赤みがかった夕色を覗かせた。

波打ち際が、朱(あけ)の斜陽を反映して、オレンジづいた濃桃にきらめく。
押し寄せる波は落陽を照り返し、可憐にピンクのフリルの裾を閃かせる。
日が没した後が、今日は一段と鮮やかだった。
東側と真後ろの刷毛ではいたような大きな綿雲が真ピンクに染まり、日が沈んだあたりの西の下空に三筋走る長い雲が鮮やかなローズ色に発光し始めた。
波が引いた後の濡れ砂がつややかな薔薇色の光沢を帯びる。

さざなみが鮮烈な夕焼けに燃え滾っている。
太陽が赤く熟成して自然にもぎ落ちる直前に、雲に妨げられてしまった報復だろうか。
充分に発光し切れなかった悔いを放つように、周囲の雲に鮮やかな色を背後から撒き散らしているかのようだ。
水平線の上空があえかなくれないに染まり、やさしい藤色へと沈んでいった。

東半分にはすでに夕闇が降りていたが、西の空はまだ鮮やかな名残に彩られていた。

苛烈な夕焼けに見とれた後、家路をたどったが、淡い茄子紺の空に、赤いはずの十六夜月はまだ見えなかった。
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ベンガル湾季節便り/ピンク色の満月

2012-10-29 19:20:35 | 季節・自然
今日は5時15分前と、入り日に間に合うよう早めに家を出た。
本日は真夏日和で、太陽はまだ高いところにあり、白々輝いていた。
ちょっと早すぎたかしらと思いつつ、砂浜に出ると、東側の後方に天幕が張ってあり、今日は富貴女神ラクシュミー(日本では吉祥天)のお祭りだと気付いた。
参拝しているうちに日も傾くだろうと、向かう。

サンダルを脱いで、祭壇に近づくと、鼻をもたげ両前足を持ち上げた二匹の白い小象を両脇に従えて、金の冠、黄金の胸当て、紫の上衣、濃桃色にグリーンのペイズリー模様のあるお召し物をまとったきらびやかな晴れ衣装の女神様が四手の二つに蓮の花を持って、優雅にたたずんでおられた。足元には、プジャ、祈祷儀式の名残の、ディーポ、素焼きの聖火小皿が供えられていた。
象の鼻には、ジャスミンやマリーゴールドの花輪が架けられ、女神様に捧げるように笑んで差し出している。

お参りの後、天幕を出ると、太陽はちょうどいい具合に色づいていた。
波打ち際を歩くうちに、マーマレドのように蕩けて流れ出した落日はみかん色のくっきりした大円になり、ふた筋の雲に裁断されて、切れ切れの臙脂の箔になった。まもなく顔をのぞかせ、赤みを帯びたオレンジから朱鷺色に色づき、雲のベールと鬼ごっこ、見え隠れしながら、するするともやに呑まれていき、半月型から三日月型に、とうとう没した。
日没後の名残が逆三角形に広がり、茜のグラデーションの雲をたなびかせ、美しい。
汀は残照を反映して、つややかな珊瑚色にきらめいた。

日が没した西側とちょうど真反対の東の低空に淡い満月が出だしたが、水平線の上空がほのかな紅いに刷かれるにしたがって、あえかな桜色に染まる。
ピンクのフルムーンの夕月の美しさに見とれる。
夕空を映し出した海は薔薇色に燃えていた。
宵闇が降りるにつれ、ピンクの月は黄味を帯びて、次第にこんじきへと変わったが、薄紺の空に浮かぶまん丸の金月の美麗さは見とれるばかりだ。
入り日を追って西の方角に伸ばした足を、フルムーンに向かって、東へと翻す。
汀にぽかりと浮いた大きなこんじきの満月は、ゆらゆら金色の帯を流し、まるで夕日の反映みたいにきらめく。
それだけ、月の光が煌々としているということだ。
事実、私は月が波打ち際に光を反映し、長々とだんだら帯を流すのを初めて見た。
最高のフルムーン、である。

ラクシュミー、財福の女神様にふさわしい豊穣さだ。
入り日と変わらぬ光輝を発し続ける、明るいこんじきのフルムーン。
日が落ちるにつれ、淡緑の大海は青みを帯びて、大波を押し寄せた。
満潮の迫力に足元をすくわれて、トレーナーのズボンのひざまで濡れそぼつ。
至上美に輝くフルムーンを満喫した後、名残惜しげに戻ったが、表道を帰るころには、白光に変わり、白いまん丸のお月さんでまた私を楽しませてくれた。
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ベンガル湾季節便り/浸水式のあと

2012-10-26 18:13:51 | 季節・自然
今日は昨日よりさらに早い午後4時40分前に、浜に出た。
100枚弱の短編小説がほぼ形になったため、時間的に余裕があったのだ。
海辺に出ると、日はまだ高めのところにあったが、すでに色づいていた。
半月より太い月で満潮の今日は、波に浸食された汀が土手のように盛り上がっていた。

