吉祥寺、荻窪などをショッピングがてら回った数日後、いよいよ恒例の
秋葉原もうでに繰り出すことになった。私自身はうんざりなのだが、夫
や息子は時計や電化製品の掘り出し物求めて意気揚々の出陣、またして
も親族・友人用土産にカシオの腕時計を六個買わされる。いい加減やめ
てくれないかと嘆息混じりの私を尻目に、夫の時計漁りは納まらない。
ひとつには日本製腕時計は値段の割りに見栄えがよく、土産に持ち帰る
と喜ばれるということがある。日本製といっても、最近はみんな中国で
作られたムーヴメントだが。が、たまーに路頭の店で、格安製品を売っ
ていることがあり、一個360円というスポーツウオッチを見つけたこと
もあった。傷物だが、ほとんど目立たず、しゃれたデザインで自分用に
長年重宝したものである。とにかく千円出せば、よりどりみどり。元の
値札が高い商品を漁って買えば、ずいぶんお買い得。
過去何十回と繰り出している秋葉原電気街(写真、おなじみ石丸電気の
看板に注目)、これまで、ミュージックプレーヤー、ワープロ、ファッ
クス、カメラ、スーツケース、キャリーバッグと散財してきた。例の通
り魔殺人事件があってから客数が減ったと聞いていたが、そんなことは
なく、相変わらず外人が目立つ、とくに中国人はリッチで金に糸目をつ
けず買うので、いまや店の方でも同国人スタッフを置いて抜かりなく対
処しているくらいなのである。
下見にすでに一度訪れていたので、二回目ですべて済ませてしまおう
と、もうこれで絶対ここには来ないからねと、夫に釘をさす。どうやら
時間内に予定の買い物を済ませたときはさすがにほっとした。最後に、
駅構内の上階にある秋葉原デパートに寄ろうと思ったら、改造工事中で
拍子抜け。ここには割りと安い品がそろっており、100円ショップもあ
るので重宝していたのだが(とにかく日本、とくに東京は二年来ないと
様変わりが激しい)。
翌日は、その昔うちのホテル(ラブ&ライフ)の常連だったU子さんに
招かれていたので、午後お住まいのある阿佐ヶ谷駅で降りて電話、かわ
いいお子さん連れでほどなく迎えに来てくださった。なんと、15年ぶり
くらいの再会である。当時男性旅行者に人気のあった彼女はショート
カットのボーイッシュなつわものバックパッカーだったが、今では立派
に二児の母。髪も長めにされて、少しお痩せになってすっかり女らしく
なられた。
夫はあつかましくビールをご馳走になり、私は冷えた麦茶をいただきな
がら、思い出話に花が咲く。幼いお子さん二人には免税店のチョコを土
産に買ってきたのだが、早速食べてくれて、口元をチョコだらけにして
いるのに笑みを誘われる。プリーの名物、ジャガンナート神の置物も
買ってきたのだが、もちろん覚えておられ、懐かしいと言って大変に喜
んでくださった。
さて、U子さんとは長い付き合いなのだが、実は日本でお会いするのは
これが初めて。ご縁があるというか、文通&メール交際がこんにちまで
途絶えずに続いてきたのである。お若いながら達筆かつ文才のある方で、
私のお気に入りのお客さんでもあった。日本に戻られてからは、折々に
日本語の本や日本食品をご厚意で送っていただくなど大変お世話になっ
てきた。一度お目にかかって御礼をと思っていただけに、このたび果た
せて感無量。短時間の歓談だったが、とても楽しいひとときを過ごさせ
ていただいた。息子も幼いお子さん方の遊び相手になってあげるなど、
くつろいだ様子だった。
駅まで送ってくださったU子さんと、次回は、ぜひ一緒に飲みましょう
と約して、お名残り惜しい気持ちながらお別れした。
帰途、阿佐ヶ谷まで来たついでに、中野まで出て、息子のスポーツシュー
ズを物色することにする。吉祥寺や荻窪で探したが、気に入りのものが
見つからなかったのである。いろいろ好みがうるさくて、あちこち引っ
張りまわされる。やっと納得いくものが見つかったようで、やれやれ。
シンプルな白のシューズで私から見ればどうということのないデザイン
だが、前日荻窪の西友で買ったUS製のジャケットと同じ会社とのこ
と、吉祥寺で買ったおしゃれなサングラスに秋葉原で買ったスポーティー
ウオッチ、息子のオニューの品がどんどん増えていく。私にしてみれ
ば、十代最後の記念旅行で一足早い誕生日(9月17日成人になる)くらい
のつもりでいるし、いろんな方から息子さんにとお小遣いももらったの
で、なるたけ本人の希望に沿うようにとつい大甘になってしまった。
