<12月7日>
今日は午後一時に、一週間前三十年ぶりに再会したJの開業する整形外科クリ
ニックで診てもらうことになっていた。すでに金沢で診察済みだったが、先般
会った元ボクシングチャンピオンKからMRI検査をした方がいいとせかされていた
のだ。彼は首のヘルニアのせいで引退を余儀なくされたのだった。Jに問い合わ
せてみたところ、その検査は不要だが、なんなら診察してあげるよということに
なったのだった。元々、セカンドオピニオンとして診察を受けようかと考えてた
矢先でもあり、この際診ておいてもらおうと決めた。それに井荻にあるというク
リニックも見てみたかった。
指示されたとおり荻窪で下りてバスで向かった。地図はネットから印刷してあっ
たので、すぐわかった。受付には奥様らしき女性が立っていて、にこやかに応対
される。明るい雰囲気のゆったりしたソファ様の長椅子に座って待つことしばし、
名前を呼ばれた。
前回の個人的な会合とは違い、医者と患者として向き合う。
模型を使って丁寧に説明された後、触診。
レントゲン検査はすでに金沢で済ませてあったのでパス。
診断結果は、私のはヘルニアでも比較的軽症だろうとのことだった。
手術しないなら、MRI検査も不要とのこと。
ほっとする。
診察後、奥の院長室に通された。
ソファに腰掛ける私に、Jが七年前自費出版した小説、
「東京砂漠をふうーらふら」(神土亜夢/文芸社)
*ちなみにこのユニークなペンネームは、若いころ私が主宰していた同人誌に
自作の詩を掲載させてもらったときそのまんまである)
http://www.amazon.co.jp/dp/4835540174
と、彼の今は亡き高校時代の級友がやはり自費で出した、
「狂歌宣言」(黒部猿田彦/論創社)
http://www.amazon.co.jp/%E7%8B%82%E6%AD%8C%E5%AE%A3%E8%A8%80%E2%80%95%E5%85%88%E5%8D%83%E5%AF%BF%E7%8B%82%E6%AD%8C%E9%9B%86-%E9%BB%92%E9%83%A8-%E7%8C%BF%E7%94%B0%E5%BD%A6/dp/484600144X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1265036945&sr=1-1
の二冊のハードカバー書を贈呈された。私もお返しに、拙著
「お気をつけてよい旅を!」(モハンティ三智江/双葉社)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575290688/qid=1063182646/249-742
をお渡しする。
「東京砂漠をふうーらふら」は、Jの東京での医学生時代の恋、友情をつづった青
春小説。女子大生Aに入れ込んで狂おしく追いかけ回すうちに、ぐうたら医学生
だった彼は転落の坂を転げ落ち、ついに賭けマージャンで五百万もの借金を作っ
てしまう。やくざに見込まれたのが運の尽き、にっちもさっちもいかない窮状は、
高校時代の元級友の郷里の両親への進言で救われる。父親に郷里の医科大に入り
なおすことを条件に、全額返済してもらえることになったのだ。
それまで突っ張ってきた主人公が親を前にして弱さを晒し、東京を去る感慨の覗
くラストがほろりとさせられる。
本を戴いた後、院長自ら、クリニック全体を案内してくださった。陽光あふれる
待合室は明るくゆったりしているし、リハビリ室も広くてびっくり。私のたって
の要望で奥様にも紹介された。留年を繰り返している出来の悪い医学生息子につ
いて愚痴をこぼされる。ご主人が立派なお医者様になってるのだから大丈夫です
よとお慰めして、太鼓判を押す。
奥様も脊椎狭窄症とかで、同病ではないが同じ腰痛同士、相哀れむ心地にも。さ
すがによくできた方と、Jの今あるはまさしく内助の功との思いを強くした。
ちょうどお昼休みに入ったとかで、Jには近くのお寿司屋さんで高価な握りまで
ご馳走になった。一時間ほど歓談した後、篤く礼を行って別れた。
バス停の背後にショッピングセンターがあったのでついでに物色、荻窪ではブッ
クオフを覗いて、東小金井駅に戻り、南口の漫画喫茶でメールチェックして、夫
の待つ宿に帰った。
*後日、Jの小説を読んで、狂おしく追い掛け回していた永遠のマドンナとは肉
体関係がなかったと判明、そういえば当時そのようなことも聞いた記憶はある
が、私の脳裏からはすぽりと抜け落ちていた。男女関係の進展度を示すのにA、B
という言い方が昔あったが、Bくらいまではいっており、最後の一線を彼女がど
うしても許さなかったとのこと。
