インドで作家業

ベンガル湾と犀川をこよなく愛するプリー⇔金沢往還作家、李耶シャンカール(モハンティ三智江)の公式ブログ

エロ作家の面目(菊水庵便り13)

2016-10-30 14:21:39 | 私の作品(短編・エッセイ)
生前私淑していた故吉行淳之介の「闇の中の祝祭」と「暗室」を読み返した。
エロスを書いた純文学作家として知られるが、両作とも、著者本人がモデルの女性関係を赤裸々に描いたもの。

前著は、本妻と愛人の間で傷めつけられる男性主人公、後著は複数の女性との官能関係を追い求める男性作家が主人公だが、改めて吉行淳之介の緻密な観察力に唸らされている。
「暗室」には、死後発覚した第二の愛人、大塚栄子のモデルとなった夏枝という女性が登場するが、躯だけの関係のはずが徐々に精神的にも惹かれていく過程が描かれており、興味深い。

夏枝が名器であることの赤裸々な描写もあり、肉体的な魅力を備えた女であることがわかるが、「ついでに生きてる」感、病気がちで生への虚無感を覚えていた作家本人が逃げ込める場所が唯一、女性の肌、すなわと性だったのだと思う。

ヘンリー・ミラーやDHローレンスの性=生命の燃焼に通じるものがある。

性を描いているといっても、大衆文学には堕しておらず、ディテールが生きた純文学で、文章作法的にも改めて学ばされることがあった。

併せて、吉行淳之介論も読んでおり、淡いながらも私と因縁があった作家を懐かしんでいる。

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アルフィーのコンサートチケット届く(菊水庵便り12)

2016-10-29 14:33:48 | 私の作品(短編・エッセイ)
11月13日の福井フェニックスプラザにおけるロックバンド・アルフィーの秋フェスのチケットが、代理で購入してくれた友人D宅に宅急便で届いた。

席は前から14列目の中央からやや左寄り、ステージから近くも遠くもない真ん中あたりとのこと。
チケットの引き上げは、13日当日福井市内の喫茶店でと決まった。
実は12日の夜、一杯Dと飲んで引き上げるはずが、土曜でホテルが取れず、やむなく当日の成り行きになったもの。

二十代の頃所属していた同人誌の仲間だったDとは積もる話もあるのだが、出張を控え忙しそうだし、とりあえずチケット引き上げ時に、予定を聞いて、以後の土曜の夜短時間飲めそうなら、新たに会合設定ということになりそう。

北陸新幹線が開通してから、福井も土曜はホテルが取りにくくなっており、金沢に戻るとなると、午後八時前にお開きとなって、十分話し込めない。
まあ、それでも、双方の都合がつけば二時間ほど一杯やって近況交換も楽しいと思う。

海外出張で超多忙の中チケットを取ってくれたDには、感謝感謝感謝!である。


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秋から夏日に逆戻り?(菊水庵便り11)

2016-10-26 14:56:07 | 私の作品(短編・エッセイ)
本日は日差しの強い夏日。
10月下旬でこの暑さとは、少しびっくりしている。
ずいぶん涼しくなって、いよいよ秋も深まりつつあるかと喜んだ矢先のこと、半袖でもいいくらいの陽気に逆戻りで、日本の熱帯化に驚いている。

地球の温暖化現象で、四季もくっきりした切り目がなくなっているようだ。

それでも、昨日街中の玉川図書館の後庭の桜樹は色づき、赤みがかった落葉が美しかった。

早クリスマス仕度というか、繁華街の武蔵辻から香林坊にかけて並木がライトアップ、イリュミネーションも麗しかった。

菊水庵付近の犀川の河原の芝や、土手の並木も徐々に色合いを深め、黄色や茶色、薄橙と秋の深まりを見せている。

もう少し秋たけなわになったら、近場へ紅葉日帰り旅行にも出かけたいと思っている。
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京都・奈良・大阪、大津観光から戻る

2016-10-25 15:14:09 | 私の作品(短編・エッセイ)
昨日まで関西方面を旅していた。
というわけで、ブログもこの間ご無沙汰してしまったが、昨夜金沢に帰着、今街中の玉川図書館でこれを打っている。