<つづく>
秋葉原もうでに繰り出すことになった。私自身はうんざりなのだが、夫
や息子は時計や電化製品の掘り出し物求めて意気揚々の出陣、またして
も親族・友人用土産にカシオの腕時計を六個買わされる。いい加減やめ
てくれないかと嘆息混じりの私を尻目に、夫の時計漁りは納まらない。
ひとつには日本製腕時計は値段の割りに見栄えがよく、土産に持ち帰る
と喜ばれるということがある。日本製といっても、最近はみんな中国で
作られたムーヴメントだが。が、たまーに路頭の店で、格安製品を売っ
ていることがあり、一個360円というスポーツウオッチを見つけたこと
もあった。傷物だが、ほとんど目立たず、しゃれたデザインで自分用に
長年重宝したものである。とにかく千円出せば、よりどりみどり。元の
値札が高い商品を漁って買えば、ずいぶんお買い得。
過去何十回と繰り出している秋葉原電気街(写真、おなじみ石丸電気の
看板に注目)、これまで、ミュージックプレーヤー、ワープロ、ファッ
クス、カメラ、スーツケース、キャリーバッグと散財してきた。例の通
り魔殺人事件があってから客数が減ったと聞いていたが、そんなことは
なく、相変わらず外人が目立つ、とくに中国人はリッチで金に糸目をつ
けず買うので、いまや店の方でも同国人スタッフを置いて抜かりなく対
処しているくらいなのである。
下見にすでに一度訪れていたので、二回目ですべて済ませてしまおう
と、もうこれで絶対ここには来ないからねと、夫に釘をさす。どうやら
時間内に予定の買い物を済ませたときはさすがにほっとした。最後に、
駅構内の上階にある秋葉原デパートに寄ろうと思ったら、改造工事中で
拍子抜け。ここには割りと安い品がそろっており、100円ショップもあ
るので重宝していたのだが(とにかく日本、とくに東京は二年来ないと
様変わりが激しい)。
翌日は、その昔うちのホテル(ラブ&ライフ)の常連だったU子さんに
招かれていたので、午後お住まいのある阿佐ヶ谷駅で降りて電話、かわ
いいお子さん連れでほどなく迎えに来てくださった。なんと、15年ぶり
くらいの再会である。当時男性旅行者に人気のあった彼女はショート
カットのボーイッシュなつわものバックパッカーだったが、今では立派
に二児の母。髪も長めにされて、少しお痩せになってすっかり女らしく
なられた。
夫はあつかましくビールをご馳走になり、私は冷えた麦茶をいただきな
がら、思い出話に花が咲く。幼いお子さん二人には免税店のチョコを土
産に買ってきたのだが、早速食べてくれて、口元をチョコだらけにして
いるのに笑みを誘われる。プリーの名物、ジャガンナート神の置物も
買ってきたのだが、もちろん覚えておられ、懐かしいと言って大変に喜
んでくださった。
さて、U子さんとは長い付き合いなのだが、実は日本でお会いするのは
これが初めて。ご縁があるというか、文通&メール交際がこんにちまで
途絶えずに続いてきたのである。お若いながら達筆かつ文才のある方で、
私のお気に入りのお客さんでもあった。日本に戻られてからは、折々に
日本語の本や日本食品をご厚意で送っていただくなど大変お世話になっ
てきた。一度お目にかかって御礼をと思っていただけに、このたび果た
せて感無量。短時間の歓談だったが、とても楽しいひとときを過ごさせ
ていただいた。息子も幼いお子さん方の遊び相手になってあげるなど、
くつろいだ様子だった。
駅まで送ってくださったU子さんと、次回は、ぜひ一緒に飲みましょう
と約して、お名残り惜しい気持ちながらお別れした。
帰途、阿佐ヶ谷まで来たついでに、中野まで出て、息子のスポーツシュー
ズを物色することにする。吉祥寺や荻窪で探したが、気に入りのものが
見つからなかったのである。いろいろ好みがうるさくて、あちこち引っ
張りまわされる。やっと納得いくものが見つかったようで、やれやれ。
シンプルな白のシューズで私から見ればどうということのないデザイン
だが、前日荻窪の西友で買ったUS製のジャケットと同じ会社とのこ
と、吉祥寺で買ったおしゃれなサングラスに秋葉原で買ったスポーティー
ウオッチ、息子のオニューの品がどんどん増えていく。私にしてみれ
ば、十代最後の記念旅行で一足早い誕生日(9月17日成人になる)くらい
のつもりでいるし、いろんな方から息子さんにとお小遣いももらったの
で、なるたけ本人の希望に沿うようにとつい大甘になってしまった。
<つづく>