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インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

バンコック現地情報

2010-05-31 02:17:18 | 
タイの暴動については日本でも大きく報道されていると思うが、バンコックの有
名安宿街、カオサンロードで旅行代理店、「A&Rトラベル」を営む日本人オー
ナー、アキオさんから現地情報が届いたので、お知らせしたい。

今現在は納まったが、先週は彼の家の近くで銃撃戦があり、現地妻と坊やを伴って
五日ほどホテル暮らしを強いられたとのこと。スタッフはみな無事らしい。

大きなデパートが焼き討ちにあったのは日本のニュースなどでもご存知だろう。
外国人旅行者も激減、滞タイ歴十年近いアキオさんも、これまでで旅行者は一番
少ないとこぼしている。

             

これから夏休みシーズンに入れば、徐々に盛り返してくるだろう。何せ、日本人
はじめ欧米人に人気のタイである。

このデモ騒動について簡単にふれておくと、タクシン前首相支持派の赤シャツを
着たデモ隊が、バンコックで反政府暴動、死者が約90名、負傷者は2000名にものぼ
るこのたびの惨事となった。タクシン前首相は農民擁護策を進めたため、中間層
支持の現アブシット首相政権に不満を抱く低所得層の地方住民らが赤いシャツを
まとって、総選挙を要請したもの。ちなみに、現首相の支持派は黄色いシャツで、
赤シャツ対黄シャツの対立というわけ。

詳しくは下記のページをごらんあれ。
http://blogs.yahoo.co.jp/amarinnitibhon/50695266.html
 

タイは比較的政情の安定している国で、過去クーデターが何回かあったが、ここ
までの惨事に発展するのは初めてのこと。

ひとまず収拾されたようで、よかった、よかった。
アキオさんからも、もう大丈夫ですとのメッセージが届いているので、タイファ
ンは訪ねてみて。
ただし、くれぐれも気をつけて。

                      
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語学堪能なインド人(銀座新聞エッセイ)

2010-05-30 00:53:50 | 印度の玉手箱(銀座新聞連載)
銀座新聞ニュースに最新エッセイが掲載されました。
写真と併せて、お楽しみください。

「植民地時代の名残も、2カ国語、3カ国語が当然のインド人」
http://ginzanews.com/report/1541/

                  
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五月最後の大熱波

2010-05-30 00:07:09 | 季節・自然
いやはやものすごい暑さである。酷暑期の五月もやっと終わろうという今、燃え
尽きる間際の最後のあがきとでもいうべきか、熱波攻勢全速力、何せ冷房嫌いの
わが亭主まで、今日の昼寝は三階のエアコン室になったくらいである。

                                   

多分湿気は100%だ。
この尋常でない猛暑で一気に電力消費量が急増したせいだろう、深夜と早朝に長
い計画停電(パワーカット)があった。
自家発電機の灯油が切れていたせいで、夜更けの二時間の停電は冷房の余寒で乗
り切ったが、それでも睡眠不足に陥ったことはいうまでもない。

インド人なら誰でもある、酷暑期の停電による寝不足だ。
そうでなくとも、暑苦しくて眠れないのに、扇風機が作動しないとなったら、こ
れはもう拷問である。苛酷な環境に肉体はいやおうなく痛めつけられる。
インドに移住する先進国人にはタフさが要求される。

                           

が、長年の積み重ねのうちに健康を害してしまうこともありうる。
自慢にもならないが、私はそのケースかな。
四十台半ばまで、健康のことを考えず突っ走ってきたせいだ。
若いころは停電でも汗みずくで働いた。
郷に入っては郷に従えで、苛酷な風土で長く生きようと思ったら、肉体を酷使し
ないことである。
私自身の反省からもくるアドバイスである。

体を大事にやさしくいたわってあげること。
生まれ育った環境が違うのだからなおさらだ。
四季に恵まれた日本、気候に関する限り、わが母国は実に恵まれているといって
いい。

オリッサの奥地のボランギールというところでは、雨乞いと作物の収穫を祈って
バンヤンとピーパル(菩提樹)の木の結婚式が行われたそうで、一刻も早く効力
を発揮して欲しいところだ。

予定通り雨季が早まりますように!