今日は午後一時に、一週間前三十年ぶりに再会したJの開業する整形外科クリ
ニックで診てもらうことになっていた。すでに金沢で診察済みだったが、先般
会った元ボクシングチャンピオンKからMRI検査をした方がいいとせかされていた
のだ。彼は首のヘルニアのせいで引退を余儀なくされたのだった。Jに問い合わ
せてみたところ、その検査は不要だが、なんなら診察してあげるよということに
なったのだった。元々、セカンドオピニオンとして診察を受けようかと考えてた
矢先でもあり、この際診ておいてもらおうと決めた。それに井荻にあるというク
リニックも見てみたかった。
指示されたとおり荻窪で下りてバスで向かった。地図はネットから印刷してあっ
たので、すぐわかった。受付には奥様らしき女性が立っていて、にこやかに応対
される。明るい雰囲気のゆったりしたソファ様の長椅子に座って待つことしばし、
名前を呼ばれた。
前回の個人的な会合とは違い、医者と患者として向き合う。
模型を使って丁寧に説明された後、触診。
レントゲン検査はすでに金沢で済ませてあったのでパス。
診断結果は、私のはヘルニアでも比較的軽症だろうとのことだった。
手術しないなら、MRI検査も不要とのこと。
ほっとする。
診察後、奥の院長室に通された。
ソファに腰掛ける私に、Jが七年前自費出版した小説、
「東京砂漠をふうーらふら」(神土亜夢/文芸社)
*ちなみにこのユニークなペンネームは、若いころ私が主宰していた同人誌に
自作の詩を掲載させてもらったときそのまんまである)
http://www.amazon.co.jp/dp/4835540174
と、彼の今は亡き高校時代の級友がやはり自費で出した、
「狂歌宣言」(黒部猿田彦/論創社)
http://www.amazon.co.jp/%E7%8B%82%E6%AD%8C%E5%AE%A3%E8%A8%80%E2%80%95%E5%85%88%E5%8D%83%E5%AF%BF%E7%8B%82%E6%AD%8C%E9%9B%86-%E9%BB%92%E9%83%A8-%E7%8C%BF%E7%94%B0%E5%BD%A6/dp/484600144X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1265036945&sr=1-1
の二冊のハードカバー書を贈呈された。私もお返しに、拙著
「お気をつけてよい旅を!」(モハンティ三智江/双葉社)
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4575290688/qid=1063182646/249-742
をお渡しする。
「東京砂漠をふうーらふら」は、Jの東京での医学生時代の恋、友情をつづった青
春小説。女子大生Aに入れ込んで狂おしく追いかけ回すうちに、ぐうたら医学生
だった彼は転落の坂を転げ落ち、ついに賭けマージャンで五百万もの借金を作っ
てしまう。やくざに見込まれたのが運の尽き、にっちもさっちもいかない窮状は、
高校時代の元級友の郷里の両親への進言で救われる。父親に郷里の医科大に入り
なおすことを条件に、全額返済してもらえることになったのだ。
それまで突っ張ってきた主人公が親を前にして弱さを晒し、東京を去る感慨の覗
くラストがほろりとさせられる。
本を戴いた後、院長自ら、クリニック全体を案内してくださった。陽光あふれる
待合室は明るくゆったりしているし、リハビリ室も広くてびっくり。私のたって
の要望で奥様にも紹介された。留年を繰り返している出来の悪い医学生息子につ
いて愚痴をこぼされる。ご主人が立派なお医者様になってるのだから大丈夫です
よとお慰めして、太鼓判を押す。
奥様も脊椎狭窄症とかで、同病ではないが同じ腰痛同士、相哀れむ心地にも。さ
すがによくできた方と、Jの今あるはまさしく内助の功との思いを強くした。
ちょうどお昼休みに入ったとかで、Jには近くのお寿司屋さんで高価な握りまで
ご馳走になった。一時間ほど歓談した後、篤く礼を行って別れた。
バス停の背後にショッピングセンターがあったのでついでに物色、荻窪ではブッ
クオフを覗いて、東小金井駅に戻り、南口の漫画喫茶でメールチェックして、夫
の待つ宿に帰った。
*後日、Jの小説を読んで、狂おしく追い掛け回していた永遠のマドンナとは肉
体関係がなかったと判明、そういえば当時そのようなことも聞いた記憶はある
が、私の脳裏からはすぽりと抜け落ちていた。男女関係の進展度を示すのにA、B
という言い方が昔あったが、Bくらいまではいっており、最後の一線を彼女がど
うしても許さなかったとのこと。