ドゥルガー女神のお祭りは終わったが、引き続きラクシュミー富貴女神、サラスワティー知恵と芸術の女神、旧正月祭ディワリーと続くので、人出は多い。

夕暮れ間近の浜にはたくさんの人が群れていた。
たぷたぷの潮に身を浸して歓声をあげる子供たちと、にぎやかだ。
沖には昨夕同様、何十艘と漁船が連なっている。

女神様の浸水式のせいで、海の色はやや濁り、ワラ屑や鮮やかな橙のマリーゴールドの供花、青い椰子の実の残骸と、波が絡ませて足元に押し寄せてくる。くるぶしにワラ屑がまとわりついて、不快だ。
毎度お祭りの後は、神様の偶像が河や海に流されるわけで、深刻な汚染問題ともなっているが、ヒンドゥの宗教儀式だけに、この慣習ばかりは止みそうにない。
東寄りの高い上空に白いおぼろ月がかかっている。

西の水際の上空に浮かんだ落日は、強いこんじきがかったオレンジから、光輝の鎮まったオレンジへ、赤みを帯びた朱色へと変わり、灰色の天幕をくっきりうがっていた。
夕もやに呑まれて、薄いベールがかかり沈んだ臙脂に、そのうちさらに濃いもやに侵食され瀕死の半円になると、するすると幕のうちに没してしまった。

西半分の海は薄陽にきらめき白みがかった淡緑、東半分の海は青みを帯びた青磁、水平線は地球の丸みを帯びた壮大さだ。

薄青い空に徐々に月がくっきりと浮かび上がる。

西半分の海が桜色に燃えていた。

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ベンガル湾季節便り/渚に沈む入り日

2012-10-25 18:36:21 | 季節・自然
本日はやっと、秋の壮麗な夕日が拝めた。
この時季、入り日が美しくなることはわかっていて、つい忙殺されて、日の落ちた浜に出るのが日課になっていた。
とにかく、五時前には早々と沈んでしまう。
ベランダから仰ぐと、大きなオレンジ色の落日が沈みかけていたので、あわてて出たわけだ。

海辺にたどり着くころには、渚の上空に没しかけていたが、赤みを帯びたオレンジの大円を愛でることができた。
薄ら日の下の海の色が透明感のあるエメラルド色で、胸がすく爽やかさだ。
白い波まで翡翠色がかっている。
西寄りの上空に半月より太目の白い月が浮かんでいるのが、風情をそそる。
空を悠々と舞うのは一羽のとんび。
何の鳥か、つばめのようにも見える小鳥が低空を水平飛行していった。

会場の空はあえかな桜色に染まって、淡いブルーの宵闇に白月がいっそう美しく浮かび上がった。
闇の緒の降りた大海は青みを帯びて、インクを流したような色を足元に押し寄せる。

明日も極力、日の落ちる前に浜に出よう。
こんな壮麗な夕日を長いこと見逃していた不手際が悔やまれた。
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ドゥルガー女神のお祭り

2012-10-24 21:25:45 | カルチャー(祭)・アート・本
プジャといわれる大祭が21日からスタートしたが、最初の三日間はドゥルガー女神という悪を退治する勇ましい神様のお祭り、ドゥシェラーで、今日が最終日で、各地で悪魔のラヴァンを焼き討ちにする儀式が催された。

わが安宿ラブ&ライフも、お祭りシーズンの稼ぎ時で、満室だ。

当オディッシャ州では、旧州都のカタックがドゥシェラーでは有名で、タイタニックを象った天幕パンダルが設営された中に、華麗な女神様が祀られたようだ。
虎を踏みつけたスタイルが一般的で、金銀、豪奢な飾りでめくるめく仕様の高価な神様もいる。
各所に設けられたパンダルを訪れる参拝客の姿は絶えない。

五時前に日が沈むようになって、めっきり秋の気配だが、夕刻半月の美しい、浜に出た。六時には薄暗くなっており、月を愛でるにも悪くない。
茄子色の夜の緒が降りた海に、大波が弾けて、薄紺の空に弾ける。
上空に煌々と照る白い半月が墨色の波間に反映し、きらりとやいばのような閃光を発する。

短編小説は本日脱稿したが、明日から推敲だ。
会心の一作。
日の目を見ることを祈るばかりだ。
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釣瓶落としの日

2012-10-21 18:55:15 | 私の作品(掌短編・エッセイ・俳句)
6時前で薄暗くなってしまう秋季、日課の散歩も早めに出たつもりでも、すでに日が落ちていた。
この季節は夕日がきれいなので、五時過ぎには出ようと思いつつ、いったん小説を書き出すと、画面の前からなかなか離れられない私だ。

