インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

大学入学手続きを済ませた後、アシュラム探訪

2006-06-16 21:34:20 | 私・家族・我が安宿
<6月*日>
先月末にバンガロールに発つ予定で、パッキングを済ませすっかりその気でいたとこ
ろ、間際になってチケットが取れずじまいで拍子抜け、翌日もそっくり同じ顛末を繰
り返した挙げ句、ようやく本日、なんと5日遅れで現地へ発つ手はずが整った。

とにかく希望の大学の入学席が埋まらないうちに一刻も早く現地に飛ぶ必要があった
ため、予約寝台券は実は一枚しか取れてなかったのだが、ぐずぐずしていられなか
った。
早朝5時にタクシーで州都ブバネシュワール駅へと向かい、バンガロールまでの直行
列車に飛び乗り、後刻、ラッキーにも車掌さんに頼んでなんとか残り二枚分の寝台券
も確保できた。
列車は結局4時間遅れで、翌日の午後3時過ぎに郊外の小駅、イエスヴァントプール
に到着。

オートリキシャで中央駅へと向かい、以前泊まったことのある「ホテル・マハヴィー
ル」を目指したが、あいにく満室で、徒歩数分と離れていないわき道に引っ込んだ安
ホテルにチェックインする羽目に。
すぐさま大学に電話を入れたところ、入学手続きは午後5時までとのことで、すでに4
時を大幅に回っていたため、時間切れで翌日回しにする。

夜は、現地在住のITエンジニア、夫の知人の息子さんのアパート宅に招待される。
事前にお目当ての各大学の下見ついでに入学願書を取ってもらったりと、さんざん
お世話になっていたので、インドのスウイートをキロ一包み(160ルピー)を手土
産に携えて、リキシャで郊外へと向かった。

バンガロールと一口にいっても広くて、渋滞が激しく、悪路のため予想以上に遠く
感ぜられたが、新市街に入ると道は整備されスムーズに、それでも現地にたどりつ
くまで30分以上要した。
目印となる待ち合わせの場所にはすでに青年が駆けつけており、路地を一本折れた
ところにあるこじんまりとしたパドミニ・アパートメントへと案内された。

大小5室にキッチン、シャワー&トイレルームの付いた2階の簡素だが比較的こぎ
れいな貸間の家賃は月7000ルピーとかで、4人の仲間と共有しているとのこと。も
ろもろの雑費が月3000ルピー要するので、一人頭計2000ルピーということになり、
アパートもシェアすればホステルより安上がりで、自由もあるし、当面は寮生活の
つもりでいる息子も、後年トライしたそう。

ちなみに、市内の有名IT社のエンジニアである彼は、月40000ルピー(日本円に
して約10万円だが、インドの物価は日本の7~9分の1)という高月収、ゆくゆくは
オーストラリアでMBAコースを学びたいとの夢を抱いている。
長輩に大学の学科のことや将来のキャリアについて経験に根ざした役立つアドバイ
スをされ、神妙に耳を傾ける息子、そうするうちに手作りのマトンカレーとインド
製パンケーキ、ロティが出来上がり、おいしい家庭料理に私たち一家は舌鼓を打っ
た。
                                   

親切なもてなしに礼を言って、11時前にアパートを後にした。

<6月*日>
さあ、今日はいよいよ本番の入学手続き。早起きして近くのおいしい菜食レストラ
ン、「クリシュナサガール」でインド風クレープ、「ドサ」と酸っぱい蒸しパン、
「イドゥリ」の朝食を済ませた後、順番にシャワーを浴びて、まだ席があるかなと
の一抹の不安を抱きながら、郊外にあるダヤナンダ・サガール・インスティチュー
ションへと向かう。

夫の知人に紹介してもらったこのカレッジはマンモス大学との評判どおり、モダン
な設備の整った広大なキャンパスで、こぎれいな事務所で親切に必要書類を受理さ
れる。どうやら間に合ったようだと、ほっと胸をなでおろす私たちだった。

学内の銀行とオフィスを往復して、バッチェラー・オブ・コンピュターコース
(BCA)の前期の授業料と入寮費一年分しめて日本円にして約20万円なりを支払った
あと、構内をゆっくり見て回る。
一部屋4人のホステル(寮)は、家具類はすべてスチール製と簡素極まりなかった
が、とりあえず慣れるまでは我慢してもらうしかなさそう。

