旅への郷愁を誘われている昨今、昨年末現地結婚式と新婚旅行後、弟夫婦から譲り受けた「地球の歩き方」の最新版を眠れぬ夜長に繰ってみた。
私がバックパッカー時代の同誌とはずいぶん内容も、編集も一新してしまったものである。カラー写真入りできれいだが、生の情報が少なくなっている。それと、最近の旅の傾向なのか、世界遺産がやたら強調されている。見開き二ページのカラーで詳細図解、私はあまり遺跡には興味がないので、飛ばしながら読んだ。
当地プリーから35キロ離れたコナラークにも世界遺産がひとつ、12世紀のスーリヤテンプル、太陽神殿である。こちらも、遺跡寺院のカラーイラスト入りで、詳細説明されていた。
あと、近年の若者はボランティア活動がお好みなのだろうか。はみ出し囲み記事で、どこそこでボランティア活動ができるという情報が多かった。
昔掲載されていなかった穴場地域もずいぶん、取り上げられていたが、南は寺院都市がやたら多く紹介されている。ヒンドゥ教の寺院なんて、そんなに興味をもたれるものでもないと思うのだが。
ちなみに、インドの有名な聖地ベナレスの名物日本人宿、久美子ハウスがホテル推薦ページからはずされているのにはびっくりした。
確かに、オーナーが客を選ぶとか(面接あり)、夜間外出禁止とか管理体制が厳しく、賛否両論あることは承知しているが、営業歴三十数年の老舗、世界の三大日本人宿のひとつといわれる有名宿を省いたのが解せない。
ベナレスにはほかにも二軒ほど、日本人宿があるようだ。
久美子ハウスの名がなかったので、まさか営業停止と心配になった私は、ネットで調べて健在と知ってほっとしたものだ。
「汚い」との苦情が多かったが、安宿が汚いのは当たり前である。日本人旅行者は値段が缶ジュース二個かそこらの安値で完璧サービスを求めたがる。これもオーナーが日本人という甘えもあると思うのだが。日本人オンリーの安宿を経営する側としては、日本並みのサービスを求められると、しんどい。
私自身、初期八年間日本人宿の女将として奮闘してきた体験があるから、この辺は宿側の言い分がある。
いずれにしろ、悪口をたたかれるというのは、それだけ評判が高いということ、人気宿だからこそ、苦情も多くなる。本だって、同じことだ。悪評判の本が売れたりするように。よきもあしきも、コントゥロバーシャルなのが、人気宿の宿命だ。人気スター然り。
ちなみに、うちは今では客層がインターナショナルになり、私は本業の執筆業が忙しくなって、すでに前面からはリタイアしている。
とうわけで、うちはもう日本人宿ではない。
元々客層にはこだわらなかったので、今のほうがより私が求める宿の概念に近くなっているといえないこともない。
おかげさまで、わがホテル・ラブ&ライフはオープン間もない89年から現2013年まで、「地球の歩き方」に推薦され続けてきているが、地図や情報に誤りがある。
昔、「地球の迷い方」と皮肉るバックパッカーもいたことを思い出す。
在印歴26年の私から見ると、ところどころに間違いも。
しかし、全体から見れば、力作である。
ただ、古い人間の私は、昔の「地球の歩き方」のほうが好きである。バックパッカーの生の声がたくさん反映されていたし、編集方針も当時の風来坊旅行者気風のにじみ出たユニークなものだった。
私がバックパッカー時代の同誌とはずいぶん内容も、編集も一新してしまったものである。カラー写真入りできれいだが、生の情報が少なくなっている。それと、最近の旅の傾向なのか、世界遺産がやたら強調されている。見開き二ページのカラーで詳細図解、私はあまり遺跡には興味がないので、飛ばしながら読んだ。
当地プリーから35キロ離れたコナラークにも世界遺産がひとつ、12世紀のスーリヤテンプル、太陽神殿である。こちらも、遺跡寺院のカラーイラスト入りで、詳細説明されていた。
あと、近年の若者はボランティア活動がお好みなのだろうか。はみ出し囲み記事で、どこそこでボランティア活動ができるという情報が多かった。
昔掲載されていなかった穴場地域もずいぶん、取り上げられていたが、南は寺院都市がやたら多く紹介されている。ヒンドゥ教の寺院なんて、そんなに興味をもたれるものでもないと思うのだが。
ちなみに、インドの有名な聖地ベナレスの名物日本人宿、久美子ハウスがホテル推薦ページからはずされているのにはびっくりした。
確かに、オーナーが客を選ぶとか(面接あり)、夜間外出禁止とか管理体制が厳しく、賛否両論あることは承知しているが、営業歴三十数年の老舗、世界の三大日本人宿のひとつといわれる有名宿を省いたのが解せない。
ベナレスにはほかにも二軒ほど、日本人宿があるようだ。
久美子ハウスの名がなかったので、まさか営業停止と心配になった私は、ネットで調べて健在と知ってほっとしたものだ。
「汚い」との苦情が多かったが、安宿が汚いのは当たり前である。日本人旅行者は値段が缶ジュース二個かそこらの安値で完璧サービスを求めたがる。これもオーナーが日本人という甘えもあると思うのだが。日本人オンリーの安宿を経営する側としては、日本並みのサービスを求められると、しんどい。
私自身、初期八年間日本人宿の女将として奮闘してきた体験があるから、この辺は宿側の言い分がある。
いずれにしろ、悪口をたたかれるというのは、それだけ評判が高いということ、人気宿だからこそ、苦情も多くなる。本だって、同じことだ。悪評判の本が売れたりするように。よきもあしきも、コントゥロバーシャルなのが、人気宿の宿命だ。人気スター然り。
ちなみに、うちは今では客層がインターナショナルになり、私は本業の執筆業が忙しくなって、すでに前面からはリタイアしている。
とうわけで、うちはもう日本人宿ではない。
元々客層にはこだわらなかったので、今のほうがより私が求める宿の概念に近くなっているといえないこともない。
おかげさまで、わがホテル・ラブ&ライフはオープン間もない89年から現2013年まで、「地球の歩き方」に推薦され続けてきているが、地図や情報に誤りがある。
昔、「地球の迷い方」と皮肉るバックパッカーもいたことを思い出す。
在印歴26年の私から見ると、ところどころに間違いも。
しかし、全体から見れば、力作である。
ただ、古い人間の私は、昔の「地球の歩き方」のほうが好きである。バックパッカーの生の声がたくさん反映されていたし、編集方針も当時の風来坊旅行者気風のにじみ出たユニークなものだった。