                    


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運について

2010-05-29 02:36:37 | その他
同じ人間なのに、成功者と失敗者を分けるものはなんなのか、どうして長年のう
ちに大きな差ができてしまうのかと考えていて、ふと気づいたことを書いてみた
い。

   

ミーハーな私は芸能雑誌が好きで、インドの映画雑誌にかなり長いことはまって
いたが、有名人のインタビューにはほぼ共通点があって、それは大概の人が成
功の秘訣を、right time, right place, right peopleと答えていることだった。
つまり、タイミングのよさ(好機と言い換えてもいいが)、今ある場所(これは
ポジションという意味にも、居住地という意味にも取れる)、人脈だ。成功の三
大必須要素といっていい。

社会的に成功している人たちはみな強運だが、それは自ら引き寄せているともい
える。
努力は言わずもがな、プラス運で、大きな仕事を成し遂げているのだ。明るく積
極的で、行動的、マイナスをもプラスに転化してしまうポジティヴさを備えてい
る。好機を逃さずがっちり掴み取るのもうまい。
やはり常ににこにこしてやろうと身構えている人には、幸運の女神も微笑むので
はなかろうか。

          

わが身を振り返ってみるに、あれがチャンスだったのかなと思える出来事がいく
つもあり、逃してしまっただけに、成功者の好機の生かし方には学ぶべきところ
が多い。

あと、いかに他人を喜ばせられるかというのも、大事だ。
身内ごとで恐縮ながら、わが亡父の軌跡をたどっても、そのことは確信した。昭
和26年に自動車整備工場「福井モータース商会」(現福井モータース)を立ち上
げ、高学歴がありながら、自ら車の下にもぐりこみ真っ黒になって修理すること
をいとわなかった。お客さんに喜ばれることがひとえにうれしくてならなかった
ようだ。県バスの修理にいたっては、代車がないため、翌朝の運行に間に合わせ
ねばならず、一晩で修理という不可能を可能にしてしまう、離れ業的徹夜作業が続
いた。県民の足を確保するため、必死だったのだ。社会的貢献度は、わが身内な
がらすばらしい。二級免状(今の一級)を持ってる技術者しかできないといわれ
た難しいボーリング技術もたった半年でマスターしてしまうほどの努力家でも
あった。無論人脈にも恵まれた。県バス工事長はじめ、各界のお偉方、部品の受
注先、顧客、金融機関、みな応援してくれた。

                                 

折りしも高度経済成長期とタイミングもよかった。戦後の復興期、自動車に目を
つけた先見の明が当たったのだ。ちょうどマイカーブームの波に乗って、一気に
大企業としての躍進を遂げることができた。あと場所にも恵まれた。後に福井の
自動車街として発展を遂げる開発町通り沿いに、三千坪の土地を購入し、後年前
の空き地に三階建ての立派な鉄筋ビル本社を建てるにいたった。
right time, right place, right people、わが亡父のケースを見ても全部当ては
まっている。

努力と社会的貢献度。それから、成功したからといって鼻高々にならず、謙虚な
態度も大事だ。お仏壇のはせがわの長谷川裕一会長さんなど、レストランの席上
においても店員への細かい気配りを忘れない。ビジネス英和辞書の権威、菊地義
明さんは、私がビジネス英語の第一人者と持ち上げると、そういう言い方はやめ
てもらいたい、いまだ勉強中ですからと来た。一生が勉強との気構え、凡人の私
にはおおいに見習うべき点だ。

他者に貢献していると、天への貯金がどんどん溜まっていくようだ。思わぬ大金
が転がり込んだら、有頂天になって自分のことばかりに使わないで、誰かにおご
るといいとはよく言われること。そうすることで、運を維持するのだ。
宝くじに当たった人が全額寄付してしまうことがときたまあるけど、あれである。
当選者で、自分の欲を満たすだけのために使った人は、必ず不幸になるともいわ
れる。エゴに走ると、転落は目に見えている、一気にどん底だ。エベレストの頂
点から転げ落ちたも同然と、さる往年のインド映画スターが現在の凋落をくしく
もそのように表現したが。