キャンパスには、タイからの留学生の姿もちらほら。整備されたロックガーデンで
は、学生たちが思い思いの姿でくつろいでおり、いい雰囲気。講義が授けられる教
室ものぞいたが、こぎれいで設備が整っていた。
息子は無論のこと、この大学なら安心と胸をなでおろし、帰りのチケットを購入す
るため駅に立ち寄る。外人専用のコーチで息子と私の分だけ確保、あさっての汽車
で発つことが決まった。

その夜は、入学祝にかこつけて350ルピーなりの赤ワインを奮発、インド製のため
期待してなかったわりには洋産と変わらぬおいしさで感激。ちなみに、銘柄は、イ
ンデージュ社の「リビエラ」(後日知ったことだが、王室で常飲される歴史をも
つ、品質は折り紙つきのものであった)。
                              

<6月*日>
今日は一日フリー、観光といっても都会で見どころがないので、以前から行ってみた
いと焦がれていた「アート・オブ・リビング」(今インドで人気のスピリチュアル団
体でバンガロールに本部在中)のアシュラムに向かう。20キロ以上離れた遠郊で、
オートリキシャで片道200ルピー。

アシュラムはヒュージという形容がぴったりの、予想以上のすばらしさだった。まず
クリニックに寄って、2年近くわずらっている耳の炎症をチェックしてもらったあと
(ついでに夫の血圧も測ってもらってたったの60ルピーだった)、薬局で処方された
薬を購入、プリーでアート・オブ・リビングのベイシックコースを受講したと女医さ
んにもらすと、アドバンスコースもここで受けるべきだと薦められ、グル、シュリ
シュリ・ラビ・シャンカール師の厚意ですべてのアシュラム訪問者にはフリーランチ
が供されることになっているので、キッチンへ行くように指示された。グルの所在
の有無を問うと、残念ながら、現在出張中とのこと。緑豊かな庭園に囲まれた整備
されたアシュラム内の歩道を伝って、広大な体育館のようなダイニングホールへ。

メニューは豆カレーと、ほうれんそうのカレーとライスのみのシンプルさだったが、
ほうれんそうのカレーがおいしくてついお代わりしてしまったほど。グルの温かさが
伝わってくる心のこもったランチをおなかいっぱい頂いたあと、前方にそびえている
円錐形の壮麗な神殿へ。
ちょうどコースが開かれている最中で、関係者以外立ち入り禁止のプラカードが掲げ
られていたが、誘惑に打ち勝てずこっそり中に侵入、階段を伝って上まで昇ってみ
た。

建物を取り巻くように円形テラスが開け、ぐるりと一巡する私たちの視界に眼下の
360度パノラマ、濃く生い茂った椰子林の合間を縫って散在する建物群、畑、庭園、
湖、いったいどこからどこまでがアシュラムの敷地なのだろうと驚嘆させるような息を
呑む長大な眺望が広がる。遠方にはなだらかな山容が望め、緑一色の下界は風光明
媚極まりなく、ピクニックにでも来たような気分。息子はシャッターチャンスを逃
さじと、携帯電話ですかさずパチリ。

内部はこぎれいな講義室となっており、天井や柱に象られた蓮華模様が見事だっ
た。
最上階の5階には螺旋階段で昇れるようになっており、頂上からの眺めが抜群だった。
息子はすばらしいところだと大感激している。夫は階下で、室内に豊富に積まれてい
た藍染めの座布団を何枚か拝借してきて、涼風が吹きぬける窓際で横になってくつろ
いでいた。
                   

バスで戻った後は、息子のたっての希望で、繁華街のMGロードに今話題のヒンディ
映画「ファナー」(破滅)を観にいく。脇に折れたブリゲードロードのレックスシネ
マのバルコニー席で鑑賞、ヒンディ語の通用する北と違って南のカルナータカ州なの
で(カンナダ映画がローカルご用達として有名、先に伝説的ベテランスターのラジ・
クマールが逝去したときは、死を悼むファンが暴動騒ぎ、都市の機能が一部麻痺し
たほど)、客数は少なかったが、それだけにゆったりとした気分で楽しめた
(映画評を「インド安宿通信71号」に載せたので、ストーリーの詳細を知りたい方は
ご参照ください)。
初のコンビを組んだ主演の二人、ベテラントップ男優、アミール・カーンと、結婚し
て4年間休業したのちカムバックした先トップ女優、カジョルの演技が見もので、泣
かせた。

帰途、街をぶらついて100ルピー均一のバーゲンセールを見つけたので、親子そろ
ってTシャツ漁り、計8枚も購入してほくほく、目一杯満喫してホテルに戻った。


                             

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