関西方面の小旅行は紅葉にはまだ早かったけど、大阪天王寺の阿部野ハルカス、通天閣、西城区(あいりん地区)<東京で言えば山谷のドヤ街だが、いまでは外人に人気の格安ゲストハウスとして両地区とも生まれ変わっている)、四天王寺に、奈良の町家周遊、京都の上賀茂神社参拝と、目いっぱい楽しんだ。

戻ってきたら、すっかり涼しくなって秋も一段と深まった気配。

余すところひと月ちょっとの日本滞在、色づく木々を愛でたい。

竹久夢二ゆかりの湯湧温泉や、内灘海岸、小松の那谷寺(紅葉の名所)など、近場の日帰り旅行も計画中。

アルフィーのコンサート(福井のフェニックスプラザ)は来月13日だが、チケットが届くのは一週間前、いい席が取れたかどうかが気になる。できれば前のほうの席でありたいが、アルフィーのコンサートは後ろの席でも近く感ぜられるそうなので、こればかりは運を天に任すしかない。
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歌の持つパワー(菊水庵便り10)

2016-10-17 15:30:18 | 私の作品(短編・エッセイ)
ボブ・ディランのノーベル文学賞受賞は、歌詞が文学のジャンルの一つとして認められたということで、画期的だった。

私自身、近年歌の持つパワー、とくに詞の魅力に目覚め、阿久悠、なかにし礼、高見沢俊彦の作品群を堪能していただけに、メッセージ性のある歌の意義が再認識されたことは、全世界のミュージシャンにとっても嬉しいニュースだったに違いない。

アルフィーにはまって以来、歌の持つパワー、そのダイレクトな訴える力に、文字だけを書く作家としては、打ちのめされ、遅ればせながら音楽に目覚めていた折でもあり、それに先んじること、息子がラップミュージシャンでシンガーソングライターとしてメッセージ性のある英詞を書くということもあって、私自身彼のラップ詞を邦訳するうちに、作詞の面白さに徐々に目覚めていったのだ。

最近読了した「作詞のための8の極意」も、そんなわけで面白かった。八人のプロの作詞家やシンガーソングライターが作詞術の奥義を授けたものだが、要は作詞も文章作法と変わらない。ただ現代詩とちがい、メロディがつくので、音符によって自ずと字数は決まってきて、エッセンスを凝縮する必要があることと、音感のない人にはことばを合わせるのが難しいかもしれない。
最後にベテランラップミュージシャン(宇多丸、93年デビュー)が、日本語で韻を踏むラップ詞を書くことの難しさをあげていたのが印象に残った。ちなみに、我がラッパー子息は英歌なので、日本語に比べると、韻を踏むのは容易だろう。

阿久悠「命の詩 ~『月刊you』とその時代~」も読了。阿久悠が、昭和の歌謡界の黄金期、70年代から80年代にかけて怪物と畏怖され、生涯に5000もの作詞を遺した偉業は、いまさらいうまでもない。ただし、散文(月刊YOU新聞の編集主幹として掲載した記事群)に関してはやや軽みが優るエンタテイメント系で、同時代寵児ともてはやされたライバル、なかにし礼のほうが、うまい。
各人の嗜好もあるので、どちらが上とは言いがたいが、私感では、歌詞は阿久悠がダントツ、小説はなかにしに軍配を上げたい。

満州から命からがら引き揚げてきた原体験が、散文に重みを加え、長文になると、なかにしの方が本領を発揮する感じだ。
なかにしは直木賞をとったが、阿久はとれなかったことにも、その差が出ているような気がする。

しかし、阿久悠の詞はすごい。沢田研二や西城秀樹に提供した詞は、他の追随を許さない秀逸さだ。
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吉行淳之介-男の素顔(菊水庵便り9)

2016-10-16 12:32:47 | 私の作品(短編・エッセイ)
昨夜は中秋の名月を心ゆくまで愛でた。

図書館からの帰途坂を降りて行くと、右手の空に見事な黄金がかった白い満月がかかっていて見とれた。
河原に降りて山の端の少し上空にのぼった壮麗なフルムーンを堪能した。月光に照り映えた川面は銀箔をのしたようにゆらゆら光り輝く帯にきらめいていた。