                       

もうひとつエピソードをあげさせてもらいたい。
とあるコピーライター出身の新進ベストセラー作家が、デビュー前ある人に本を
出したいのだが、どこも出してくれないと相談され、自分の知っている小出版社
を紹介した。すると、その本が何百万部も売れる大ベストセラーになった、その後
彼自身も本を出すのだが、しょっぱなからベストセラー、彼が言うにはその紹介
した人から運をもらったというのである。相談されてひと肌脱いであげて喜ばれ
た、そして思いがけずその本が大ベストセラーになったことで、その幸運のおすそ
分けにあずかったと。
運というのは分かち合うことで、維持し続けられるものかもしれない。
禍福はあざなえる縄の如しだから、強運者は運を保つため他人におすそ分けする
といいのかもしれない。

他人を喜ばす芸当は、並みの才能じゃできそうもないが。
そこにポイントを置いておけば、いつか成功者の仲間入りをできる日もそう遠く
ないかもしれない。

                                   



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マノジョ先生ののろけ話

2010-05-29 02:29:19 | ヨガ・スピリチュアル
呼吸法中心のヨガレッスン後、七時前だったが、懐中電灯をもって浜に出た。日
の落ちた海辺にはこどもや家族連れが十数名戯れるのみで、閑散としていた。曇
りで風がほとんどない蒸し暑い陽気だったが、海の近くまで来ると、さすがに涼
しい。満潮の汀に下肢を浸して深呼吸。

                    

先のレッスン中の、マノジョ先生との会話がふとよみがえる。
マニシャという名の恋人は同じ27歳。やさしい性格で良妻賢母型とのこと。保
守的な田舎の当地プリーで27歳というと、いき遅れもいいとこだが。ゆえに、親
としては、一刻も早く娘を嫁がせたいところだろう。見合い話が持ち上がってい
るという事情もうなずける。

インドにはダウリーという嫁入り前の持参金制度の悪習があるので、貧しい庶民
は四苦八苦、女児の間引きが絶えないのはそのせいだ。娘を三人持つと破産する
とはよく言われること。マニシャ嬢の結婚が遅れたのも、何かその辺と関係があ
るのだろうか。彼女はヨガはやらないみたいだが、もちろん恋人のマノジョが16
歳のとき国内チャンピオンの栄誉を射止めたことは百も承知。「愛しのマニシャ
には、ぼくのことはなんでも話してあるんだよ」と、でれでれまなじり下げての
のろけ話に余念がなかった先生。

                

輝かしき恋の行方を阻むものは、マノジョ先生に定職がないこと。
マニシャはいまだに親に好きな人がいることを打ち明けていないらしい。先生の
側の家族はすでに恋人の存在について知らされているというのにだ。時期が来た
ら、彼女の家を訪問、正式に結婚を申し込むつもりだと先生は言う。そのために
も七月下旬チェンナイに上り、職をなんとしてでも見つけねばと意気込む。

                                        

なんとか若き二人の恋が成就するようにと祈らずにはおれない私だった。
帰りはファイブスターホテルの側から戻ることにしたが、ホテルの羅門への道筋の
最初と最後に煌々たるオレンジの三連灯、先般の引ったくり暴行対策と思われる。
ホテルの中は通らず、脇の道をたどったが、ガス灯を模した街灯が何メートル間
隔かでつき、こちらも明るかった。外人旅行者が襲われる前は、浜に近い通路側
は電気がともっておらず、真っ暗だったのだが。

すでに犯人が捕まったことでもあり、パトロールの警官も出ていなかった。

うす雲が全体にもやーっと動いている夜空を見上げながら、これじゃ蒸すはずだ
とぼやきながら帰路についた。
持病の坐骨神経痛に曇天は大敵、低気圧かどうかは、やしの葉のゆれ具合で大体
わかる。長い櫛様の葉先がとろんと風にそよぐのだ。大気のまどろみ具合が一目
でわかる。そんなわけで、今日は痛み出し、レッスンも疲れ気味だった。