明日からいよいよプジャ大祭、ベンガル湾沿いの聖地プリーで安宿(ホテル・ラブ&ライフ)を営む身だけに、いよいよ稼ぎ時到来と心待ちにしている。
夕暮れの浜には、いつもより多めの家族連れ観光客がたむろしていた。
西寄りの上空にこんじきの半月が煌々と照って、濡れた砂に映し出され、ゆらゆら白光を閃かせる。
秋の引き潮に素足を浸しながら、黄金色の月を愛でた。
肉眼で認める星は数粒、もやった闇が立ちこめて在処は定かでない。

今ちょうど、在郷の友人が贈呈してくれた「星座手帖」(草下英明、現代教養文庫)を読んでいる最中でもあり、また星への興味が募っているこのごろでもある。

これから冬季に向けて、星が美しい季節に入りそうだ。

今はインドの短い秋、秋といっても、日本の初夏の陽気だが、空気がドライになって、孵化したトンボが多数舞う。砂浜にはこの季節ならではの、白い貝のかけらがびっしり敷き詰められる。
執筆中の短編小説はあと二、三日で脱稿予定だが、日本が舞台の割と読みやすいテーマで、読み物としては面白いのではないかと、一人悦に入っている。
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中国に続けインド人には、ご用心!

2012-10-21 18:40:40 | 著書関連ニュース
三五館のご用心シリーズの中国編(中国人には、ご用心!)がベストセラーになっているようだ。
先日朝日新聞に大きな広告が載ったと聞いた。
ちょうど尖閣問題で揉める折、ベストタイミングで出ただけに、飛ぶように売れているようだ。
そのひと月半ほど前インド編(インド人には、ご用心!)を出した当方としては、波及効果を期待するばかりだ。
現実の経済面でもインドは中国にはるかに及ばないが、出版の世界でも遅れを取り、中国編に水をあけられているが、ご用心シリーズは連動効果があり、中国を買ったから、インド、韓国、台湾もと手を伸ばす読者もいるので、期待したい。

ドラゴン中国に牽引されて、エレファントインドのランクもアップしますように。
日印協会の会報誌「月刊インド」10月号の新刊紹介欄に掲載されたことと、中国効果で、ランクは確かに上がっている。

みなさま、ご支援のほどを!


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「インド人には、ご用心!」、月刊インドに紹介

2012-10-18 21:44:46 | 著書関連ニュース


拙著「インド人には、ご用心!」(モハンティ三智江、三五館、1260円)が、
日印協会(茅場町)の会報誌「月刊インド」10月号の新刊紹介欄で取り上げられた。
以下に、その記事を転載しよう。

★月刊インド10月号(公益財団法人日印協会発行、vol109,No.8)

新刊書紹介(17ページ)
「インド人には、ご用心!」
著者:モハンティ三智江
発行:珊瑚館
定価:1200円+税


インドは東海岸の聖地プリーに住み、現地の方と結婚し、「ホテル・ラブ&ライフ」を経営する作者による本書は、これでもかとばかり、インドの現実を暴露してくれます。
しかし、読み進むと、そこはかとなくインドへの愛も感じられます。25年間インドにどっぷり浸かって、インド人の自分と、日本人の自分を持ち、二つの分析眼を自在に操っているようです。目印は、初音ミクばりの萌の表紙、絵図らと内容のギャップからして、インドを感じます。
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ベンガル湾季節便り/秋の退潮

2012-10-18 19:30:40 | 季節・自然
久々に五時半と日のあるうちに浜に出たが、うす曇の今日は夕日は拝めなかった。
砂浜に白い貝のかけらや桜貝がびっしり象嵌のように敷き詰められ、凪に近いかすんだ海は引き潮で後退、遠浅のようになっていた。
かなり前方の海中に浸かっている人々も水がひざ上辺りまでしかない。

海は透明で、底が透けて見えるほどだ。
冬季前の短い秋の引き海、プジャ大祭間近の浜辺には、夕暮れの散歩を楽しむ人々があふれていた。
水平線の上空がうっすら色づき始め、西の空はあえかな桜色、東の空は淡い臙脂、東寄りの高い空にうっすらと白い三日月が浮かび上がり始めた。

下肢をうしおに浸しながら、暮れていく海の美しさを楽しんだ。
夕闇が濃くなるにつれ、水平線に金星のようないさり火がひとつ、薄紺の夜の緒にまたひとつ、二つとこんじきのいさり火、西の空は濃いオレンジにたそがれ、海が夕焼けに燃え滾っていた。

東側にはすでに薄闇が忍び寄り、波しぶきで煙った大海も薄墨に沈んでいく。

長いことベンガル海の夕景を逃していただけに、感激するほど美しい浜辺のサンセットタイムだった。
三日月は白から煌々たるこんじきに色を変え、エンゲージリングのように暗幕を切り取った。
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