ベンガル湾のフルムーンにまさるとも劣らぬ威容の、犀川上流から仰ぐ見事な中秋の名月だった。

閑話休題。
「暗室」日記上下(大塚英子)、「淳之介流-やわらかい約束」(村松友視)を読了。
大塚英子は、吉行の死後発覚した第二の愛人、女性恐怖症だった吉行が唯一息抜きでき安らげた存在だったようだ(女への恐怖心を女で癒すところに二重の皮肉があるが、内心は英子に対してですら、不信感を完全には拭い難かったのかもしれない)。

性的にも濃密に結びついた陰の女、吉行がひっそり匿って自分好みに調教した年齢不詳のミステリアスな美女、身長150センチ、長い黒髪の神経症気味の虚弱体質、世間に順応できず男が守ってやらなければならぬような弱い生き物、文壇一の美男作家ともてはやされ、エロスを描いた作家の愛人にはに似つかわしい。

なれそめは、銀座の文壇バー、「ゴードン」、栄子はそこの一ホステスだった。石原裕次郎さえ求愛したといういわくつきの美女を見事射止めて、バーを辞めさせ、穴蔵のような隠れ家的マンションに囲ったのだ。

「暗室」はじめの作品にもこの陰の愛人の影響は出ているようだ。文学に造詣の深かった英子にタイトルなどを相談することもあったらしい。

それにしても、秘められた愛人の存在は、事実は小説より奇なりというか、性を描く作家吉行の知られざる素顔が小説以上のドラマチック性を帯びた人生劇に、愛読者としてはどんでん返しを食らったようなショックである。それを意図して、吉行は生前英子に、俺が死んだらこのことを書け、と英子に命じたのであろうか。

己の作品に対してのアンチテーゼ、別居していた本妻、長年同棲していた第一の愛人(宮城まり子)への復讐? 実生活では本妻と愛人の間をトスされるバレーボールのように傷めつけられ、手玉に取られた如くの印象があった吉行だが、手玉に取っていたのはご本人、二人の女のいがみ合いの陰で、三人目の女、英子に慰撫を求めていた。

してやったり!との声が聞こえそうだ。しかし、宮城まり子がもう一人の愛人の存在をまったく知らなかったとは考えられない。女の勘は鋭いし、薄々勘づいていたのではなかろうか、それだけに、偏執狂的に、外部からかかってくる電話に神経質になったり、吉行の行動のいちいちを把握しようと躍起になっていたのではなかろうか(興信所で調べればすぐわかることだし)。知ってて素知らぬふりを通していたなら、まり子のほうが一枚上手、「してやったり!」のはずが「してやられた!」ということになる。

いずれにしろ、英子の日記では、まりこは「大先生」として登場し、吉行の畏怖する恐女として描かれる。
作品にも離婚と入籍を迫る愛人の存在は浮き彫りになっているが、若いころ熱愛関係にあった女優宮城まり子とは、吉行にとっていったい、何だったのだろうとの疑問が残った。

またインドに帰ったら、じっくり吉行淳之介論を展開したい。
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ラジオは懐メロの宝庫(菊水庵便り9)

2016-10-13 15:50:57 | 私の作品(短編・エッセイ)
昨夜十一時からのラジオNHKFM、「終わらない夢」ではアルフィーの三人が勢ぞろい、前二回は、高見沢俊彦なしの坂崎幸之助と桜井賢二人のみだったので、狂喜した。

高見沢さんがホストに加わると、GSナンバーを流してくれるからである。

来た、来た、来た!
タイガース!
それも、レアなナンバー、「嘆き」(1969)。
私も聞いたことがなかった。
トッポ(加橋かつみ)が脱退後の岸辺シローが新たなメンバーとして加わった直後の曲とか。