                                                          
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最上カーストが貧乏なわけ

2010-05-28 02:28:04 | 宗教・儀式
今日の英字紙に最上カースト、ブラーミンが貧乏な理由が載っていて、納得させ
られた。

カーストとは世界史で習ってうろ覚えの方もおられると思うが、ヒンドゥ教の身
分制度のことで、ブラーミン(司祭)、クシャトリア(王侯貴族・戦士)、ヴァ
イシア(商工階級)、スードラ(農奴)の四姓に分かれる。侵入民族のアーリア
人が肌の白い自分たちを色黒のドラヴィダ土着民より優位に置いたもので、21世
紀の現在も職業別世襲制となって現存するヒエラルキーだ。

カーストの枠組みに入らない最下層のもいて、いまだに差別意識が根強く
残っている。

ところが、一番上のカーストでやたらプライドの高いブラーミンの経済的地位は
低く、なぜか貧乏な人が多いのを常々不思議に思っていたのだ。

結局、政府の優遇策が下層カーストに集中してしまうせいらしい。
長年のうちに降り積もって、大きな社会的地位の差となってしまったわけだ。
びっくりすることには、アンドラプラデシュ州では75%ものブラーミンがコック
か、家事手伝い職についているという。学識の高いタミールブラーミンもほとん
どが州外に出ているらしい。

デリーのトイレ掃除を請け負っている大半も、ブラーミンとは驚きだ。
不浄としてダリット層を避けるブラーミンがダリット同様の穢れる職業を強いら
れる背景には、生活に迫られてのやむえない事情があるのだろう。

                                  

コックにブラーミンが多いのは知っていたが、それは最上カーストの手で作った
食事は穢れがないからだ。
家事手伝いが多いということまでは知らなかったけど。

「ブラーミンはダリット(最下層)に成り下がった」のタイトルは言いえて
妙。
政府はダリットのみならず、ブラーミン優遇策も必要かもしれない。

                                          
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熱波のさなかの冷房故障

2010-05-28 02:06:38 | 季節・自然
低気圧の雷雨が三日ほど続いたあと、予想通り猛暑がぶり返してきた。
オリッサ内陸部は四十度半ば。
当地プリーも高湿度の熱帯夜が続く。
むんむん耐え難い炎暑のさなか、突然エアコンが作動しなくなって、さすがに泡
食った。

      

というわけで、昨日は汗みずく、ベランダに面する窓を全開して寝たが、暑苦し
くて睡眠不足に陥った。
ちと機械を酷使しすぎたとか反省しながら、ストックのもう一台も壊れているの
で、よっぽどクーラーでも買ってやろうかしらんと思いつめたものだった。
インドは電力事情がよろしくないため、電化製品の故障はしょっちゅうで、修理
屋さんも怠惰でそうすぐには駆けつけてくれないからだ。
冷房なしで一週間過ごさないといけないかと思い、いやいやそれは耐え難い、涼
風を送るだけのマシンなら安いから、一台あってもいいかと思ったのだ。持ち運
び可能なタイプなら、オフィスにも使える。このクーラー、ウインドウタイプな
らやや効き目があるのだが、送風機だと、ほとんど熱風送るだけなんだけどね、
でもないよりましかと思って。

                

しかし、夫がしつこく修理屋に電話し続けたことが功を奏して、夕涼みに出た浜
から戻ると、すでに修理中だった。
なんのことはない、外のワイヤーが切れていたとかで、ものの15分とたたぬうち
に作動、思わずラッキー!と歓呼していた。
これから一週間冷房なしで過ごさねばならぬかと悲壮な決意を固めていたところ
だったのだ。

