図書館からの帰途、大通りを折れて路地に入り坂を降りていくと、坂が途切れる向こうに一本の川と土手の上の家並みが四角く切り取られたように見渡せ、風趣をかもす。
横手の煉瓦壁のマンションの二階のベランダの欄干を白い猫が伝い歩き、みゃおっと外に出たいようなねだり声をあげるのも微笑ましい。
インドの我が家で飼っている野良猫はかなり高いところからも飛び降りる度胸があるが、過保護の日本猫は臆病で、欄干の上をウロウロ行き来するばかり、家猫と化し、外には出してもらえないようではストレスも溜まるだろう。
坂の下まで降りると、右脇手に山並みが遠望でき、橋の袂でひととき立ち止まって麗しい山川を愛でた。緑がぽつぽつ萌え出した河川敷、鈍色の大河、その彼方にそびえる連山、絶景を堪能する。
日曜の今日はジョギングする市民の姿も目立った。
橋の中ほどにしつらえられたベンチで一服、背後の坂の上に繊細な網目のように小枝を伸ばす枯れ木が黒いシルエットになって浮かび上がり、毛細血管のような枝の合間から淡いオレンジの太陽が顔をのぞかせていた。落日は夕靄に溶けて、絵の具をぼかしたような色合いに薄れ、樹間に灯が点ったようなけしきになった。
春の兆しを感じさせる犀川周辺の夕暮れは美しく、雪の溶けかかった青い山並みは胸がすく爽やかさ。
桜並木は芽吹いて、濃い灰色にもやっていた。
横手の煉瓦壁のマンションの二階のベランダの欄干を白い猫が伝い歩き、みゃおっと外に出たいようなねだり声をあげるのも微笑ましい。
インドの我が家で飼っている野良猫はかなり高いところからも飛び降りる度胸があるが、過保護の日本猫は臆病で、欄干の上をウロウロ行き来するばかり、家猫と化し、外には出してもらえないようではストレスも溜まるだろう。
坂の下まで降りると、右脇手に山並みが遠望でき、橋の袂でひととき立ち止まって麗しい山川を愛でた。緑がぽつぽつ萌え出した河川敷、鈍色の大河、その彼方にそびえる連山、絶景を堪能する。
日曜の今日はジョギングする市民の姿も目立った。
橋の中ほどにしつらえられたベンチで一服、背後の坂の上に繊細な網目のように小枝を伸ばす枯れ木が黒いシルエットになって浮かび上がり、毛細血管のような枝の合間から淡いオレンジの太陽が顔をのぞかせていた。落日は夕靄に溶けて、絵の具をぼかしたような色合いに薄れ、樹間に灯が点ったようなけしきになった。
春の兆しを感じさせる犀川周辺の夕暮れは美しく、雪の溶けかかった青い山並みは胸がすく爽やかさ。
桜並木は芽吹いて、濃い灰色にもやっていた。