ちょっとジュリー(沢田研二)の声が違うように感じたのだが(若いときってこんな声だった
?)、高見沢さん特選の埋もれた名曲、堪能した。

あと、ラストに流してくれた、高見沢さんのソロナンバー、「赤い糸」もよかった(ソロナンバーであと好きなのは、「逢いたくて」)。

昨日、わがアルフィーベスト10を披露したが、高見沢ヴォーカルの項目に、「君に逢ったのはいつだろう」を付け加えておきたい。

ラジオはいまだに時が止まったみたいに、昭和の名曲をかけてくれるので、読書の合間に楽しんでいる。リスナーが中高年者ということもあるのだろう。

この間、山下達郎ホストの番組で、ゴールデンカップスのB面、「This bad girl」というレアナンバーを流してくれて、アルフィーの曲に似てるなあとしみじみ思ってしまったのだが、GS生き字引を自称する高見沢さん、きっとこの曲を聴いていたはずで、影響を受けたものと思われる。

10月15日は富山でアルフィーコンサート、富山も金沢から近いので、今後参加地候補だ。ただし、土曜だと、ホテルが取れないんだけど。

まだ福井ライヴまでひと月あるが、待ち遠しい。

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秋の兆し(菊水庵便り8)

2016-10-12 16:22:07 | 私の作品(短編・エッセイ)
ずいぶん涼しくなった。
河原の風景も秋の装い。
芝が黄色がかって枯茶もうっすら、土手の桜並木も緑の天蓋が黄ばんだり、オレンジがかったりしている。

冬の間も金沢に滞在したが、そのとき図書館へと通う道筋に連なる裸木は無粋で、なんの木だろうと訝しんでいたのだが、不恰好と思った木々はいちょうであった。これからの季節、黄金に照り映える美しい樹木で、並木にふさわしい。

図書館付設のカフェの窓からも、冬の間は葉を落とした寒々しい枯れ木のみが見えたが、今は鬱蒼とした緑に覆われている。円形にカーブした全面ガラス窓を覆うのは、夕顔の蔓カーテン。
これから秋が深まると、紅葉が進み、窓からの眺めも一層堪能できるだろう。

近場の温泉に、紅葉楽しみがてらの小旅行を考えている。
竹久夢二ゆかりの湯涌温泉なら、金沢駅からバスで50分。日帰りで、総湯だけつかって、夢二博物館を覗いて帰ってくる旅。
薬湯は神経痛や五十肩に効くというから、もってこい。

昨日は久々に街にでて、ショッピングと食事を楽しんだ。
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極私的アルフィーベスト10

2016-10-12 16:00:56 | ラッパー子息・音楽ほか芸能
アルフィーにはまってまだ五ヶ月の新米アル中(アルフィー中毒)だが、百数十曲聞いた中での、我がアルフィーベスト10を掲げたい。

1Last Stage
2愛だけ哀しすぎて
3白夜
4恋人たちのペイヴメント
5別れの律動
61月の雨を忘れない
7メリー・アン
8Rockdom・風に吹かれて
9踊り子のように
10孤独の美学

かなりマニアックな選曲である。ファンに一般的に人気NO1なのは、Musician。次は、意外にもMasquerade Love。私は上の選曲からもわかるように、バラード調のラブソング嗜好なんである。ロックも悪くないが、ベスト10中には一曲も入ってない。

とにかく、埋もれた名曲がどっさりあるので、選択には迷うところだ。

以下は、3メンバー個々人のヴォーカルによるベスト5。

○高見沢俊彦ヴォーカル
1Last Stage
2白夜
3別れの律動
4恋人たちのペイヴメント
5至上の愛
 踊り子のように

○坂崎幸之助ヴォーカル
1恋の炎
2宛先のない手紙
3Downtown Street
4Musician
5Girl

○桜井賢ヴォーカル
1愛だけ哀しすぎて
21月の雨を忘れない
3真夏のStranger
4Faith of Love
5Pride

*他のアル中のみなさんのベスト10は?
よかったら、コメントでお知らせください。
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世界一幸せな国は?(菊水庵便り7)

2016-10-09 15:58:58 | 私の作品(短編・エッセイ)
昨日は秋の長雨、入沢以来ほとんど毎日出ずっぱりだったが、悪天にかこつけて一日休養、読書三昧の一日となった。