ああ、ありがたい。
これを契機に、反省して、酷使しないようにしよう。省エネ、省エネ。
それにしても、すっかり冷房依存症と成り下がってしまった私、ずいぶんやわに
なったもんだ。四十代半ばごろまで、冷房なしで酷暑を乗り切っていたのだが、
寄る年波には勝てない。

                        

ちなみに今日の英字紙を読んでいて、オリッサ並みの高湿度だと、たとい30度で
も6度も高く感ぜられるということが判明、さもあらん、内陸部は四十度半ばな
ので、五十度以上の体感ということになる。
一日エアコンなしでわかったが、だらだら汗は流れるし、頭はぼーっとして働
かず、結局、四時過ぎ書斎に上がったが、ほとんど仕事にならなかった。

夜になって、スクウォールと言われるはやてが駆け抜け、一気に涼しくなった。
雨はお湿り程度で、雷と強風の小嵐だ。
今年は雨季が早目というから、あと少しの辛抱だ。

                             


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二歳のスモーカー

2010-05-26 01:39:56 | 政治・社会・経済
今日の英字紙に、二歳のインドネシア人坊やが、人差し指と中指の間に煙草を挟
み、一端堂に入ったしぐさで吹かしている写真が載っていて、心底たまげた。
げーっ?!

         

キャプションを読んでみると、父親が男児が一歳半のとき、与えたとかで、以後
やみつきになってしまったとか。

煙草を与えないとかんしゃくを起こすそうで、かなりの中毒度。でも、普通こん
な乳児が煙草を吸うと、咳き込むんじゃないかと思うけど。

インドネシアの法律はどうなってるんだろう。
未成年者の喫煙を禁じる法律はないのかな。
赤ん坊のときから吸ってたんじゃ、成人するころには肺真っ黒け、あな恐ろや。

                           

もっとも、インドでも、子供が平気で煙草吸ってるけどね。
うちの現地亭主は、十歳からという筋金入りのチェンスモーカーである。
義兄が肺がんで急逝した何年か前、目の前で息苦しさにあえぐ患者を見たせいで、
いったんやめたのだが、喉元過ぎれば暑さを忘れるでまた元の木阿弥。

禁煙風潮が強まる世界の先進国に比して、インドは禁煙後進国。
限りなく喫煙先進国である。
政府がパッケージに肺がんのグロテスクな写真を刷っても、喫煙者はいっこうに
減らない。
とにかく、もろアディクトしているのである。

わが亭主も、まずこの先断念することはないだろう。
パッシヴ・スモーキングの害を受けている母子としては、腹立たしいことだが、
口をすっぱくして言っても、馬の耳に念仏なのだ。
しまいにはこちらもあきらめてしまった。

頑固なインド亭主を従わせるのは、てこでも無理というわけ。

病気になってから泣いて後悔しても遅いのになあ。

                                   


インドの貧しい庶民に人気の葉巻煙草ビディ
外人旅行者にもポピュラーな銘柄で、昔私もよくお土産に持ち帰ったりしたが、
発がん性が強いのでご注意。ぴりっとした辛口で、やみつきになる味である。
このほか石灰を塗ったキンマの葉に包んだびんろう樹の実の噛み煙草、キンマ
もあり、噛んだ後ぺっと赤い唾をインド人が吐き出しているのはよく見かける光
景。歯槽膿漏じゃないんですよ。
でも、キンマ嗜好者(噛み煙草なので女性も多い)にはオーラルキャンサーも多
いのだ。
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最初で最後の恋!

2010-05-26 01:08:07 | ヨガ・スピリチュアル
サイクロンの弱まった低気圧真っ只中、三階のベランダでヨガレッスンを受けた。
ここしばらくおしゃべりせず真面目に励んでいたが、今日はマノジョ先生の側が
おしゃべりモードで、私もつい乗ってしまった。

27歳の青年インストラクタ-は現在恋愛中、結婚を真剣に考えているため職探しに
懸命なことはすでにお伝えしたとおりだが、少しやばい状況になっているらしい。
どうやら、彼女の側に見合い話が持ち上がっているようなのである。
先生はさすがに焦っているようだった。
就職口を見つけるため、七月下旬南の都会チェンナイに出るとの決断は、この危機
感から来ていたわけかと改めて納得。