「世界幸せ紀行」(エリック・ワイナー、早川書房)が面白かった。幸せの定義を求めて世界十カ国を探訪、なかにはわが居住国インドも含まれる。あとはタイ、ブータン、カタール、スイス、オランダ、アイスランドなど。

アイスランドが世界一幸福な国とのことだが、意外でびっくりした。昼でも薄暗い極寒国だが、どうやら失敗を許容する国で作家などの芸術家が多く、文化的ということで幸福度が高いらしい(カタールはリッチだが、文化がないとのことで、幸福度が落ちる)。

一方モルドバは世界一不幸な国という不名誉な烙印を押されて登場、ソ連邦の崩壊で取り残された国、つまり貧困が癌ということらしい。

インドの項目では、著者がシュリ・シュリ・ラヴィ・シャンカール師の南インドのIT都市バンガロールにあるアシュラムに入会、ベイシック(初心者)コースを受けるくだりが出てくる(私もこのコースはプリーの三ツ星ホテルで受けて、本アシュラムも訪ねた)。

目玉のスダルシャン呼吸法を行い、幸福感が増すという設定だ。
私自身、この行法を八ヶ月続行したが、効力は今ひとつだったのだが。

さて、一口に幸せの定義は難しく、どの国が幸福ととるかは個人差があると思うが、理想郷を追い求めて人が移動するというのは(海外に行かずとも、引越しなども含めて)、一般的だと思う。

私も、インドにユートピアを見出して、文明社会脱出を試みたわけだが、理想と現実のギャップに悩まされた。で、今日本の金沢に副ベースを作って、日印半々生活に踏み出したが、結局どこに行っても、自分が変わらなければ同じだなあとしみじみ思う。

それに、もう地球上どこを探してもユートピアなんかないんじゃないかとの、皮肉ともつかぬ諦観も。ここは天国かと見紛うくらいの美国はいくつかあるだろうが、現実にそこで暮らし始めると、どうかという問題。

イタリアのフローレンスに住んでいた日本女性が、あまりに美しすぎて飽きる、と言っていたようなものだ。

「愛の棘」は、故島尾敏雄の妻ミホのエッセイ集。島尾敏雄の不朽の名作といえば、「死の棘」。夫の浮気問題で神経破綻、精神病院に入院した妻を介護するため自らも付き添い入院、凄絶な夫婦の葛藤を描いたもので、インパクトは強かった。夫の死後、ミホ(故人。加計呂麻島出身)は田村俊子賞をとって小説家として認められ、著作も何冊かあるらしいが、ここまで達者な作家だったとは思わなかった。
国文学者を父に持つため、漢学の素養があり、文章が巧み。古雅な品位ある文で、技術的にも夫の筆力に劣らない。

合間に、アルフィーの八十年代対談集アルバムにも目を通したが、増田恵子(ピンクレディのケイ)や竹下景子らがゲストのアイドル女性との面談より、同じミュージシャンの吉田拓郎とか、南こうせつとの話が面白かった。
タクローの「俺は風になった」の名言や、こうせつの「コンサートは人間が人間を見に来る、ハートとハートの触れ合い」などの真理をついた発言などが、よかった。

異色のゲストは西条秀樹。アルフィーが研なおこのバックバンドをやっていたとき、秀樹のほうからギターを教えてと近づいてきたらしい。
実は最近、秀樹の歌(「傷だらけのローラ」など)もユーチューブで聞いて、歌唱力にうならされていたところ。秀樹もデビュー前はバンドを組んでいたロック少年で、高見沢俊彦とは誕生日が二日違いの1歳年、気が合うのも納得できる。
秀樹も人間的魅力にあふれているからだ。近年二度の大病(脳梗塞)を乗り越えて見事カムバックした経緯など、実に感動的だ。

若いころは新御三家、郷ひろみ、野口五郎、西条秀樹の三人では野口五郎びいきだったが、人間性という意味では、秀樹がベストかもしれないと思わせられる今。

結局のところ、オーディエンスは音楽だけでなく、ミュージシャンの生き方や人間的魅力にも惹かれてやってくるのである。
私がアルフィーにはまったのも、無論音楽もあるが、人間性に惹かれてのことである。

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