                   

マノジョ先生の側の家族は問題ないようだが、どうやら彼女の側のファミリーの
承諾をいまだ得てないみたいだ。
同じブラーミンという最上カースト同士であっても、親にしてみれば、無職の青
年よりは将来性のある候補者のほうに嫁がせたいのは山々である。
とくに保守的な当地プリーでは、親がアレンジする見合い結婚が九割方を占める
のだから。
恋愛はご法度のヒンドゥ聖地、頭の古い人たちが多いだけに、若者は大変だ。で
も、薄暗くなった浜に出ると、何組か恋人が群れているけどね。恋愛組だと思う。
日が翳ってから、女性が外出することはまずないため。夜の浜でデートしている
女性はバッドガールとの悪評を覚悟しなければならない。

                             

私はとっさに問い糾していた。
「でも、彼女はあなたのこと、愛してるんでしょ」
「もちろん」
「じゃあ、何が何でも離しちゃだめよ」
「絶対離しはしないよ」
「先生、初恋?」
「そうだよ。ぼくにとっては初めての恋、そして、最初で最後の恋だ」
おう、のろけてくれるじゃないか、とにかく彼女にぞっこんのようである。
まさに命を賭けた恋といっても過言でない。
インドの若者は免疫がないため、初恋にずっぷりのめり込んでしまうのである。

かなりやばい状況だが、神が味方してチェンナイで無事仕事が見つかるよう祈ら
ずにはおれない日本人弟子の私だった。

先生、ファーストラブを成就するため、命を賭してがんばって!

                                    
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ベンガル湾季節便り/大波と熱帯桜

2010-05-26 00:39:59 | 季節・自然
一週間ぶりに浜に出た。

             

ひったくり騒動と豪雨で出れなかったのだ。

途上、雨で鮮やかに芽吹いた火炎樹を愛でながら、浜への路地を曲がった。
今年は熱帯桜(写真)との異名をとる、桜に枝振りの似た火炎樹が開花しないな
あと思ってたら、三日連続の豪雨で一気に燃え上がるように花穂を噴き上げたのだ。

鮮やかな朱色の、目もあやな美しさである。

低気圧がまだ抜けていない浜は強風が駆け抜け、湿り砂が波模様の風紋を編んで
いた。
海辺に近づくにつれ、貝のかけらが象嵌のように埋め込まれていた。

大波が豪快に弾けるオリーヴグレーの海は白く泡立っていた。
目にしみ入る純白である。
高湿度でもわっとした熱気の絡んだ体がひととき冷まされていくようだった。
雨が降ってるうちは涼しかったが、また蒸し暑さがぶり返し、べとべとする不快
感が募る今日、海風はまとわりつく熱気を和らげてくれるようだ。

                                  

東寄りの上空に淡い月が浮かんでいた。
満月まであと数日のようだ。
うす雲のカーテンの後ろに顔を隠したかと思うと、また出て、鬼ごっこ。
浜には多数の家族連れが群れていた。

                     

今日は日のあるうちに出たので、五つ星ホテルの手前二つの路地から向かった
が、ひったくりが外人旅行者に暴行を働いたファイブスター側の浜は新しく、
街灯が二つほど増えて煌々とオレンジの灯をきらめかせていた。
物取りが出没するのもすべては、灯りの貧しさにあったせいで、州政府も遅れば
せながら対策に乗り出したようだ。

ひとまず犯人は捕まったし、七時ごろ出ても問題なさそうだ。
現に幼い子供たちの手を引いた家族連れ旅行者が七時前なのに、群がっていた。

宵闇が降りるにつれ、月が雲の合間から顔を出し、白くくっきりと浮かび上がっ
た。
波濤にスカートのすそが濡れそぼつのも構わず、波打ち際に佇んで、月を仰ぎ続
けた。
汀の波が砂を巻き込んで、さび色に閃いた。

                             
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